JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

俺様独りお出掛け

2009年02月11日 | p-r

建国記念日の今日は、午前中に趣味部屋の掃除を済ませ、新聞を読みながらリスニング&珈琲タイム・・・
「そうだ、今日は料理当番もないことだし、小さな春でも探しに出掛けようか」
てんで、晴天とはいかぬ空模様でしたが寒くもないし、午後からは久しぶりに『独りお出掛け』をしてきました。

まず春といえば ♪梅は咲いたか、桜はまだかいな・・・♪(もちろん桜はまだですけど。笑)
このあたりではそこそこ梅の名所といわれるお寺さんへ
「あれ?車が停まってないってことは、まだ咲いてないのか?」
違いました。なんと、山門を締め切って工事を行っているようで
「なんだよぉ、俺様がせっかく来てやったっちゅうに」
さすがの『俺様』も不法侵入するわけにもいかず、近くの地蔵脇に咲いた梅を寂しく眺めてまいりました。



これで帰るというのもなんですから、今度はそのまたすぐ近くの小さな神社にまわってみると、

氏子さん達が二十人ほど集まって何かやっていたようなのですが、神事はすでに終わった後、
「なんで俺様が来るまでやっててくんないんだよう!!!」

社の隅にいらした布袋さんが『俺様』の運の無さを笑っていらっしゃるようです。

「え~~~ん、いいも~~ん、こうなったら俺様は海に行っちゃう!海に向かってバカヤローって叫んじゃうんだから・・・」

ということで、S君の自宅近くの海岸まで足を伸ばすと人はまばら、数人のサーファー達が波と格闘していました。

波間をとぼとぼ歩いていると、さすがの『俺様』も独りだということが何だかとっても侘びしくなってきて、海に向かってじっと何かを見つめるカモメさん達に相手にでもしてもらおうかと近づいて行くと


これが・・・・こうですよ

「え~~ん、カモメすら、俺様をさけてるよぉ~~~~ ♪カモメ カモメ わかっておくれ~~~♪ 俺様の気持ちをわかっておくれよ。」
やっぱり休日は、『俺様独りお出掛け』より『仲良しみんなお出掛け』のほうが楽しいですね。(笑)
とか言って、つまらなそうに書いてしまいましたが、じつはそれなりにリフレッシュできたんですよ。いやいや負け惜しみじゃなくて(笑)
最近、散歩もままならなかったので、神社の階段を登ったり、砂浜を歩いたり、けっこう良い運動になりましたし、ゆっくり味わう山の空気や海の風は気持ちが良いものですから。

さて、今日の一枚は、ソニー・ロリンズです。
ロリンズですが、ロリンズ・ファンにとってはかなりやっかいな一枚かもしれません。

昔、私は「ドン・チェリーが好き!」と高らかに宣言していたときがありました。(笑)ところが、そのわりに所有アルバムが少なかったというじつにわけの分からん「好き」だったのでありますが、
その私が欲しい欲しいと言ってずっと手にしなかった(ここも矛盾してますよね)アルバムが今日の一枚です。

オーネット・コールマンと袂を分けたチェリー、復帰後どんな方向へ向かおうとしていたのか私には今ひとつ分からないロリンズ、二人の出会いは、偶然だったのか?必然だったのか?

RCAと2年間で6アルバムという契約を結び、「THE BRIDGE」で復帰をはたしたロリンズは、アルバムそれぞれに違ったテーマというか、表現というか、ともかくいろいろな切り口を試すごとく、感じの異なったアルバムを作り上げています。
その最左翼(?)が今日の一枚だと言ってもよいかもしれません。

ただ、面白いのは、いかにフリーとはいえ、ロリンズはロリンズ、コールマンでもないし、もちろんコルトレーンでもない、ロリンズとして正面からフリーに立ち向かう勇ましさすら感じます。そのくせ「過去の栄光にはしがみつかないぞ!」といった意気込みも伝わってきて、私は嫌いじゃありません。

よくよく考えてみれば、「今や時代はアバンギャルドだ」てな思いつきで、「ならばチェリーとやろう」なんて、いいかげんにやった演奏であるなら、ロリンズはここで終わっていたのではないでしょうか?
いや、なみのサックスマンなら、そう思わなくとも終わっているかもしれませんけど(笑)

いずれにしても、私にはこのアルバムにもまた「ロリンズたらん」を見出したりします。

二人の共演は翌年のヨーロッパ・ツアーが終わるまで続きました。
録音も「3 IN JAZZ」「EUROPEAN CONCERTS」「ROLLINS MEETS CHERRY Vol.1, Vol.2」なんかに残っていますし、パリ録が1枚のCDにもなっているようです。

