“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ロボットと人間」(石黒 浩著/岩波書店)

2021-12-07 09:32:52 |    ロボット工学



<新刊情報>



書名:ロボットと人間~人とは何か~

著者:石黒 浩

発行:岩波書店(岩波新書)

 ロボットを研究することは、人間を深く知ることでもある。ロボット学の世界的第一人者である著者は、長年の研究を通じて、人間にとって自律、心、存在、対話、体、進化、生命などは何かを問い続ける。ロボットと人間の未来に向けての関係性にも言及。人と関わるロボットがますます身近になる今こそ、必読の書。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●スペースBD、10億円超の資金調達を実施し米スペースX社と「ファルコン9」ロケットの利用権確保

2021-12-07 09:32:11 |    宇宙・地球
 宇宙産業における総合的なサービスを展開するスペースBD(東京都中央区、永崎将利社長)は、既存株主であるインキュベイトファンド、アニヴェルセルHOLDINGS、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタルに加え、新たにシンガポール政府系投資会社Temasek Holdings傘下のPavilion Capital PTE. LTD.を株主に迎え、これらを引受先とした第三者割当増資による総額10.4億円の資金調達が完了した。今回を含む累計調達金額は18.9億円 (第三者割当増資:16.1億円、借入金額:2.8億円)。

 これにより同社は、次の事業に取り組む。

 ①国内外の多様な打上げ手段の確保による衛星打上げサービスの拡大

 幅広い国内外需要に対応するため、宇宙への輸送手段の選択肢を拡大する。米スペースX社と2022年10月に打ち上げる「ファルコン9」ロケットの利用権確保を行うなど、国内に加えて海外の輸送手段の調達も充実させ、ユーザーにより柔軟に選択肢を提供できる体制を整える。

 ②同社競争力の根幹である人材採用・組織力の強化

 宇宙をテーマとした教育、地域活性、一般企業のマーケティング活用など宇宙と一般社会を繋ぐプロジェクトや、月以遠の深宇宙開発に向けた大型プロジェクトなど、益々広がる領域での新規事業開発に向けて事業開発人材とエンジニア人材の採用・育成を加速し、組織を強化する。<スペースBD>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●国立極地研究所など、氷に閉じ込められた太古の大気からアルゴンの検出に成功

2021-12-07 09:31:49 |    宇宙・地球
 北海道大学大学院工学研究院の内田努准教授、国立極地研究所気水圏研究グループの東久美子教授、長岡技術科学大学大学院工学研究科の本間智之准教授らの研究グループは、グリーンランド氷床の深部氷中に形成される空気包接水和物(エアハイドレート)結晶中に、太古の大気微量成分であるアルゴンが含有されていることを、新しい検出法を用いて発見した。

 南極やグリーンランドには夏でも融けない巨大な氷体(氷床)が存在し、雪から氷に変化するときにその時代の大気を気泡として氷中に取り込む。毎年の積雪により氷床の深い氷ほど古い大気を保存しており、太古の大気の直接解析が期待されるが、氷床深部では気泡は圧縮されて消滅し、無色透明で直径1mm以下の微細なエアハイドレート結晶に変化してしまいる。

 結晶内に大気の主成分である窒素、酸素が存在することは確認されているが、それ以外の微量成分は発見されておらず、氷中のどこにあるかわからなかった。

 そこで同研究グループは、3番目に多い大気成分であるアルゴンが、エアハイドレート結晶中に存在していることを確かめるため、新たに走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた検出技術を用いて、グリーンランド氷床深部氷(2万年前の氷河期の氷と、12万5千年前の間氷期の氷)中のエアハイドレート結晶を分析した。

 その結果、アルゴンがエアハイドレート結晶中に含まれていることを発見した。 同研究成果は、極地氷床氷中に含まれる太古の空気の解析精度を向上させ、地球環境の変化の歴史と私たちの人間活動による影響を明らかにする研究にも繋がると期待される。<国立極地研究所>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「人間中心設計におけるユーザー調査」(黒須正明、橋爪絢子著/近代科学社)

2021-12-07 09:31:14 |    科学技術全般



<新刊情報>



書名:人間中心設計におけるユーザー調査

著者:黒須正明、橋爪絢子

発行:近代科学社(HCDライブラリー第5巻)

 人間中心設計(HCD: Human Centered Design)という立場から、ユーザーのニーズに適合した製品やサービスを市場に提供するためにどのようにしてユーザー調査をするのか、その調査方法を詳しく解説。ユーザー調査にはアンケート調査のような定量的アプローチとインタビューや観察のような定性的アプローチがあるが、近年注目されているのは後者であり、同書では定性的アプローチないし質的アプローチについて焦点をあてている。ユーザーニーズを捉えるための技術を明快に示した一冊。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする