十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

2015-05-13 | Weblog
古雛の白きがんばせ太柱     木下あきら

古雛の佇まいの中で、「白きがんばせ」に焦点が絞られたことによって見えて来るものは、面長な顔に切れ長な目、能面に似た静かな表情である。愛らしいイメージの雛とは違って歴史を感じさせる古雛の風格が辺りを圧しているようだ。下五に置かれたのは、「太柱」。どっしりと時を支えてきた太柱が、存在感のある措辞となって一句をしっかりと支えている。「滝」5月号〈瀑声集〉より抄出。(Midori)