kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

仕手株全盛の訳

2012-06-28 08:09:52 | 日記
ルック、日理化、高島、日産東、レナウンなど主力株の軟調な展開と明暗
が分かれるように仕手株の活況が続いています。その活躍ぶりはバブル
経済真っ只中の相場を彷彿させる勢いです。当時は金融緩和でだぶつい
た資金が株式市場に流れ込み中低位の小型株が乱舞しました。

2000年以降の東京市場は需給面では外国人投資家の売買シェアの上昇
やヘッジファンドの台頭と金融機関の持ち株の長期的な低落が続いてい
ます。先物取引の導入やオプション取引の広がりもここ10数年で起こった
変化です。

また長期運用主体だった年金基金も資金の一部はヘッジファンドに流れ
込みその資金は個々の企業業績よりもグローバルマクロと呼ばれる手法
などで運用されています。グローバルマクロ投資ではロングだけでなくショ
ート戦略を組み合わせての運用が多く世界の株式、債券、為替など様々
な商品で収益を上げることを目的にしています。

東京市場は国内要因よりも海外要因で大きく反応する展開はそんなところ
に背景があります。2年前のギリシャ危機から始まった欧州財政危機は世
界的な金融市場の波乱要因として為替や株式市場に大きく影響を与え続
けています。欧州財政危機の長期化も相まって長期投資から短期の鞘取
りに傾斜しつつある市場では個人投資家の目も必然と短期間での収益を
求める投資行動も仕方ないのかもしれません。

先物やオプションの影響が大きくなると個別株の材料よりも全体の流れで
株価が変動します。そこには個別株での買い手と売り手の力勝負の世界
よりもコンピュータのプログラム売買が幅を利かせます。システム売買に
反旗を翻すように個人資金の一部が仕手株に向かうのも市場の歪みの
裏側なのかもしれません。

FX取引が一般的になり短期の鞘取り全盛の時だからこそ世界情勢とも
無縁で力のある仕手筋が手掛ける銘柄に個人投資家の資金も雪崩込
むのでしょう。儲かる株が有望株だという考え方もあるのも事実です。
例えそれが市場から仕手株と言われている銘柄でも。事の善し悪しは別
にして市場が活況でなければ投資家は離散する一方です。その意味では
仕手株も立派な市場活性銘柄なのかもしれません。

欧州財政危機がまたいつ蒸し返すかもしれない状況では世界経済に影響
されるまともな銘柄よりも国内での需給関係重視の仕手株の方が好まれる
のも現状では仕方ないのかもしれません。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本からスマホメーカーが消... | トップ | 厚化粧に注意 »

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事