“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「二重スリット実験」(アニル・アナンサスワーミー著/白揚社)

2021-12-17 09:34:14 |    物理



<新刊情報>



書名:二重スリット実験~量子世界の実在に、どこまで迫れるか~

著者:アニル・アナンサスワーミー

訳者:藤田貢崇

発行:白揚社

 電子や光子などの小さな粒子は、二つのスリット(穴)を”同時に”通り抜けているように見える――。物理学者たちを悩ませ続ける量子のふるまいは、どのように明らかにされ、今どんな研究が行われているのか?アインシュタインの思考実験から、現代の技術で改良を重ねた進化版まで、量子力学を発展させたさまざまな二重スリット実験を通して、隠れた世界の根源に触れるスリリングな一冊。エレガントな実験で、愉しむ量子力学。
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●科学技術ニュース●日立造船、中国で農畜産廃棄物からの資源循環システムの実証事業を2021 年度から 2024 年度まで実施

2021-12-17 09:33:22 |    化学
 日立造船は、中国瀋陽農業大学(中国瀋陽市)をパートナー、南京中船緑洲環保有限公司(中国南京市)、瀋陽隆泰生物工程有限公司(中国瀋陽市)を協力企業として、国際協力機構(JICA)中華人民共和国事務所と中華人民共和国科学技術部が共同で実施する「2021 年度中華人民共和国科学技術部日中連携事業」に「農畜産廃棄物からの資源循環システムの実用化研究」をテーマに応募していたが、このほど採択され、中国遼寧省政府の協力のもと、同省瀋陽市において農畜産廃棄物処理の実証事業を行うことが決定した。

 同日中連携事業は、中国における「環境(省エネルギー含む)」「医療」「防災」の課題解決に貢献することおよびこれらの課題解決に貢献できる技術を有する日系企業と中国側パートナー(研究機関や大学など)が協力し、中国国内で実証試験の実施などを通じて産業化を目指し、中国の課題解決に貢献するとともに日系企業の中国ビジネス展開の促進を目的とするもの。

 同社は本採択を受け、同社が有する畜ふんからのリン回収技術である「EFCaR(エフカル、Energy Free Carbonizing for Resource recovery)システム」を活用した農畜産物廃棄物処理の実証事業を 2021 年度から 2024 年度まで行う。

 日立造船は、2009 年から畜産廃棄物の資源循環型技術の研究開発を開始しており、2014 年には農林水産省の公募事業において宮崎県小林市で実証事業を行い、エネルギー自立型炭化システムEFCaR システムを開発しました。EFCaR システムは、廃棄物が保有するエネルギーを利用して連続的な炭化処理を実現する省エネ型の廃棄物処理技術。

 また、同技術は、廃棄物中に含まれるリン等の栄養素が可溶性を伴った状態で炭化物に濃縮できることを特長としている。

 同実証事業では、循環型経済・脱炭素型事業の創出を目的としており、処理量 4.8t/日の実証設備を建設し、EFCaR システムの個別効果(化学物質分解、CO2低減、次世代型炭化物肥料)の検証や、将来的な事業化および普及を念頭においた EFCaR システムの事業展開に係る現地導入体制、サプライチェーン等の実現可能性を確認するもので、得られた炭化物の認証や設備の認定を得ることを目指す。<日立造船>
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●科学技術ニュース●産総研、強磁場発生装置を用いない量子抵抗標準素子の開発に成功

2021-12-17 09:32:54 |    電気・電子工学
 産業技術総合研究所(産総研) 物理計測標準研究部門は国立研究開発法人 理化学研究所 創発物性科学研究センター、国立大学法人 東京大学 大学院工学系研究科、国立大学法人 東北大学 金属材料研究所と共同で、強磁場発生装置を用いることなく電気抵抗の精密測定(8桁の精度)を可能にする新型量子抵抗標準素子を開発した。

 電気抵抗は、電流の流れにくさを反映した物理量である。現在、異なる国や地域においても抵抗の測定値にずれが生じないように、物理現象「量子ホール効果」により電気抵抗の値が量子化抵抗値と呼ばれる一定値をとる量子ホール素子を抵抗測定の基準(抵抗標準)として採用している。

 量子ホール効果は強磁場下で発現する現象であるため、超伝導電磁石などの大型で高価な強磁場発生装置を用いる必要があり、手軽な運用が難しかった。このため、強磁場を用いずに利用可能な抵抗標準の開発が世界各国で進められていた。

 今回、2016年ノーベル物理学賞の受賞理由の一つである、新材料トポロジカル絶縁体において発見された弱い磁場下でも量子化抵抗値を示す現象(量子異常ホール効果)に着目した。この新材料を応用し、ホームセンターなどでも安価に入手でき、利用が容易な小型磁石により発生した弱い磁場を用いて国家計量標準と同等な8桁の精度を持つ量子抵抗標準素子を実現した。

 大型・高価で取り扱いの難しい強磁場発生装置が不要になったことにより、最高精度の抵抗標準の小型簡便化が可能になり、民間企業を含めたさまざまな現場での使用が期待される。

 今後はさらに品質改善に取り組み、利便性・信頼性の向上を目指す。また、多くのユーザーにも使っていただけるよう、今回の新型抵抗標準素子を搭載することで小型軽量化した精密電気計測装置などの開発に取り組む予定である。<産業技術総合研究所(産総研)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「英語のハノン 中級」(横山雅彦、中村佐知子著/筑摩書房)

2021-12-17 09:32:10 |    語学



<新刊情報>



書名:英語のハノン 中級~スピーキングのためのやりなおし英文法スーパードリル~

著者:横山雅彦、中村佐知子

発行:筑摩書房

 既刊「英語のハノン 初級」の続編。初級で扱った日常会話を、高校や大学で使うもう一段レベルが高い話し言葉にブラッシュアップするためのドリル満載。
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