語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【南雲つぐみ】出会いはストレス? ~4月~

2017年04月08日 | 医療・保健・福祉・介護
 新しい環境や出会いは、楽しみであると同時にストレスの原因になりやすい。なぜ現代人はストレスがたまりやすいのかというと、出会いが多いからだという。
 そもそも日本の人口は、江戸時代中期から明治時代まで約3千万人で、今年3月現在の1億2,676万人の4分の1である。引っ越しや転職などによる移動はかなり制限されていたとされ、一説によれば江戸時代に、農家に生まれた人は一生のうちに400人ぐらいにしか会わなかったという。しかし現代では、入学や就職などで環境が変わるたびに、同じぐらいの新しい人に出会うこともありうる。
 童謡「一年生になったら」の一節に「友達100人できるかな」というのがあるが、もしその100人と同じアドレス交換をしたのなら、ひっきりなしに対応に追われることになりかねない。実際、そのような状況にあるのが今の若者世代ではないだろうか。
 新しい出会いは大切にしたいし、自分を変えるチャンスにもなる。でもその変化に対応しようとし過ぎると、ストレスになりかねない。

□南雲つぐみ(医学ライター)「出会いはストレス? ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年4月8日)を引用
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【保健】玄米でカロリー消費! ~30分程度の運動に匹敵~

2017年04月08日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)玄米など全粒穀物食は、肥満を防止して慢性疾患のリスクを減らすといわれている。
 米国では、国の「食事ガイドライン」で全粒穀物製品を少なくとも毎日3オンス(85グラム相当)食べるように推奨しており、全粒穀物=健康の図式は定着したようだ。
 ただし、全粒穀物食が「なぜ」健康に良いのかは明確ではない。精製過程で廃棄されるミネラル分を余さず摂取できる点なのか。食物繊維がカロリーの吸収抑制に働くことがポイントなのか。
 米タフツ大学の研究者らが、この「なぜ」に注目し、全粒穀物と健康について検討している。

 (2)比較試験は、40~65歳の81人・・・・男性49人、閉経後の女性32人を対象に行われた。
 対象者を2群に分け、最初の2週間は同じ内容の食事を提供。その後、片方には「全粒穀物食」を、もう一方に「非全粒穀物食」を6週間食べてもらった。食事内容の違いは、全粒穀物製品の有無と食物繊維の摂取量で、総摂取カロリー量やミネラルの摂取量などはほぼ同じだった。
 対象者には、比較試験の始まりと終了時に体重やエネルギー代謝率、血糖値、および吸収しなかったエネルギー量(糞便中の排泄量で測定)などを計測している。身体活動量に関しては、普段通りに続けてもらった。

 (3)その結果、推奨される量の全粒穀物を食べた群では、余分なカロリーの摂取が抑制された一方、食事誘発性熱産生を含む安静時のエネルギー代謝が促進されたことが判明。つまり、消化時の熱産生で対照群より1日あたり「100キロカロリー」も多くエネルギーを消費していたのだ。
 空腹感や食事の満足度については、両群で差は認められなかった。

 (4)ちなみに、「100キロカロリー」は30分のウォーキングで消費されるカロリー量に匹敵する。ダイエットのために我慢していた「缶コーヒー」を1本ノンでも許される消費量なのだ。
 厚生労働省は、週2回以上1回30分以上の運動を推奨している。運動が苦手なら、週に2~3回、白いご飯を「玄米ご飯」か「全粒パン」に置き換えるのも一つの手である。

□井出ゆきえ(医学ライター)「玄米でカロリー消費!!/30分程度の運動に匹敵 ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.341~」(「週刊ダイヤモンド」2017年3月18日号)
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン

 【参考】
【保健】1日あたり0.5合程度が上限 ~認知症を予防する飲酒量~
【保健】電子たばこで禁煙補助? ~英米で見解の相違~
【保健】二つの睡眠時無呼吸症候群 ~閉塞性か中枢性かで違い~
【保健】不安やうつはがんの初期症状? ~結腸・直腸、膵臓などで関連~
【保健】赤身肉は魚や鶏肉に置き換えて ~大腸憩室炎の発症リスクを軽減~
【保健】学会監修の防災セットが限定発売 ~心臓を守るリストも~
【保健】前立腺癌の手術で優れているのは ~ダ・ヴィンチvs人の手~
【保健】サウナで認知症リスクが低下 ~本場フィンランドの報告~
【保健】ポケモンGOで運動量up! ~仲間でワイワイの効果~
【保健】「過剰診断」か「見落とし」か ~マンモグラフィー検診のリスク~
【保健】悪性腫瘍ばりの「足の狭心症」 ~運動・喫煙で早期に対応を~
【保健】ワクチンを接種し損ねても ~インフル予防に補中益気湯~
【保健】高齢者は健康な生活、他方、若い世代は生活習慣に課題
【保健】子供の感染性急性胃腸炎に ~家庭でできる経口補水療法を~
【保健】痛風発作の薬は低用量で/米国のガイドラインが推奨
【保健】社会文化的伝統は肥満のもと ~年末~春は危険だらけ~
【保健】サルコペニア肥満で糖尿病!? ~筋肉減でインスリン分泌低下~
【保健】子どもの砂糖摂取量は1日25g以下に ~肥満症対策のため清涼飲料より水~
【保健】偽薬効果は学習効果? ~慢性的な腰痛が軽減~
【保健】中高年の性行動と認知機能
【保健】揚げ物はレジリエンス(心の弾力・回復力)に悪影響?
【保健】カロリー制限か運動療法か、どちらか一つじゃダメか?
【保健】遺伝子検査で再発リスクを評価 ~乳癌、抗癌剤治療の回避も~
【保健】慢性疲労症候群に関係か ~腸内細菌叢~
【保健】脳トレに有酸素運動をプラス ~認知機能と記憶力が向上~
【保健】標準体重なのに2型糖尿病?/BMIが「1」増加しただけで
【保健】受動喫煙は確実に癌、脳・心疾患、乳幼児突然死症候群を生む
【保健】嫌な気分の時こそ、動く ~うつ病治療に行動活性化療法~
【保健】孤独リスクも欧米化する?/宴会文化が廃れた後は
【保健】茶カテキンによる肝障害でノルウェーがサプリメント含有量規制へ
【保健】学んで4時間後に運動すると記憶が定着 ~記憶術~
【保健】飲む抗癌剤で生存率改善へ ~膵臓癌の再発を抑制~
【保健】恐竜も腫瘍を患う ~癌は進化の宿命~
【保健】高血圧にはモーツァルト ~安静に寝ているより効果的~
【保健】塞栓症リスクが低いピルは?/エストロゲン量と黄体ホルモンで違い
【保健】悲しいと食べすぎる ~食べ放題は幸せなときに~
【保健】「夏の蚊対策国民運動」 ~ジカ熱対策~
【保健】2型糖尿病発症にも民族差/アジア系は「BMI23」でリスク
【保健】ジャガイモに高血圧リスク/ノンオイルでも要注意 
【保健】ADHDに「ゲーム療法」?/2製品が臨床試験へ
【保健】男性は運送業、女性は医療・介護 ~メタボになりやすい業種~
【保健】健康生活の王道は「食」 ~食事バランスガイドと死亡率~
【保健】眼底検査で何がわかるか ~眼疾患だけではない~
【保健】弾性ストッキングが効果的 ~エコノミークラス症候群対策~
【保健】マインドフルネスで腰痛改善 ~認知行動療法と同じ効果~
【保健】歯磨きが心血管疾患を予防 ~毎食後で発症リスクを軽減~
【保健】ガン=生存時代の就労支援 ~治療と仕事の両立に指針~
【保健】糖尿病患者の降圧目標値 ~140mmHgでよい?~
【保健】睡眠不足でスナック菓子を渇望、体重増加 ~大麻並みの快楽
【保健】コーラ1缶で薬の吸収率がアップ ~抗癌剤の薬効~
【保健】その一言で妻の2型糖尿病リスクが減少 ~「先に寝ていて」~
【保健】先進国では認知症が減少? ~予防の鍵は生活習慣の改善~
【保健】生活設計は長期戦か短期決戦か ~癌の臓器別・病期別生存率~
【保健】イチゴとオレンジはEDに効く ~米国の研究報告~
【保健】高齢者の服薬適正化にGL ~容易な多剤併用に警鐘~
【保健】朝食抜きに脳卒中リスク 阪大など調査 大規模調査で1.18倍高
【保健】下剤は脳・心血管疾患リスク> ~背景にストレスや運動不足~
【保健】高脂肪食でシナプスが消失? ~動物実験~
【保健】2型糖尿病とフライド・ポテトとの関係 ~ポテトは煮物で~
【保健】世帯の所得と健康リスクの関係 ~食習慣と飲酒習慣~
【保健】抗がん剤の価格差は最大4倍以上 ~WHOの調査~
【保健】より危険な睡眠時無呼吸 ~脳・心疾患のリスク増~
【保健】初日の出の心身的効果 ~鬱対策は光を浴びて~
【保健】日本人肥満男性の食事と運動 ~糖尿病予防~
【保健】適性な「降圧目標値」 ~120未満で関連疾患が3割低下~
【保健】自由な裁量権でスリムに ~ストレスでメタボ~
【保健】目の老化には赤と緑と橙色 ~加齢黄斑変性症の予防~
【保健】早期発見のためにエコーと併用 ~乳がん検診~
【保健】骨折予防はカルシウムのほかに・・・・
【保健】前糖尿病患者は食習慣の改善を ~全国糖尿病週間~
【保健】糖質制限より脂質制限? ~体脂肪を減らす~
【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~
【保健】貧乏ゆすりが命を救う? ~マナーより健康~
【保健】「高収入の勝ち組」の健康リスク? ~50歳以上の有害な飲酒~
【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?
【保健】目の愛護デー ~緑内障による失明を予防~
【保健】長時間労働は脳卒中リスク ~週41~48時間でも上昇~
【保健】ほぼ毎日食べると、死亡リスクが14%減少 ~唐辛子~
【保健】水族館でリラックス効果 ~血圧・心拍数に好影響~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【南雲つぐみ】炭酸水と胃薬