ともかく、毛嫌いせず、真正面からぶつかったロリンズを、真正面から聴く、それも必要じゃないかなぁ、なんてね。

OUR MAN IN JAZZ / SONNY ROLLINS
1962年7月27~30日録音
SONNY ROLLINS(ts) DON CHERRY(cor) BOB CRANSHAW(b) BILLY HIGGINS(ds)

1.OLEO
2.DEARLY BELOVED
3.DOXY


昔之人無聞知

2009年02月09日 | j-l

気温はともかく、昨日のような強風がないぶん、今日は穏やかな天候でした。

今日の話題は、昨日の『レジ袋有料化』といったエコ話に通じるものがあるのですが、日曜版朝日新聞be『サザエさんをさがして』の話題でして・・・・
またかいとお思いでしょうけど、日曜の午前に読むにはピッタリの毎回じつに懐かしい思いをさせてくれる面白い記事なんですよ。

今回は「リンゴ箱のわら縄」という記事。
昨日のレジ袋同様、昔リンゴは発泡スチロールや段ボール箱には入っておりませんで、木箱にいっぱい詰まったもみ殻に埋もれ、しかも箱はわら縄でしっかり亀甲に・・・違います違います、きちんと梱包してあったのであります。

我が家にも昔は、親戚や父の知人からリンゴが届くことがありましたからよく覚えています。
嬉しくて梱包を開こうと、いさんでそのまま畳に持ち込むと(とても重かったのに、そういう時には力が出るんですよね。笑)、母が慌てて飛んできて
「なにしてんだ!父ちゃん帰ってから!そんなとこに持ってきたら畳が切れちゃうべ!」
なんてね。
それでもまだうらめしそうにしていると
「しかたねぇ、開けんだったらおもてで開けなよ」
ってね。
もみ殻に手を突っ込んで、この手ですくい上げてやったリンゴの可愛かったこと綺麗だったこと(笑)
思えば味も、品種改良がより進んだ現代のものよりかなり酸っぱかったんでしょうけど、美味しかったですねぇ・・・・

やがて木箱は段ボール箱にとって代わられ、「同じ時期に荷造り用のわら縄も身近ではなくなった」(昭和の懐かしい風物を紹介するサイト、EMITの運営管理者、朱夏さん)。いまでは保冷箱や緩衝材の主力は発泡スチロール製だ。 <中略> だが、ここにきて、わら縄、もみ殻の知恵は、再評価の気運が高まる。

これもまさにエコ気運でありましょうか。

「包装材は荷を解けば、全てゴミになる。ゴミをつくって、もうけたところで、どうなる?」
とは、川口市で梱包資材を製造・販売するワタコンの会長、渡辺徳治さん。
そんな問いかけに、足かけ4年を費やし開発されたのが、使用済み段ボール等に網状に切り込みを入れシワを寄せた緩衝材をつくる製造機なんだそうで、その緩衝材は私も見たことあります。

記事は、
わら縄、もみ殻を知らない世代にも、こんな心意気だけは伝わってほしい。
と〆られておりましたが、まさにその通りですよね。
昨日の『レジ袋有料化』同様、「昔の知恵に学びつつ新たな工夫をする」これなんだろうなぁ

昔の人は聞知(ぶんち)するなし。[昔之人無聞知]
「古い人たちはなんにもわかっちゃいない。これは親を馬鹿にした子の言いぐさだ。」
周公の言葉を聞き、
古人の徳を稽(かんが)えよ。[稽我古人之徳]
「いにしえの聖人たちの徳を考えよ。そこには範とすべきことが残らずある。」
召公の教えに学ぶ、でしょうかね。

さて、今日の一枚は、久々のエルビン・ジョーンズです。


THE ULTIMATE

ブルーノートでの一作目「PUTTIN' IT TOGETHER」二作目「THE ULTIMATE」が、フォーマットはロリンズ、サウンドはコルトレーンといった感じであったのが、三作目のこのアルバムではフロントを3管に増やしたあたりに、どちらからも離れた独自性を出そうという、エルビンの野心が見え隠れするように思えます。そして、その成果は確実に現れている一枚に仕上がっていると思います。なにしろ、エルビンのドラムとキャンディトのコンガの存在感が半端じゃありません。(笑)
さらにコールマン、アダムス、ファレル・・・これもインタープレーというのかどうかは知りませんが凄い。

