kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

円安メリットだけでは相場

2024-06-11 07:34:05 | 日記
週明け10日の日経平均は反発し3万9000円を回復しました。雇用統計の結果を受け米長期金利が
上昇し円相場が統計発表前の155円台から2円近く円安が進んだことで自動車セクターなど輸出関
連銘柄や銀行、保険などが上昇し指数を押し上げました。もっとも全体の8割超が値上がりしたに
も拘わらず354円の上昇だったことと出来高が3兆3000億円程度と低水準なこともありこのまま3万
9000円台を維持できるかどうかはまだ不安の方が大きいのかもしれません。

トヨタなど自動車セクターは自動車の量産に必要な「型式指定」の取得を巡る不正が明らかになっ
て以降一段と下落していたので円安進行をキッカケに値ごろ感の買いなどが入りやすかったようです。
既に不正発覚以前に円安メリットを囃す相場は影を潜めていますから相場の反転の起爆剤になること
は難しそうです。

市場は円安メリットをよりもエネルギー価格や穀物など輸入物価上昇で今春の大幅な賃上げ効果が
減少しています。150円後半の円安は市場にあまり歓迎されません。東日本大震災の時の大幅な円
高で海外生産が一段と進み円安効果は以前に比べれば半分程度です。

一番の輸出産業である自動車各社は円安が進んだからと言って海外の工場を国内に移転することはあ
りません。日本食ブームでお酒やお米など農産物の輸出拡大にはプラス効果をもたらすでしょうが
そもそも金額はそれ程大きくはありません。

半導体セクターの低迷が続いていることもあり簡単には4万円台回復は難しいそうです。かと言いっ
て3万8000円を割り込んでどんどん下落するような相場展開も現時点では想像できません。輸出企業
中心に足元の円レートよりも10円程円高水準に設定している企業がほとんどですからある程度の上方
修正は少なくとも中間決算までに出てくるでしょう。

半導体セクターも人気離散で株価が下落したことで極端な割高感は交代しました。シリコンサイクル
がこれから上昇することを考えるとこの水準から大きく下げることは考えられないという見方も一定の
支持があるでしょう。米国の9月利下げ期待が先週の雇用統計の結果を受け低下したことで高値圏にあ
る株価が波乱に巻き込まれる可能性も否定できません。円安メリットだけでは相場の本格回復は難し
そうです。


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