マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

わたしの可愛い人ーシェリ

2011-07-23 21:23:08 | 映画ーDVD

ーわたしの可愛い人ーシェリーCHERI

2009年 イギリス/フランス/ドイツ

スティーヴン・フリアーズ監督 コレット原作 ミシェル・ファイファー(レア・ド・ロンヴァル)ルパート・フレンド(シェリ(フレッド・プルー))フェリシティ・ジョーンズ(エドメ)キャシー・ベイツ(マダム・プルー)イーベン・ヤイレ(マリ=ロール)フランシス・トメルティ(ローズ)アニタ・パレンバーグ(ラ・コピーヌ)ハリエット・ウォルター(ラ・ルーピオット)ベット・ボーン(男爵)ゲイ・ブラウン(リリ)トム・バーク(デスモン子爵)ニコラ・マコーリフ(マダム・アルドンザ)トビー・ケベル(パトロン)

 

【解説】

フランスの女性作家コレットの代表作「シェリ」を、『危険な関係』のスティーヴン・フリアーズ監督とクリストファー・ハンプトン脚本コンビで映画化した文芸ロマンス。元ココット(高級娼婦(しょうふ))のヒロインと親子ほども年の離れた青年との恋を、舞台となった20世紀初頭の風俗を再現した豪華絢爛(けんらん)な映像美で描く。主演は『危険な関係』のミシェル・ファイファー。共演には『ヴィクトリア女王 世紀の愛』のルパート・フレンド、オスカー女優キャシー・ベイツら実力派がそろう。

 

【あらすじ】

1906年パリ、名うてのココット(高級娼婦(しょうふ))のレア(ミシェル・ファイファー)は恋に落ちる危機を何度も切り抜け、今は優雅な引退生活を送っていた。一方、彼女の元同業の友人はある打算を秘めて、問題児の一人息子シェリ(ルパート・フレンド)をレアに託す。数週間で別れるつもりが6年も二人は共に暮らすが、年ごろになったシェリに結婚話が持ち上がり、レアは動揺する。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

19世紀末から20世紀初頭のペル・エポック(良き時代)と呼ばれる頃のフランスが舞台。

高級娼婦ココット・レア(ミシェル・ファイファー)の物語です。

 

フランスが舞台なのに、みんな英語をしゃべっています。

また、高級娼婦がすごいお金持ちで、引退後も優雅な生活を送っているのが、不思議でした。

吉原の花魁みたいなのでしょうね。

このころのココットたちは、花魁のように店やお金に支配されず、自分の稼ぎは自分のものとできたのでしょう。

 

成功したココット・マダム・プルー(キャシー・ベイツ)の息子であるシェリ(ルパート・フレンド)は、母親に甘やかされ、贅沢三昧で暮らしていました。

 

この作品を、現代の日本で見ると、その豊かさは想像を絶する世界でした。

 

最後の愛人と別れたレアは、引退を決意し、自分のお屋敷でお気に入りの使用人たちと気楽に暮らしていた。

友達はなく、かつての同業者のお茶会に招かれて出かけていく程度だった。

 

マダム・プルーはシェリの放蕩に手を焼いていた。

シェリは19歳にして、女遊びにも飽き、自堕落な毎日を送っていた。

シェリは幼いときからレアのことをヌヌーンと呼んで慕っていた。

マダム・プルーのお茶会で、二人は意気投合し、南仏へ旅行に出た。

 

親子ほど年の違う二人の関係は長くは続かないと思われたが、6年間二人は一緒に暮らした。

長年連れ添った夫婦のように、とても平和な日々だった。

 

☆ネタバレ

マダム・プルーは落ち着いた息子に縁談を持ってきた。

同業者マリ=ロール(イーベン・ヤイレ)の娘、エドメ(フェリシティ・ジョーンズ)だった。

シェリは素直に結婚し、イタリアへ新婚旅行に旅立った。

 

シェリが去って、ものすごい孤独感に襲われたレアだったが、プライドからおくびにも出さず、恋人ができたと言って、行き先も告げずパリを離れた。

 

新婚旅行から戻ったシェリは、レアがいなくなったことで不安定になり、家出をしてしまった。

 

それを旅先で聞いたレアは、シェリが離婚するものだと思い込んで、パリに戻って来た。

シェリも、レアが戻ったことで安心し、花嫁の元に戻った。

 

そして真夜中、シェリがレアの屋敷に強引に入ってきた。

レアの不在をなじるシェリ。

レアはシェリを取り戻したと感じだ。

 

でも、翌朝になると、シェリの態度が違っていた。

 

シェリはレアに「いい人」を求めていた。

なんでも許し、甘えさせてくれるいい人。

自分を独占し、命令するレアなどいらなかったのだ。

シェリの心が掴めないと悟ったレアは、シェリと別れる決心をする。

 

シェリは悲しみながらも開放感を覚え、レアは銃で頭を打ち抜いたと、ナレーションが入ります。

 

この作品は、キャシー・ベイツが高級娼婦で成功した女性とは思えないなあとか、ミシェル・ファィファーも、もう少し肉感的だとよかったのになあとか、いろいろ違和感もあるんですが、衣装の素晴らしさには目を見張りました。

衣装見たさに2回見たくらいです。

ちょっと、マイ・フェア・レディみたい、本当に素敵。

 

このお話は、高級娼婦ではないけど、経済力を得た現代の女性の苦悩にも通じるところがあるかと思います。

また、子供を甘やかして育てる母親もたくさんいるでしょう。

 

シェリを甘やかす母親と愛人。

二人の女の、一番弱いところを描いた映画だと思いました。