kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

カリスマ創業者リスク

2022-08-26 06:27:58 | 日記
社長兼最高執行責任者である関潤氏(61)の退任方針が伝わり日本電産株は2.4%の
下落になりました。創業者である永守会長の後任候補となりCEOに就任した関氏が
会社を去ったことから後継者問題は振出しに戻りました。

日本電産はこれまでも後継候補を社外から招いてきました。13年にはカルソニック
カンセイ元社長の呉文精氏を副社長としたが15年に退社しました。14年には元シャ
ープ社長の片山幹雄氏が入社し、最高技術責任者(CTO)や副社長を務めたが21年
に退任しました。15年に招いた日産出身の吉本浩之氏は18年に社長に就任したが20年
に退任し、後任には関氏が就任しました。

当初歴代公認候補の中では関氏は永守会長の信任も厚く初めてCEOを譲りました。
しかし株価の下落と関氏が責任者を務める車載事業が赤字になると永守会長がCEO
に復帰し関氏はCOOに降格となりました。しかし4月のCEO交代時でも4月時点では
まだ後継者候補として関氏は最右翼でした。ぜっせきを残しもう一度CEOとして復
帰するとの期待も高いものでした。

それだけに突然の退任に市場は動揺したようです。カリスマ創業者として同社を一代
で2兆円(23年3月期見通し)を超える大企業に育て上げました。しかし同氏も間もな
く78歳を迎えます。上場企業のなかでは80歳を超えるリーダーも存在しますが、後継
者問題は同社のアキレス腱です。

日本電産同様に後継者問題を抱えるカリスマ経営者は多いようです。SBGの会長兼社
長の孫正義は、15年に後継者としてニケシュ・アローラを指名しました。ところが
同社がその後投資会社として衣替えすることもあったのでしょうか。結局アローラは
すぐに同社を去ることになりSBGの後継者問題は凍結されました。

当初60歳で引退すると公言していたファーストリテイリングの柳井会長兼社長はその後
65歳、70歳と引退時期を伸ばしました。同社は2002年11月に玉塚元一氏が代表取締役
社長に、社長であった柳井正氏が代表取締役会長に就任しています。しかし玉塚社長が
2005年9月に社長を退任し、柳井氏が社長兼任として復帰しています。今年73歳の柳井
氏の後継問題は答えが出ません。

玉塚の前には澤田貴司氏が後継者候補として副社長に就任しましたが、どの度退任して
います。玉塚はその後ローソンの社長に迎えられます。沢田氏もファミリーマート社長
に就任しましたから流通業界では両氏の力量は高く評価されていたことが分かります。
創業者でカリスマ経営者と言われる人たちから見ると子供のような存在である会社を
他人に任せるのはそれだけ大きな決断なのでしょう。

しかし投資家としては創業者が名経営者と言われれば言われるほど後継者問題は大きな
モノとなります。米国では大手IT企業のアップル、グーグルは創業者から2代目になって
も成長が続いています。やはり日本とは人材の厚みが違うのでしょうか。
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