会場まではちょっと車を飛ばせば30分弱。スタートは午後1時。
時間的アドバンテージはたっぷり。なのに朝から落ち着かないことこの上なし、今年も。
9時には小学校体育館のグリーンシートの上(Yahoo!掲示板・「奥多摩発山を駆けるトピ」仲間の集合場所)。続々と集まってくる懐かしい顔。あれよあれよと時間は過ぎる。たっぷり過ぎるほどの時間もあっという間の出来事。
応援団はこの3人(かきぴさん・女将さん・ハリマネ)を中心に。
スタート地点へは早めに移動(なまさん提供。実は決意が感じられるバックショット?)。
ここでも久し振りの面談第2弾。レースへの緊張感は微塵も感じる暇がなし。毎年恒例、makotoさん達と情報交換の時。おっ、これは?
天候は晴れ。秋の風も吹き、思ったより気温は高そうだけど、何よりのグッドコンディション。ラッシュアワー並の混雑でスタートラインを通過(って、勤めをしていた時は遠距離だから座っていけたし、今は職場まで10秒だし、ほんとはラッシュアワーなんてよく知らないはず)。
まぁ、恐ろしいスピードで我先へと向かうが、ひたすらスントが表示する心拍数とだけにらめっこ。高い高い。
広徳寺への上りが始まる頃から次々と会話が弾む選手達との遭遇。互いに健闘を約束しながら。
【タッキーさんは今日も元気いっぱい】
【若手のホープ、そげんさん。去年は同じくらいだったけど、今年は圧倒的スピード!】
それにしても今熊神社からの登山道、しっかり流れに乗っているけど大丈夫か。走れるトレイルに出た後もペースはなかなか。もちろん苦しくはないけど心拍数は大変立派。不安なら落とせばいいのに、「落とさなきゃ、落とさなきゃ。ゆる、ゆる、ゆる。脱力、脱力、膝抜き、膝抜き・・・」呪文を唱える怪しいハリ天。十分わかっちゃいるけど、勝手に足は前に前に。
【入山峠で捻挫完治せず出場断念のかっくくんの応援を受ける】
1時間、2時間。確かに心拍数のアベレージを見ると164。これは高過ぎ。
後方から天狗ファンさん、肋骨に入ったヒビはまだ完治せず、力抜かないとなんて言いながらしばし併走。少しでも一緒に走れたのはラッキー。
スピードがないないと言いながらも、上りもきちんと走れていて流石。あっという間に先行される。
その後も知人に続々とつかまる。前半の前半だから無理しなくていいのだけど、なんか次々だったので、気持ちは徐々に追い立てられている気分。
自分の走りに余裕が感じられない。
いちいち去年の自分と比べても仕方ないけど、力が入っている分きつい。
やがて三国山。ノザキさんがリタイヤとかで声援を下さる。さんぽさんが遠路はるばる群馬から応援に駆けつけて来てくださっていた。早くも足がこたえ始めていたけど、急に元気回復。
20km手前あたり、話し声が後方から近づいてきて、なんとkin29さんに素浪人さん。kin29さんには余裕過ぎる入りかな。素浪人さんにはレース前から「鬼ごっこ」の宣戦布告を受けている。早くもゲットされてしまった。
けど、気分転換になって、浅間峠まではいい感じで走り抜ける。
■第1関門:3時間19分29秒
浅間峠通過は昨年より1分ビハインド。体感的には10分くらい早い到着と。焦る必要など何もないのに、何となく急いでいて、とうとう大応援団を逆撮りすることをすっかり忘れてしまった。しばらくして気づいたハリ天、大失態だ。かなりショボン。
が、これはレース。いいやいいやと思いこんだら、今度はケイレンが始まった。すでに浅間峠前までで、岩塩投入の効果が現れず、伝家の宝刀・安全ピンを使ってしまっていた。
今年の「未曾有のケイレン地獄」の本格的な幕開けだった。
始めはみんなにアドバイスする通り、チョンチョンで済んでいたのが、徐々に効き目がなくなってきて、内転筋やふくらはぎのうごめき方が段々激しさを増してきた。まだ前半なのにラスト勝負の前のような気合いでつつかないと収まりがつかない。なんてこった!
しっかり走れとアドバイスしている笹尾根。走れるのだけど、走ればすぐに右、左、太もも、内転筋、ハムスト、ふくらはぎ・・・。
オレもオレもと次々にケイレンして見せてくれる。「いい子だ、いい子だ」で収まっていたのに、段々図に乗ってきて、暴れたい放題。
許していいのか!お仕置きは強烈!!
平坦地で歩いているところ(足をだましているところ)をTJAR完走のかどさんに追いつかれ先行される。
暗くなってライトを灯すようになると、気温もグンと下がりさらに嫌な予感。
左手にハンドライト、右手に安全ピン・・・なんだこりゃ。
やがて三頭山の上り。ケイレンさえ収まっていればそこそこのスピードで登れる。
とっくに切れてもよさそうなものだけど、ライト(閃)が明るいので何とか持ち直し。それなら今年の秘密兵器、Musicスタートだと用意をしようと端によると、なんとそこにへたり込んでいたのはペターくん。
あまりに早過ぎる遭遇にこっちがびっくり。こんな所で何やってんだ!
