kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

霧はまだ晴れず

2024-06-08 12:33:17 | 日記
注目の5月の米雇用統計前月比18万〜19万人増の予想に対して、27.2万人増でした。3月の伸び
は31万5000人から31万人に、4月は17万5000人から16万5000人に修正されたが、パウエル議長
が重視する3ヶ月平均でも24万人となり20万人の壁が意識されます。平均時給が前年同月比で4.1%
上昇し市場予想の4月の3.9%から横ばいとの見通しも越えました。

一方GDPの7割を占める個人消費は引き続き堅調だが、減速の兆しも出ています。23年後半に3%を
超えていた個人消費の伸びは24年1〜3月に2%まで鈍りました。トランタ連銀が経済指標を基に自動
計算する「GDPナウ」は、現時点でこれが4〜6月に1.8%まで鈍化すると予想されています。ISMが
公表する製造業の景況感指数は好不況の境目となる50を割り込む水準で推移し、5月も48.7に悪化し
ました。経済は緩やかに減速していることを示す指標も次第に増えています。

カナダ中銀が利上げしてECBの利下げも確実視されたことから世界的な利下げの流れが鮮明になる
ということで再び早い時期での米国の利下げ期待が高まり株高を誘発しましたが、再び利下げ時期
が不透明になったことで株式市場の先行きにも暗雲が迫っているのでしょうか。

日経平均は4月以降上値が重くなています。それでも3万8000円割れから一段安にはなっていません。
需給面では過去最高水準で推移する自社株買いが効果を発揮しているのでしょうか。今月は3月期決算
企業の株主総会が予定されています。増配や自社株買いに積極的に取り組む企業は増加の一途です。
円安トレンドが続いていることから輸出企業が中間決算に向けて上方修正に進むところが多くなりそ
うです。

高水準な利益と政策保有株売却で手持ち資金が増加する企業も増えそうです。エヌディディア効果が
薄れた半導体セクターも年後半からの回復が鮮明に見えてくれば再び市場の注目が集まるかもしれま
せん。今期も市場予想以上の減益見通しで売られたイビデン株は5月中旬から2割上昇しました。遅れ
ていたPC向けなどの需要が戻ることを株価が織り込み始めた可能性もあります。

東京エレクトロンなど4月中旬まで高値圏で推移していた半導体セクターは需給面でまだ売り圧力が
続いているようですが、同業の米アプライドマテリアル株は年初来高値近辺で推移しています。生成
AI関連では米国市場に比べて層の厚みが少ないため日本の場合一部の銘柄に人気が集中した反動がこの
ところ出ているようですが、半導体市場は今後も成長分野です。当面は我慢が必要でしょうが、再び
このセクターが主役となり日経平均4万円にチャレンジする時期がいずれ来るでしょう。

次回の更新は11日を予定しています。



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