通り過ぎる人

2009-12-29 16:36:05 | 塾あれこれ
この一年、著名人で亡くなられた方が大勢おられます。

著名な方以外、身近ではそれほどおられませんでした
が「ああ、良い方だったのに」と思うことも
ありました。

ごく身近な存在では、何年たっても命日を迎えるのが
つらいこともあります。


亡くなられると、たいがい悪くは言われません。

特に遺族、関係者のお気持ちを察すると
良くない話はご法度ですね。

かなり身内同士だと通夜の夜もふけて、親戚のオッサン
などで、「そうは言うてもな」なんてこともありますが
子供のころは無神経に思えて嫌でしたね。


そんな空気からか、マスメディアでも亡くなられた
著名人を持ち上げます。

本当は、悪く言わないのと、やたらに褒めるのとは
違う筈なのですが、何だか死んだ途端に(二階級特進)
みたいになっている人がおられるような気がします。

ちょっとマズイような気もするのですが、
褒めておられるときに、貶すような発言もはばかられ
世の中を片方の評価だけが駆け巡っています。

昔もこうでしたかねえ?

『結婚と葬式とだけ褒められて』


でもねえ、褒めるのなら生きている間でしょう。

亡くなるのを待ってから新聞も大きな記事を書いたり
されますが、生きている間に当人を喜ばせてあげる
ことは出来ないものですかねえ。

例えば「山田五十鈴」

黒澤映画で怖い役が多かったですが、日本のこの百年で
指折りの名優です。

今、皆で認めてあげたいものです。


死後あまり褒めると、みんな均等になってしまいます。

例えば落語の芸だけの話をしますと
先代の桂文楽と現文楽と、だれが同じ評価ができます?

人間としてならば、同等の価値があるでしょう。
人柄なら現文楽かもしれません。

それらはさておき、人間、仕事の評価もするべきです。
残念ながら現文楽師には相当頑張っていただかねば。


今年亡くなられた方の中でも、マスメディアは大きく
とりあげたが、私は「違うぞ」と思う場合もあり
ました。
(エラソーなクチきいてすみません)

本当に惜しい方のニュースが薄まりますよね。

どれほど時間がたてば悪いことも言えるのかなあ。


死者などをめぐるショーバイその他もイヤですね。

介護し見取る、それは大変なことです。
が、TVカメラがあってよいのか?
出版したり、あとTVに出るネタになってないか。

薬の宣伝、医学その他の宣伝に使われてよいのか。

亡くなりそうな人を登場させて、今年一年で死んだ人
なんて番組にして金儲、ってのもヤですね。

何とか賞、死んでから贈ってどうする・・
贈る側が亡くなった人をダシにしてやしないか。


死後の世界はありえない、となるなら若い自殺も減る
かもしれません。

生きているうちの評価をきちんとし
亡くなってから、やたら持ち上げるのも止めません?