エルビンの力を感じさせる一枚だと思います。

ちなみにジャケットにいっしょに写っているのは奥様のケイコさんかな?この人マネージャーとしてもそうとう苦労したと聞いてます。
それにしても、ケイコさんにしても、ウエイン・ショーターのミヤコさんにしても、アート・ブレイキーの奥さんにしても、小野のヨウコさんみたいな性格じゃないのか、それとも私が興味がないせいなのか、その後どうしていらっしゃるかはつゆ知らず、
ケイコ・ジョーンズさんはお元気なんでしょうねぇ
ミヤコさんは曲まで作ってもらったのに別れてしまいましたしねぇ
ブレイキーの奥さんだったという日本人なんて名前すら知りませんから
まっ芸能記者でもないからいいか(笑)

POLY-CURRENTS / ELVIN JONES
1969年9月26日録音
ELVIN JONES(ds) GEORGE COLEMAN(ts) JOE FARRELL(ts,b-fl,fl,eng-h) PEPPER ADAMS(bs) WILBUR LITTLE(b) CANDIDO CAMERO(conga) FRED TOMPKINS (fl)

1.AGENDA
2.AGAPPE LOVE
3.MR.JONES
4.YES
5.WHEW

追伸、
『サザエさんをさがして』で紹介されていた朱夏さんが運営されているサイト「EMIT」を覗いてみました。
いやぁこれがまたなかなか興味深いサイトでありまして、よろしかったらみなさんもご覧になってみて下さい。
    http://www.emitefil.com/

サザエさんつながりで、同サイトの60・70年代TVドラマ「サザエさん」を見てみたら、
 ♪ サザエさん サザエさん サザエさんってどんなひと?
   そりゃもう美人で しとやかで・・ ♪
という歌詞が、
「そうそう、♪ お魚くわえたどら猫 追っかけて・・・ ♪ってあれより、こっちの歌詞のほうが俺には印象的なんだけど・・・・そっかぁ、アニメじゃなくて江利チエミの実写版の主題歌だったんだぁ」

ではあらためて

 ♪ サーザエさん サザエさん サザエさんって どんな人?
   そーりゃ もう 美人で (そりゃもうっ) しとやかでぇ
   朗らか過ぎて 上品で 親孝行で 親切で

    「かつお!わかめ!こらぁ!待て~!」
 
   そそっかしいのが タマに傷 消え入りそうに うなだれて
   モジモジ 真っ赤な モジモジ 真っ赤な サ~ザエさん ♪
 (大笑い)


便利でもあきらめて

2009年02月08日 | j-l

またしても週末金曜日は飲んべえ虫が騒ぎ出しほぼ朝帰りという、
「歳を考えなさいよ!」
ごもっともであります。てなことで昨日の午前中も爆睡、Mさんのお店の手伝いに行く頃にもまだアルコールの香りが微妙に残っていたりして、
いかんですねぇ、せめてお昼(午前0時ね)前後には退けないと、毎週土曜の午前中は爆睡じゃどうしようもありません。

いえね、一昨日もS君と飲み始め、お昼頃に一度帰ろうとしたんですよ。
ところが、先日いつものバーに借金を残したまま帰ってきたものですから、その払いに行こうと・・・・これがいけませんでした。
あれ?けっきょくは借金も返してないんじゃなかろうか????
ママ、そのうち返しに行くね。

そうそう、そのママに写真の引き伸ばしを頼まれていたんでした。
以前、酔っぱらいながら撮ったボトルの写真を何故か気に入ってくれまして、
「A4くらいの大きさでかまわないから、大きくしてくれる?」
「はいはい、うちのプリンターじゃA4までしか出来ませんので(笑)」
借金を返さずにまた飲んできてしまったお詫びに、さっそく大きくしましたので、これもそのうち持っていきますね。

さて、話は大きく変わりますが、2月からこのあたりのスーパーで始まった『レジ袋の有料化』、本日は強風の中、私も夕飯の買い物に行って実体験してきました。大きなエコバックをぶら下げている人、リュックを持っている人、紙袋で済ます人、段ボール箱を持参する人、そこそこ混乱もなく順調に行われているようです。

ところでレジ袋っていつ頃からメジャーになったんでしたっけ?ポリエチレン製レジ袋の前は紙の袋だったですよね?その前は・・・・そうそういわゆる買い物籠、母があれを腕にかけて買い物に行く姿を今でもよく覚えています。

「原油を原料としたポリエチレン製レジ袋は、一九七○年代に登場。軽くて丈夫なことから、買い物かごなどに取って代わった。今では、国内で年間三百億枚、一人当たり三百枚近く使用している。だが、九五年に容器包装リサイクル法が制定され、ペットボトルやガラス瓶などと同様、削減・再利用の対象となった。」
なんだそうでして、なるほど母が買い物籠を使っていた頃をよく覚えていて当然なのであります。
「年間のレジ袋の使用数を原油量に換算すると、日本全体の一日分輸入量に匹敵する。」
かなりの量だぁねぇ。

