kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

穀物価格高騰

2012-08-11 09:03:54 | 日記
世界的な天候異変で穀物の国際価格が高騰しています。米国では干ばつで
とうもろこしや大豆に大きな被害が出ています。ロシアやウクライナでも干ばつ
の発生により小麦に供給不安が出ています。またブラジルでは大雨でコーヒー
やサトウキビの収穫に影響が出ていて国際価格の上昇を引き起こしています。
インドでも干ばつでサトウキビや綿花の収穫が2割程度減少すると予想されて
います。

特にとうもろこし、大豆、小麦の3品には投機資金が大量に流入していて5月
の安値から40%程度の上昇です。穀物価格の上昇は食料品の価格上昇を招
きます。大豆は食用油や家畜の飼料の上昇を招きとうもろこしは同じく家畜の
飼料やバイオエタノールの価格上昇を招きます。原油相場が6月にかけての
急落から一転急上昇した背景もガソリン代替としてのバイオエタノールの価格
上昇も原因の一つでしょう。

新興国は経済成長とともに食肉需要も高まっていますが、飼料価格の上昇は
豚肉や牛肉、鶏肉の価格上昇や乳製品の上昇を引き起こします。小麦価格の
上昇も含めて新興国の物価上昇を招きます。そうするとこのところ沈静化して
いた新興国のインフレが再び懸念材料となります。世界的な金融緩和の流れ
にもブレーキがかかり新興国経済の停滞の長期化にも繋がります。

また国内では食品企業の収益が原料高で収益の足を引っ張るかもしれません。
外食産業でも食用油や食肉の上昇がコストアップ要因になります。デフレ化の
日本では小売の現場も値上げによる消費者離れの不安からおいそれとは価格
転嫁出来ません。そのシワ寄せはメーカーにも及びます。また競争の激しい
外食産業でも安易な値上げは出来ずコストアップを吸収するのは容易ではあり
ません。うなぎ価格の高騰が消費者離れを起こし、薬味の山椒やうな重のお吸
いものに使う三つ葉の卸値の下落にも繋がったと言う記事も出ていました。
「風が吹けば桶屋が儲かる」的な事柄で物事は裏で深く繋がっていることが多
いのです。

例えばマヨネーズの原料は食用油と鶏卵です。飼料原料の大豆ミールやとうも
ろこしの上昇は鶏卵の価格上昇と食用油の上昇で食品の中でも影響は大きい
でしょう。マヨネーズが主力のキューピーには今後頭の痛い問題になるかもしれ
ません。今後穀物価格の上昇が世界経済や企業業績にどのくらいの影響を及
ぼすのか注意深く見ておく必要がありそうです。


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