田端義夫と紅ショウガ

2009-12-18 14:19:53 | 食べる
田端義夫さんの母上がお亡くなりになったとき
TV(徹子の部屋?)で思い出を語られました。

ご飯のオカズが紅ショウガだけという極貧だった
そうです。
端を少しずつ咬みながらということでしょう。
梅酢に漬けておけば作れますし究極ですね。
食紅で色をつけたやつかなあ?

それほどの極貧ではありませんが団塊世代の子供時代
は、日本も貧しかったので、我が家でも母の前にだけ
コロッケがない、なんてありました。
肉屋で買うコロッケ一つ、場合により半個、と漬物
くらいの食事でしたねえ。
そのコロッケが母にまで回らない日があるのです。
「かーちゃんのは?」
「いいから」
食べなさいと言われても食べられるものではないし
かといって食べなければ叱られるし
うつむいたまんまの食事です。

小鯵の1尾が無いとか、他は2尾のメザシが母だけ
1尾などもよくあり、それでも父は酒を飲んでアテ
がついていましたからねえ。
子供の支持は得られません。

紅ショウガもよく食べました。

実は父が(湯漬け)を好物でそれに紅ショウガが
合うのです。
熱々のさ湯をご飯にかけます。
白濁する水分をすて、これを2、3度繰り返して
さらさらで熱~いのを紅ショウガで掻き込みます。
美味いですよ。

夏は冷たい水で「水づけ」
これには甘くない沢庵が合います。

これらはどうも禅坊主の食事が民間に広まっている
もののようです。


井伏鱒二と開高健の対談で、ベトナムの米は日本と
違って「おねばを何度も捨て、さらりと淡白な味に
炊き上げるのだ」と出てきます。
初めは頼りなく思うけれどこれが美味いらしい・・

湯づけ、水づけに近い感覚ですね。
普通の茶漬が濃すぎると思えるようになります。
米の甘さ、うまさが際だつように思いますよ。


廿日市のKで炊き立ての米を蒸らす前に供してくれ
ました。カラスミ添え。

うう~~。

新米の時期にこうする、といわれましたが
上記の淡白な米の食べ方に通じますね。

知識だけで知っていた、本式の茶懐石で
最初に折敷に、飯碗・汁碗・向付とでる
その飯が炊き立てで蒸らす前のものなんです。

と言っても私は頂いたことはありません。

懐石は知識が勝った、取り急ぎのサービスという風を
見せるだけと思っていました。
・・大間違いでした。

美味ですねえ。


茶はどうも、シビレるし、作法は難しいし
とても苦手です。

サラリーマン時代、会社の若い連中が神田の料亭に
茶を習いに行ってました。
私も誘われ、フクサとか買って・・

三日坊主でした。
最初のフクサの扱いからして覚えられないのダ。。。

でも我慢してやっとけば(江戸千家だったか)
今頃落ち着いた人間になってたかなあ。

少なくとも味覚を向上できたでしょう。
禅にもつながるし。