ところが、昔は買い物籠をぶら下げていたはずの母が
「問題は、ゴミ箱のゴミをどうやって捨てるかだな」
つまり、いままでゴミ箱にレジ袋をセットして、いっぱいになったレジ袋を縛り、大きな市指定のゴミ袋に入れ収集に出していたというパターンを考え直さなくちゃいけないというのです。
「でもまぁ、それはしかたないか、生ゴミ以外はゴミ箱の袋もリサイクルしよう。」
「ふむふむ、その通り(笑)」

あとは、私が手伝いに行っているコンビニのレジ袋をどうするかですねぇ
いずれ近くこちらも有料化という流れになるんでしょうが、今でもMさんのお店なんかだと、とある外国人のお客様は必ずエコバックを持参されますし、レジ袋を断る方や一度お渡ししたレジ袋を何度も持参される方もいたりして、システムを作る以前に私も含め個々人の自覚が最も必要なのかもしれません。

ところが「一度手にした便利なものを捨て去る」これが出来ないんですよねぇ・・・・・
まぁ普段じつに無駄なCO2を放出し続けている私としては、その程度の努力はしなくちゃいけませんわな。

ということで、デカイ紙袋を持たされ買い物に付き合わされた私が作ったこれ、『料理当番、本日の一品』です。

「揚げカレイの甘酢あんかけ」です。
昔は甘酢あんが少々苦手だった私も、歳のせいか最近は好物へと変わり、ビールにも合うし、ご飯にも合うし、そこそこ好評でした。

こちらは「水菜とお揚げのサラダ」です。

さて、今日の一枚は、ミルト・ジャクソンです。
アトランティック第一弾にして、サボイ盤「OPUS DE JAZZ」と並ぶ代表アルバム。

いつも言うことですが、MJQの縛りを外れたバグスが私は好きです。
バーニー・ケッセルのソロで始まる「THESE FOOLISH THINGS」なんて、じつによろしくありませんか?
ともかく、三つのセッションともに、バグスのソウル・スピリッツって言うヤツですか?それに溢れています。
まっ私はスピリッツではなく、バーボンを飲みながら聴きますけどね。
ともかく、この頃のバグスをカッコ悪いとは誰にも言わせません。(笑)

BALLADS & BLUES / MILT JACKSON
1956年1月17[6,8,9],21[1,3,5]日, 2月14日[2,4,7]録音
MILT JACKSONM(vib)
LUCKY THOMPSON(ts) JOHN LEWIS(p) SKEETER BEST (g) OSCAR PETTIFORD(b) KENNY CLARKE(ds)[6,8,9]
JOHN LEWIS(p) BARRY GALLBRAITH(g) OSCAR PETTIFORD(b) KENNY CLARKE(ds) and RALPH BURNS(arr.)5 woodwinds. [1,3,5]
BARNEY KESSEL(g) PERCY HEATH (b) LAWRENCE MARABLE(ds)[2,4,7]

1.SO IN LOVE
2.THESE FOOLISH THINGS
3.SOLITUDE
4.THE SONG IS ENDED
5.THEY DIDN'T BELIEVE ME
6.HOW HIGH THE MOON
7.GERRY'S BLUES
8.HELLO
9.BRIGHT BLUES


味わったことのないエクスタシー?

2009年02月05日 | s-u

 ♪ 破れ単衣に 三味線だけば
  よされよされと 雪が降る
  泣きの十六 短い指に 息をふきかけ 越えて釆た
  アイヤー アイヤー 津軽 八戸 大湊 ♪

え?いつから演歌のブログになったのかって・・・・まぁまぁ

今日の昼食は珍しく大衆食堂のようなところで定食をいただきまして、テレビがかかってたんですねぇ。
「1985年2月5日、本日は高橋竹山の亡くなられた日です。」
みのもんたさんが出てましたから日テレ系でしょうか
「そうかぁ、今日は竹山の命日かぁ・・・・・」

私が高橋竹山の津軽三味線を始めて聴いたのはいつ頃だったでしょう?
ともかく衝撃的でした。それはコルトレーンに出会ったときと大差ない衝撃だったように覚えています。そのくせ、我が家にはレコード一枚とテープから起こした音源くらいしか残ってないんですけどね。(笑)

大学に入って一度だけ渋谷のジャンジャンに彼を聴きに行ったことがありました。
「じょんがら節」「よされ節」もうこの時点で私は行かされましたっけ、感動とか感激とか衝撃とかそんな次元じゃありません、まさにある意味エクスタシーでしょうか?他では味わったことのない感覚でした。
あれこそ、生で聴くべきものですよねぇ・・・・・