2017年04月08日 | 医療・保健・福祉・介護
 ヨーロッパでは天然の炭酸水が産出される地域が多く、食事時に炭酸水を飲む習慣があるようだ。その効用は、食欲を高めておいしく食べること。炭酸水は胃壁を刺激して胃液の分泌を促すことが分かっている。胃の血管が拡張するので胃袋が広がり、食欲増進につながることは、シャンパンなど炭酸系のお酒が食前酒として好まれていることからも分かる。脂っこい料理の後に炭酸水を飲めば、口の中がさっぱりする。
 炭酸水は整腸作用も期待できる。二酸化炭素の細かい気泡が直腸を刺激して、腸の運動を活発にしてくれるという。とはいえ、サイダーのような甘い炭酸飲料は、糖分の取り過ぎが気になるので、無糖の炭酸水をお勧めしたい。
 ただし、炭酸水と胃薬を併用するには注意が必要だ。制酸剤という胃酸を中和する胃薬を炭酸水で飲むと、胃酸を中和せず炭酸水の酸を中和して、本来の働きを弱めてしまうという。製薬会社の全薬工業(本社・東京)では、制酸作用のある胃薬を飲む場合、前後2時間は炭酸水を飲まないほうがよいとしている。

□南雲つぐみ(医学ライター)「炭酸水と胃薬 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年2月9日)を引用
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする