“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「コロナ後」(佐藤智恵編著/新潮社)

2021-12-01 09:37:00 |    企業経営



<新刊情報>



書名:コロナ後~ハーバード知日派10人が語る未来~

編著:佐藤智恵

発行:新潮社(新潮新書)

 日はまた沈むのか。コロナ禍からの反転攻勢は可能か。これからの戦略の要点とは何か。ハーバード大学の知日派教授10人に緊急インタビューを敢行。世界最高の知性たちから返ってきたのは、前向きで示唆に富む言葉だった。2030年の展望、新たなキーワード、日本が本来持っていた伝統と強み……彼らの知見は未曾有の危機に立ち向かう私たちに前を向く勇気を与えてくれる。激動の時代を賢く生き抜くための書。
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●科学技術ニュース●NTTとNTT ドコモ、世界初、6G 時代の超カバレッジの実現に向けたユーザー追従型メタサーフェス制御の実証に成功

2021-12-01 09:36:31 |    通信工学
 NTTとNTT ドコモは、「電波反射方向を制御するメタサーフェス反射板(RIS反射板)」と 28GHz 帯 5G 基地局を用いて、 ユーザーの動きに合わせて基地局からの電波の反射方向を動的に変更させる実験に世界で初めて成功した。

 これにより、遮蔽物により基地局のアンテナが見通せない場所でも、移動するユーザーに電波を届けることが可能となり、工場やオフィスなどの遮蔽物が多い場所での高周波数帯の電波の 利用シーンが拡大する。

 今後は、6G 時代を見据え、より高い周波数帯でも超高速無線通信を安定 して提供するためのエリア化ツールとして実用化をめざし、検証を進めていく。

 今回、NTT が研究開発を行ってきた「ユーザーの移動に合わせて動的に反射方向を制御する反射制御技術」をAGCの開発品であるミリ波帯の RIS 反射板に適用することで、 5G 以降の世代で利用される高周波数帯で、ユーザーの移動に合わせた効率的なエリア構築が可能になった。

 実証実験では、窓を介して室内に浸透してきた基地局からの電波を、RIS 反射板が適切に電波の 反射方向を制御することで、移動する受信機での受信電力を広範囲に改善できることを確認した。

 NTT にて研究開発した反射制御技術を適用した RIS 反射板を用い、ドコモが屋内エリア設計と 基地局運用を行い、RIS 反射板の屋内での有用性を確認した。<NTT>
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●科学技術ニュース●JAMSTEC、深海性二枚貝から残留性有機汚染物質を検出

2021-12-01 09:36:05 |    生物・医学
 海洋研究開発機構(JAMSTEC)地球環境部門 海洋生物環境影響研究センター 海洋プラスチック動態研究グループの生田哲朗研究員らのグループは、相模湾初島沖で採取したシロウリガイ類およびシンカイヒバリガイ類(いずれも二枚貝)、そして伊豆・小笠原海域明神海丘で採取したシンカイヒバリガイ類から、ポリ塩化ビフェニル(PCB)などの残留性有機汚染物質を検出し、化学合成共生細菌に栄養を依存する非摂食性の動物にも汚染が及んでいることを明らかにした。

 化学物質の中には、環境中で分解されにくく、生き物の体の中に蓄積されて有害な影響を及ぼすものがある。残留性有機汚染物質(POPs:ポップス)も有害な化学物質で、環境中に排出されたPOPsは、最終的には深海に集まると考えられている。

 人為的な環境破壊の影響を受けやすい脆弱な深海生態系への汚染の広がりを理解することは、保全対策を進める上で重要だが、これまで深海生物でのPOPsの分布の情報は魚類を除いて僅かであった。

 同研究で検出されたPCBは、主に塩素含有量の比較的少ない低塩素PCBであった。低塩素PCBは高塩素PCBに比べると幾分水に溶けることが知られており、溶解物として生体の中に取り込まれたのかもしれない。

 しかし、汚染物質の付着した有機物粒子が細胞内へ直接取り込まれた可能性もある。マイクロプラスチックやナノプラスチックなどの有機物粒子が二枚貝の体表から直接取り込まれることは、これまでにも報告されている。。PCBやPBDEは海中のプラスチック粒子に付着したり、PBDEはプラスチック製品の添加剤に使われるため、今後この可能性をさらに調査する必要がある。

 今回対象としたような人為的環境破壊の影響を受けやすい生態系をPOPsの汚染から守るためには、まずは汚染の広がりを把握することが重要と考えられる。そして同様に大切なのが汚染のルートを理解すること。海流シミュレーションなどによるマクロな解析だけでなく、海水や堆積物など、彼らの生息環境の汚染レベルを調べ、さらに、そうした環境中の汚染物質が生体内にどのように取り込まれていくのか、その仕組みを理解する必要があり、同研究グループでは今後これらの問題に取り組んでいきたいと考えている。<海洋研究開発機構(JAMSTEC)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「コンパイラ」(大堀 淳著/共立出版)

2021-12-01 09:35:30 |    情報工学



<新刊情報>



書名:コンパイラ~原理と構造~

著者:大堀 淳

発行:共立出版

 同書は、プログラミングやコンピュータに興味を持つ者が、コンパイラの原理と構造、さらにその開発方法を基礎から理解するためのテキスト。コンパイラの理解は、コンピュータの原理やプログラムの実行のしくみを理解する基礎。そこで同書では、チューリングらによって確立された計算可能性の理論と万能計算機の構築方法を基礎として、コンパイラを含むプログラミング言語処理系の構築原理とその構造を解説する。これらの理解を基に、コンパイラ実現のための主要な基盤技術を、その原理とその背後にある考え方を含め習得することを目標とする。この考え方を理解することができれば、従来難解と受け止められているLR構文解析や多相型の型推論などの技術も見通し良く習得できる。これらのコンパイラの原理と構造の理解に加えて、先端的言語コンパイラの開発方法を習得するために、実際に実行可能なインタープリタと抽象機械へのコンパイラを開発する。高階の関数や多相型型推論などの先端機能を含め、ML言語の小さなサブセットCoreMLを対象とし、ML言語の一つである「SML#」を用いてその処理系を開発する。これらを学び直したいエンジニアや、コンピュータやプログラミングに興味を持つ学部学生に最適な一冊。
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