小学校に入ったが、3日でやめた。近在のボサマから三味線を教えられ、それからは勝手な弾き方で門付けをし、16歳で独り立ちをすると、また門付けを始めた。「門付けして歩いて三味線がうまくなれるもんでねえ。競争相手もなし、だいいち生活のために困って歩いているんだもの、上手も下手もあったもんでねえ。糸切れても代わりなもねぇもんだから、ただ結んでつかってな。(『津軽三味線ひとり旅』より)

三味線一本での門付け生活、一時三味線の世界から身を引いたり、復帰したりと、その経歴はまるでアメリカの古いブルースマンのようでもあります。
当時、小児麻痺でほとんど全盲に近かった者にとって、生きる術は限られたものだったのです。
そのな生き方、そして津軽の血が、口では説明できない感覚を彼の演奏に与えるのでしょう。

今晩はジャズのレコードを聴く前に竹山をあらためて聴いてみようと思っています。

津軽の泥くささというが、三味線もあの匂いは消されねえけれども、そのなかにちょっときれいな、みんなが聴いてくれるものを勉強してつくっていきたいという、わたしはそういう気でやっています。

さて、今日の一枚は、ニーナ・シモンです。
彼女のデビュー作であり、代表作でもあるこのアルバムは・・・・・・
あはは、歌ものに関しては、私がどうのこうの言うのは10年早いわけでして、じゃあどうして今日はこのアルバムを紹介しようと思ったのか。
じつは昨晩、いつものバーで飲んでおりますと有線だと思うのですが「I LOVES YOU, PORGY」が流れてきましてね。
ママには言いませんでしたが、なかなか良かったのであります。

ピアニストとしても優れた才能を持つシモン、エリントン・ナンバーの「MOOD INDIGO」なんかの弾き語りも良いなぁ・・・・
竹山の後は、これを聴きます。

LITTLE GIRL BLUE / NINA SIMONE
1957年録音
NINA SIMONE(p,vo) JIMMY BOND(b) AL HEATH(ds)

1.MOOD INDIGO
2.DON'T SMOKE IN BED
3.HE NEEDS ME
4.LITTLE GIRL BLUE
5.LOVE ME OR LEAVE ME
6.MY BABY JUST CARES FOR ME
7.GOOD BAIT
8.PLAIN GOLD RING
9.YOU'LL NEVER WALK ALONE
10.I LOVEE YOU, PORGY
11.CENTRAL PARK BLUES


豆は煎るけど金もいる

2009年02月03日 | m-o

月も朧に白魚の、かがりも霞む春の空、、つめいぇ風もほろ酔いに、心持ちよくうかうかと、うかれ烏のただ一羽、塒へ帰る川端で、棹の雫か濡れ手に粟、思いがけなく手に入る百両・・・・・
 (おん厄払いましょう、厄落とし)
ほんに今夜は節分か、西の海より川の中、落ちた夜鷹は厄落し、豆沢山で一文の銭と違って金包み、こいつぁ春から、縁起がいいわえ~~

お嬢吉三の名台詞ですね。今日は節分、厳密に言えば明日からが春ですから、節分の夜に「かがりも霞む春の空」ってぇのも変なんではありますけど・・・・

人気力士をはじめ、スポーツ選手に俳優さんに歌手にタレントさん、『年男』もいれば『女の年男』も入り乱れ「鬼はそと~~ 福はうち~~」(成田山では「鬼はそと」を言わないそうですが)、福を欲しさに豆に打たれ、福豆拾う善男善女。
毎年の光景であります。

家庭でも、子供たちが大きな声で「鬼はそと~~ 福はうち~~」、「ほんとの鬼はそこにいる」てなことは心にグッとしまいつつ、「ヒェ~」とばかりに鬼の面を付けたお父さんが逃げ回るんですなぁ。つい一ヶ月ちょっと前にはサンタクロースだったのが、今日は鬼ですから、お父さんもたいへんだぁ。

どうにも許せないのは『恵方巻き』
そもそもこのあたりに『恵方巻き』の習慣など無かったわけで、商業主義に乗せられて
「お母さん、うちは『恵方巻き』無いの?」
「お父さんが買ってくるの忘れたのよぉ」
って、そこまで言うなら自分で作れ!てんですよね。

なになに、節分に『恵方ロールケーキ』?!
「てぇげぇにしろってぇの、何かにつけてケーキケーキって、ケーキはクリスマスと誕生日だけで充分!」

あれ?何の話でしたっけ?
そうそう、お嬢吉三の名台詞の話でした。(いやぁ、ここまで長かったねぇ)

「豆沢山で一文の銭と違って金包み」
この例えでありまして、
昔は「家庭で豆まき」すら贅沢なことで、年の数の豆に一銭、または12銭包んで、家の外に捨てる、それだけだったそうですありまして、
これをレゲーのオッサン達が「おん厄払いましょう、厄落とし」と言いながら拾い歩いたという「貧しき者どうし救い合う」現代に最も必要な『助け合い』の仕組みでもあったわけですね。

つまり、盗賊お嬢吉三は「そんなみみっちい金なんかじゃなくて、俺は百両も手に入れた、こいさぁ春から縁起が良い」とそう言ってるわけです。

「あ~あ、俺だってそんな大金が手に入るんだったら、豆に打たれようと、恵方巻き喰おうと、いやいや、恵方ロールだって喰っちうけどなぁ・・・・・豆は煎るけど金はもっといる
って、やっぱりそこかい!

まっともかく、明日からは暦の上とはいえ春です。何か良いことがあるといいですよねぇ。

さて、今日の一枚は、チャールズ・ミンガスです。
昨夜このアルバムをヘッドフォンで聴いていたら、狭~~汚~い何処かのジャズ喫茶が頭に浮かんできました。しかも、アルバムの中身云々ではなく、なんだかとっても寂しかったような・・・・・
そうちょくちょく行っていたジャズ喫茶じゃないのは確かで、名前も場所も浮かんできません。ただ間違いなくこのアルバムが流れていたんですよねぇ・・・・何処のジャズ喫茶だろう????????
またまた、突然のフラッシュバックです。(笑)
きっと一人寂しい時に、「やっぱこういう時はジャズでしょ」ってペコッと入ったジャズ喫茶で、かかっていたのがこの強烈な一枚だったから、なんとなく覚えているんだと思います。

おっと、思い出話ではありませんでした。
ローランド・カークが参加したアルバムを、私が紹介するというのはとても珍しいことだと思います。(おそらく4枚目かな?)
それは、どうにも何本もの楽器をいっぺんに鳴らすというあのスタイルが、未だに許せないからなのかもしれません。
ところが、ここでのカークのソロは許すとか許さないとかそんなんじゃありません。ミンガスの挑発に感化されたそれは、恐ろしいほど私に迫ってきます。

カークだけじゃありませんよ、ハミエット・ブルイエットもなんだか凄い、いえいえ、他のみんなも凄い、これがミンガスの仕掛けたジャムセッションの恐ろしさ?

MINGUS AT CARNEGIE HALL / CHARLES MINGUS
1974年1月19日録音
CHARLES MINGUS(b) JON FADDIS(tp) GEORGE ADMS, ROLAND KIRK(ts) HAMIET BLUIETT(bs) JOHN HANDY(as,ts) CHARLES McPHERSON(as) DON PULLEN(p) DANNIE RICHMOND(ds)

1.C JAM BLUES
2.PERDIDO

おまけ、
今思い出しました。
小田急線の向ヶ丘遊園駅近くにあったジャズ喫茶「ガロ」だと思います。
「汚~い」なんて言ってすいません。
でも、寂しい冬のいつか、私は「ガロ」で「MINGUS AT CARNEGIE HALL」を聴いた、これは間違いありません。


ちりも積もれば・・・

2009年02月02日 | p-r

今日は風はあるものの良い天気です。それにしても浅間山の噴火、ビックリしましたねぇ、昨日の地震と因果関係はあるのでしょうか?
ともかく、大きな被害が出ないことを祈りたいと思います。

昨晩ブログを更新した後、「『料理当番 本日の一品』で私は何種類の料理を作ったのだろう?」などというくだらないことを考え始めまして・・・・
こうなると気になってしょうがないのが私の性分。
「ついでだから写真の整理でもしてみるか」
てんで、ニコンの『my Picturetown』を利用して『料理当番 本日の一品』だけのマイ・アルバムを作ってみることにしました。

ところがところが、きょくりょく重なった料理などは省いたものの、写真をアップロードするだけでもとんでもない時間がかかってしまいまして、又も寝不足です。(笑)
肝心の種類というか数ですが、写真枚数だけで見ると約160枚、「ちりも積もれば山となる」とはまさにこのことですねぇ、味の善し悪しは別としても、
「これだけの料理を作り続けた私は偉い!」(笑)
一つ一つの写真を見ながら、ちょっとした満足感に浸ったのでありました。

今朝になって
「ねぇねぇ、料理のアルバム作ってみたんだけどさぁ、ほら、これが美味しかったとか、これをもう一度食べたいとかさぁ、そういうのあれば・・・・」
「はいはい、朝は忙しいんだから、後で見るからね」
「・・・・・・」
しょせんそんなもんなんでありますねぇ(トホホ)

「それでもいい、俺は自己満足のために新たな料理に挑戦するゾォ!!」
「まぁ、ほどほどに頑張って」

話はまた大きく変わりますが
今日のお昼時、久々にジャズに関する質問を受けました。(私に訊くのは間違いだとは思うのですけど...笑)
じつに基本的な質問です。
「バブさん、バップっていったい何がバップなんですか?」
「それはつまりだねぇ、1930年代後半からニューヨークは52番街、このあたりを中心に起こった、黒人ミュージシャン達による新たなジャズ・ムーブメントのことで・・・・・・・」
型どおりの説明というのは、いかにも人間味というか面白味というか、そういうものがありませんねぇ、自分で言っていても「これがはたして答えになっているんだろうか?」との疑問符がつきまといます。
やっぱり、音楽は理屈じゃないんですよねぇ、終いにゃ
「そういうことは、どんなジャズ本読んでも書いてあるから、それを読めば・・・というより、やっぱそのあたりの音楽をバンバン聴くに限るんじゃない」
と、こうなるわけでして

「じゃあ、バップって言葉そのものはどういう意味なんすか?」
「これはね、そもそもがスラングなんだけど、『拳固で殴りつける』って意味が『殺す』って意味になって、でもこれは直接ジャスのバップとは関係が無くて、第一音と第三音を第二音より一オクターブ低くするようにするから、リ・バップとかビ・バップとか声に出して言うのに似てるってんで使われ出したって説と、スペイン語の・・・・・だから、それも本を読みゃぁ書いてあるって」
「最初に言葉として使ったのはガレスピーだったって、ほんとうっすかね?」
「だから、俺はその時代にゃ生きてないっつうの・・・・っていうか、ガレスピーがしてた眼鏡はバップ眼鏡って言われてたよ」
って話が全く違う方に行ったりして

ともかく、理屈に走るのは私も含め日本人の悪い癖ですね。理屈抜きにもっと素直にジャズを聴きましょうや

今日の昼休みはこんな話でおわりましたとさ、なんじゃそりゃ

さて、ということで、今日の一枚は、チャーリー・パーカーです。
以前「Vol.1」を紹介済みですので、細かいことは置いとくとして、ダイアルに残る録音を二枚にまとめたCDの「Vol.2」です。
「Vol.1」はロスでの録音、「Vol.2」はニューヨークでの録音をまとめたものですが、ロス・ラッセルがロスでのパーカーのために立ち上げたレーベル、ダイアルが何故ニューヨークに出張っていったのか?
まっ簡単に言ってしまえば、ダイアルとの契約などパーカーには関係なし、勝手にニューヨークへ帰ってしまった彼をダイアルが追っかけていったという、ある意味信じられない話なのでありますが、それだけラッセルがパーカーに惚れ込んでいた証とも言えますよね。

おっと、「理屈抜きにもっと素直にジャズを聴きましょう。」でしたね。

CHARLIE PARKER STORY ON DIAL Vol.2 Westcoast Days
1947年10月28日~12月17日録音
CHARLIE PARKER(as)
MILES DAVIS(tp) J.J. JOHNSON(tb) DUKE JORDAN(p) その他

1.DEXTERITY
2.BONGO BOP
3.PREZOLOGY
4.SUPERMAN
5.BIRD OF PARADISE
6.EMBRACEABLE YOU
7.BIRD FEATHERS
8.KLACT-OVEESEDS-TENE
9.SCRAPPLE FROM THE APPLE
10.MY OLD FLAME
11.OUT OF NOWHERE
12.DON7T BLAME ME
13.DRIFTING ON A REED
14.QUASIMADO
15.CHARLIE'S WIG
16.BONGO BEEP
17.CRAZEOLOGY
18.HOW DEEP IS THE OCEAN


嘘つきは答えちゃダメ!

2009年02月01日 | m-o

2月1日、月明けの今朝はどんな目覚まし時計より強力な起こされ方をしました。地震です。震度は3だったもののかなり長い間揺れていて、少し寝坊をしようとの予定はもろくも消し去られました。
否応なしに早起きさせられたので、午前中は趣味部屋の隅々まで掃除をして、きれいになった所での「珈琲&ジャズ・タイム」、今日は母の運転手で一日終わることを覚悟していた事を思えばこれも「早起きは三文の得」ということでしょう。

そんなこんなで新聞もゆっくり読めたのですが、朝日新聞の「be」にちょっと面白いアンケートが載っていたので紹介しましょう。

それは『食べ出すと止まらないものは?』というもの
アスパラクラブのホームページ上で今月上旬行ったアンケートで、9115人の回答があったそうです。

  「ダラダラダラダラ(ダラダラしてんじゃなくて、ドラムの音ね)
   第一位は!
   カルビーのポテトチップス!!!!」
だったんだそうですよ。
二位は「落花生・ピーナッツ」三位は「亀田製菓の柿の種」
残念ながら「♪やめられないとまらない♪」の「かっぱえびせん」は第四位
以下、「みかん」「湖池屋のポテトチップス」「カルビーのじゃがりこ」「するめ」「明治製菓のカール」「東ハトのキャラメルコーン」というベスト・ナインでありました。

