メコン川の増水

メコン川の増水    2009.6.1.  金森正臣

 先月上旬からしばらく留守にした間に、メコン川が増水を始めていた。例年6月に入ってからで、今年は異常に早い。写真で見ると、左側から半島の様に突き出しているところが、メコンとトンレサップの合流点。その先に船がつながっているが、現在川の浚渫作業をしている。プノンペンの下水工事をしている日本人の方も、今年は水位が上がるのが異常に早いと嘆いていた。平らなプノンペンは、メコンの水位が上がると、下水も水位が上がり始め、工事が難しくなる。

 水面の高さを見るには、左手の半島の様に見える場所で、水位を見る。先月よりは1.5メートルぐらい高くなっている。メコン川の水位が上がると、左からくるトンレサップに逆流を始める。このメコンとトンレサップの合流点から、トンレサップの一番奥までおよそ250キロメートルぐらいあるが、高低差はわずかに1メートル程度。メコンは平年でも7-8メートルは増水するから、同じ高さ程度になるまで約半年間逆流する。

 今年は雨期も早く、3月から降り始めた。しかしメコン川の増水の主要因は、カンボジアに降る雨では無い。アジア最大のメコンは、遠くチベットに源を発し、雪解け水や上流6カ国の影響を受ける。従って増水の開始時期は、カンボジアの雨期の始まりとはあまり関係が無い。平年の水位より増えるか減るかも、カンボジアの雨量にはあまり影響されない。

 半年もすると、メコンの水位が下がり始め、トンレサップは、上流から下流に流れ始める。川は当然上流から下流に向かって流れると思っていると、トンレサップはどちらが上流か疑いたくなる。しかしやはり川であるから、海に流れ込んでいる方が下流であろう。順流に流れるようになると、ホテイアオイなどの浮草が流れ始めるので、分かり易い。このホテイアオイも、並みの大きさではなく、葉柄が1メートルを超すものも普通である。

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