情報通信研究機構(NICT)サイバーセキュリティ研究所セキュリティ基盤研究室は、独自に開発したプライバシー保護深層学習技術「DeepProtect」を利用し、神戸大学、エルテスとともに、現在の大きな社会課題である不正送金の自動検知をめざして、データの利活用とプライバシー保護を両立できるプライバシー保護深層学習技術の研究開発及び実用性検証に取り組んでいるが、このたび、不正送金の自動検知の精度向上に向けて、既に連携してデータ解析を進めてきた千葉銀行に加え、三菱UFJ銀行、中国銀行、三井住友信託銀行及び伊予銀行が実証実験に参加し、オープンイノベーションによる実施体制を構築した。
これにより、各組織のデータを互いに開示することなく、複数組織による協調学習が可能なシステムを目指している。
「DeepProtect」は、データそのものを外部に送ることなく、複数の組織内で学習した結果のみを暗号化して中央サーバに集め、中央サーバで暗号化したまま学習結果を更新できる技術。
NICT、神戸大学及びエルテスは、金融機関との連携の下、2021年度末までに、プライバシー保護深層学習技術を活用し、各金融機関が持つ顧客データを互いに開示することなくプライバシーの保護を図りつつ、複数機関で連携した機械学習が可能なシステムを構築し、不正送金の高精度自動検知を実現することによって、特殊詐欺の検知精度向上に貢献していく。(情報通信研究機構<NICT>)