この結果に納得の方も多いのでしょうが・・・・・
私は・・・そうですねぇ・・・・・・
ポテトチップスにはあまりその手の魅力は感じませんねぇ、むしろベスト・ナインには入っていませんが「ポップコーン」のほうが止まらないかな。
「落花生・ピーナッツ」これは分かりますねぇ、ナッツ類は全般にその傾向がありますよね。
「亀田製菓の柿の種」これ、これですよ。
高校の時にアルバイトをしていたジャズ喫茶で、ビールの注文があるとお通し代わりに柿の種とピーナッツを混ぜたものを出してたんです。隠れてちょっとつまみ食いなんかしちゃうと止まらなくなっちゃって・・・・いくら補充しても減りが早かったのは私のせいです。すいませんでした。(笑)

記事によれば、亀田製菓では柿の種とピーナッツの割合を、発売から「7対3」「5対5」と変化させ、現在は「6対4」で定着、これを「黄金比」と呼んでいるそうですよ。(私は「3対1」が好みかな。)

「止まらなくなる原因」に対する、明治大学の斎藤孝教授の説は面白い
「単純な動きが区切れなく続いてリズムが生じると、やめられなくなる。味がなくなってもガムをかみ続けていたり、貧乏ゆすりが止まらなくなったりするのと似ています。」

いずれにしても、食べ過ぎはいけません。(とくに私のようなメタボってる人はね)
「食べている途中で立ち上がって、トイレに行き、ついでに歯を磨くのはいかがでしょう。」
斎藤教授は「リズムの中断」が効果的とこんな事をおっしゃっていますが・・・・
う~~ん、実行はかなり難しいように私は思いますけど、みなさんはいかがですか?

もう一つ、同じ「be」の『飲んでも、飲まれるな!』という記事で「お酒を飲むか?」「酒の失敗は?」等の、興味深いアンケート結果も載っていたのですが、こちらの紹介はまたの機会ということで・・・・
ちなみに、私が酒で失敗したことといえば
・・・・・・・ありませんね。な~んもありません。

根本的に私はアンケート向きではないようです。だって嘘つきだもん。
みなさん、アンケートには正直に答えましょうね。(笑)

え~、本日は日曜日、先週はMさんのお店の手伝いでお休みでしたが、恒例の『料理当番、本日の一品』です。

「鯵の木の芽焼き」と「ホタテと茹でキャベツのサラダ」(この二つには焦がしバター醤油をかけました。)それに「長いものチーズソテー生ハム巻き」の三点盛りです。

私はこちら「鯵のたたき」で一杯やっつけましたけどね。
そうそう、今日からいつも買い物に行くスーパーが、レジ袋の有料化を始めたんですよ。まっ、この話も後々ということで

さて、今日の一枚は、レーニー・ニーハウスです。

ウエストコースト・ジャズの賛否はとりあえず置いておいて、ニーハウスのアルトは、じつにストレートで、いかにも「しっかり勉強してきてんぞう」的まともな音(ここを良いと思うかどうかなんだろうけど)をしっかり聴かせてくれるといった印象があります。

さらにこのアルバムなんか聴くと、アンサンブルもあたりまえのようにキチンとしているし、ウエストコーストの特徴が充分活かされた演奏であると思います。
(このキッチリさが嫌な人もいるんだろうけど・・・笑)

どちらかといえば、難しい顔してスピーカーと相対するといった代物好みの私としては、いささか物足りなさはあるものの、その上手さ、心地よさは否定できません。

これぞ「ウエストコースト・ジャズ」と言える一枚だと思いますよ。

Vol.1 THE QUINTETS' / LENNIE NIEHAUS
1954年7月録音
LENNIE NIEHAUS(as)
JACK MONTROSE(ts) BOB GORDON(bs) MONTY BUDWIG(b) SHELLY MANNE(ds)
STU WILLIAMSON(tp,tb) HAMPTON HAWES(p) RED MITCHELL(ds)

1.I'LL TAKE ROMANCE
2.PRIME RIB
3.INSIDE OUT
4.BOTTOMS UP
5.YOU STEPPED OUT OF A DREAM
6.WHOSE BLUES
7.I REMEMBER YOU
8.DAY BY DAY
9.I CAN'T BELIVE THAT YOU'RE IN LOVE WITH ME
10.POINCIANA
11.HAPPY TIMES
12.I SHOULD CARE