『シェークスピアは誰ですか?』

2010-08-09 10:52:07 | 本の話
とある時期から新書のブームというものがあり
売れたのかどうかは存じませんがチマタには
新書がたくさん発刊されているようです。

うわさによれば粗製乱造になっている本も少なくない
とか。

興味をもたれやすいテーマで、そそる題をつけ
さっとまとめておけば、読者のウンチクが増える
ということでしょう。
TVのクイズ番組と似た心性がありそうです。

以前は、分かりやすく書いていても、筆者の一生分の
裏付けがあるような本も多かったのですが。


村上征勝著『シェークスピアは誰ですか?』文春新書
副題は(計量文献学の世界)

文学を研究するのに統計を持ち込んだら、という学問で
個人的感想や独断の世界に、一定の客観を持ち込むもの
でしょう。

しかし結局、補助手段にすぎない学問ではないか、という
失礼な感想は否めません。
説得力不足というか、
本当に証明できてるのかな?と思えるのです。

さらりと読めてしまう、私の方に問題もありそうです。
「もっと考えて読め」とお叱りを受けそうな気もします。

いえ。そうは言っても、面白い本でした。

たとえば
「ペンで書く文章と、ワープロで書く文章と
 文体に違いがあるか?」

漢字の使い方は変わるか?
文の長さは?

これは、文章が目的であり手段が変わっても・・という
くらいにしておきます。
後は本をお読みください。


それよりも縦書き横書きの方が日本語にとっては
深刻な問題がありそうです。

確かに文章が変わりますから。

めんどくさがりの方でも、一度(縦のものを横に)
などの作業をされてみたら面白いと思います。
少なくとも文章の一部を変えねばならないことは
よく分かります。

詩などは深刻ですねえ。

計量文献学では取り上げられておられるのかしらん?