風光る張れば滴る舫ひ綱 及川源作
船が風に吹かれ、海中に沈んだままの舫い綱がピンと海上に引つ張られたのだろう。舫い綱を滴る海水が、太陽の光に輝いてまるで生まれたばかりのようだ。早春の海辺のワンカットに、漁の始まりを予感させる生命感あふれる一句である。「滝」5月号〈滝集〉より抄出。(Midori)
船が風に吹かれ、海中に沈んだままの舫い綱がピンと海上に引つ張られたのだろう。舫い綱を滴る海水が、太陽の光に輝いてまるで生まれたばかりのようだ。早春の海辺のワンカットに、漁の始まりを予感させる生命感あふれる一句である。「滝」5月号〈滝集〉より抄出。(Midori)