いつもは追いついたら嬉しいのだけど、場所が場所だ。とにかくハリ天に追いつかれるには早過ぎる場所だろ。目がうつろ、大丈夫か。例によってほぼ無理矢理引っ張る。
だけど自分の足も大変なことになってきている。
三頭山には何とか元気そうに到着。ここで何年ぶりかのベンチ座り。足プラプラとiPod装着。しばらくするとげんぼさん、続いて蘇ったかのようなペターくんが下っていくのが見えた。
追いかけるが、下りの足が・・や・ば・い。
miyaさんに先行される。今年は5kg絞ったと調子はとても良さそう。ロードでは大変な実力者、当然と言えば当然の走り。すぐに見えなくなってしまった。
鞘口峠から月夜見までは稼ぎ所がかなりある。なんとか、なんとか踏ん張る。
■第2関門:6時間54分21秒
月夜見第2駐車場。ここにはrikaさんが応援に・・・いたいた!
彼女の元気な声援に息を吹き返す。コンディションが良ければここのハイドレーション給水はパスしてしまうことも考えていたが、とんでもなかった。
500mlのポカリを飲み干し、水1リットルを補給。
三頭山手前では死に顔だったペターくんが蘇っている。げんぼさん、素浪人さんもシートで休んでいる。マカニ・トモさんも一緒だ。騒いでいたらchinさんまでやって来た。rikaさんが大集合だぁと大喜びしてくれている。
さて、元気をもらってしまったので、ペターくんとすぐに出発。鬼ごっこ中の素浪人さんを突き離すチャンス到来。(この後は一度も追いつかれず、勝利!いえ~い)
前方にマカニ・トモさんが先行中と。蘇ったペターくんのスピードに付いていくのがつらかったが、踏ん張る。こんなところで彼と一緒に走ることになるとはかけらも予想していなかった。けど、久々、去年の大岳山からの併走を思い出しながら楽しいひととき。
その後はマカニ・トモさんも交えて3人旅が少々。
御前山の手前で二人に置きざれにされる。上りをちょっと踏ん張ると(踏ん張るな、踏ん張るなと言ってるのに)、足はもう慣れっこになったかのようにうごめき出し、固まる。ストップ。痛くて嫌だなと一瞬だけ躊躇した後、ブスッ、ブスッ。
下りはよれよれ。
後方から選手が迫れば、即道を譲る。足が言うことを聞かないので、気を抜くと簡単に根っこに引っかかり、こけそうになる。おっとぉなんてことになると、即大ケイレンの登場。とんでもない下り。
大ダワの手前で、再びペターくんの座り込み。電池交換と言っているが、声も表情もかなり険しい。
大ダワまで来るとかなりの安心感。昨年は一気に勢いがついた所だ。浅間峠から移動して応援の雲助さん、かおちゃんさんが。ちょっと余裕なくて申し訳なかったなぁ。
ケイレンが引っ込んだら、走れるうちにとにかく走れ、走れ、走れ。しかし、今回の「ケイレン地獄」は相当にアクドイ。調子が上がってくるや否や計ったかのように現れる。
いつもならぐいぐい稼ぐはずの大岳山への上りも情けない酔っぱらいのような足取り。あ~あ。
大岳山の下りは少し前方にマカニ・トモさんを見ながら。御岳の水場で追いついた。それにしてもここの水はうまい!
一気に勢い戻ってきて気分、初めて上々。浅間峠から移動して応援してくれている女将さんがビーム発射する第3関門へ突入。
【暗くても女将ビームはしっかり届きました~】
■第3関門:9時間54分18秒
案の定、すっかりスタッフ化した女将さんやコーチさん、今回初めてお会いしたKITTY1号2号さん達の声援を背に、トモさんと併走。
いい感じで最後のピーク日の出山を目指す。
【患者さんの一人が御岳で応援してくれました。感謝!】
日の出山まではベスパを投入してガツガツ走る。ずっとこんな感じで走るイメージだったのに。足はよく動き、このままゴールまで是非とも保って欲しいとお祈り。ホントに、心から。
ちょっとおとなしめの夜景の写真を1枚。標識の上に乗せて撮っているのに、今年も惜しいピンボケ。
あとは下りだけ。
しかし、今度はケイレンではない筋肉痛を感じるようになり、ややスピードダウン。
後方からトイレ休憩で遅れていたマカニ・トモさんが追いついてきて、また前後しながら走る。悪くはないペースだけど、足の動きが少しでも変わると、待ってましたとばかりに、やっぱり飛び出すケイレン。
それでも確実に前に進み、ゴールが近づいていることだけは確か。
残り5km。当初のイメージ通りなら最後の勝負所に、スーパーファイヤー301も取り出し、ハンドライト2本体制で突っ込む予定だった。
しかし、今日はとても突っ込めない。だからスーパーファイヤーは登板なし(濃縮最高級ベスパも登板回避)。すでに首脳会議ではとっくに決定していたけど、今年の新兵器「ジェントス閃」のパワーが薄れてきた。
ので、急きょ登板。明るくして前の選手を追う。最後のケイレンでずっと一緒だったマカニ・トモさんにはとうとうちぎられてしまった。こうなりゃ最後までと思っていただけに残念。
金比羅神社横でハリマネに電話。去年、想定外の好タイム(早い時間の連絡)で驚かせてしまったけど、今年は逆に「走れメロス」だ。
去年はここで年代別トップに立ったんだなぁ。今年はずっぽりと沈んだ・・・。
下りながら、色々とレース状況の報告。残り1.5km。ここまで来てもうケイレンはないだろうとスピードを上げる。今の精一杯の走りを。最後のカーブの手前からは全力走。(おたぽんたさん撮影のゴール直前)
午前0時間31分13秒、未曾有のケイレン地獄との戦いだった10度目のハセツネが終わった。(よくやったけど、やっぱ悔しい)
【本日のトレーニング】
・non