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この頃気になることなど第18回

2012年07月22日 | Weblog
政党崩壊

 現在の政権党である民主党の崩壊が始まっている。小沢新党に続いて、諸々の理由を付けて離党者が続出している。沈みかけそうな大型船から小舟で脱走を図っている姿に見える。元々寄せ集めで、選挙互助会とまで揶揄された政党である。当然といえばそうだ。

 「その頃優秀だった官僚はみんな民主党を選びましたよね」*10)というのがあったけれど、官僚として「優秀」な人材とは、いかに人間としてお粗末であったかと言われているような結果だ。

 要するに代議士に成るためにどの党を選ぶのが早道か、またどの政党ならば出世が早く見込めるのかだけの判断で、自分の主義主張は後回しにしたのではないか。優秀とは単に目先の「機を見るに敏」なだけ。国家観はなく、この政党を選んだ元官僚とは、官僚としても失格者だったのではないか。

 松下政経塾出身者も自民党と民主党に道が分かれたけれど、民主党選択者はどちらの党が公認を得やすく、その後も党内で出世が早いかを考えただけのように思う。出世は遅くとも自分の信条に近い自民党を選んだ人たちの方が、幸之助氏の塾創設の想いに近かったのではないか。

 池田勇人政権後期、「総理と語る」というテレビ番組で池田総理と松下幸之助氏の対談を何度か見た。松下氏は家電製品で洗濯など家事の重労働からこの国の主婦を解放した。池田総理は所得倍増計画によって国民の所得の向上を実現した。そしてお二人が次は「人づくり」との想いで一致されていた。人づくりに楽な道はない。

 選挙が近い。消費税増税も大飯原発の拙速な再稼働も「国民の生活が第一」で政権を取った人々からすれば大きな路線変更で、これで選挙を戦うには、言い訳が大変だ。それなら選挙民に耳触りのいい反原発、消費税増税もTPPも反対と言う方が庶民から一定の支持を得るためには楽だと考えているのだろう。

 しかし、振り返って、選挙の時に何を言おうが、後からどうにでも変更が可能であれば、誰が政治家の話をまともに聞くわけがない。あれだけマニュフェスト選挙を唱えながら、結果反対のことを行うならマニュフェスト選挙は無効だ。だからその人々を支持する選挙民はいない。選挙互助会政党は選挙のたびに作り直すしかない。楽な道を選んだ者の選択肢は再び「楽か苦か」になってしまう。楽を選んで幸せな未来は来ない。




*10文藝春秋平成24年7月号平成政治24年亡国の「戦犯」から政治コラムニスト後藤謙次氏の弁

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