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JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

希望が活きる国

2008年08月24日 | p-r

北京オリンピックも今日で終わり、なんだかへんにバタバタとした感じも終息するのでありましょうか?
もちろん私もオリンピックの各競技に一喜一憂した一人ではありますが、ニュースなどあまりにもそれ一色で「オイオイ、これを隠れ蓑にとんでもないことが何処かで進行しつつあるなんてこたぁねぇんだろうな」などといらぬ心配をしてしまったりして(・・・・・ほんとに無いんだろうねぇ。)
それとそれと、来月5日から始まる北京パラリンピックも、同様とまでは行かなくとも多くの時間を割いた報道をしてくれればとも願うのであります。

「バブさん、バブさん、わたしとSEさん、明日、バブさんのところへ行きます。いいですか?」
昨日、Mさんのお店でアルバイトをしている中国からの留学生Yさんが、そんなことを言ってきました。
「バブさん、明日も料理作るんですか?わたしとSEさん二人で、バブさんの料理食べに行きます。」(SEさんは日本人のアルバイトです。)
実際は今日も彼女はアルバイトをしていますから、私の家へ来ることは不可能なのですが、どうも、ブログの写真を見てから私の料理を食べてみたいと思っているようなのです。

今、Mさんのお店では、二人の留学生がアルバイトをしています。
中国人のYさんとミャンマー人のK君、二人とも流ちょうな日本語で何ら問題なく接客をこなしていますし、頑張り屋さんで覚えも早い、何事真面目に取り組む姿には、見習う点も多々あります。
考えてみれば、まったく環境の違う日本で言葉を覚え、勉強を続けているのですから、頭脳明晰であることはあたりまえなのではありますけどね。

興味深いのは(興味というと失礼かもしれませんが)、時々、それぞれのお国について話をしたりすると、それぞれのお国の現状を強く感じることがあります。
「学校が終わったら、将来はどうしたいの?」
二人とも日本企業への就職を希望しているようです。
ただし、中国人のYさんは、地元に進出している日本企業に就職をして、いずれ地元に戻りたいとの考えなのに対し、ミャンマー人のK君は「地元に戻りたい希望はあるものの、国の現状を考えると、日本に親兄弟を呼んで生活をする方がベターかもしれない」と話します。
「バブさん、サイクロンのニュース聞くとき(聞いたとき)、おかあさんに逢いたくなるよ、寂しくなるよ」
なんだか、こっちまで涙が出そうなお話であります。

子供を海外へ留学させているくらいですから、二人の実家はそれなりに裕福なお宅なのでしょう。それでも、国の現状によって大きく変わる二人の希望。
これは、けして『対岸の火事』ではありませんよね。
日本だって、徐々に若者が夢を持てない社会になりつつあります。
オリンピックを見て「希望さえ捨てなければ、努力さえすれば、夢は叶うんだ」と思う子供たちに対して、現実には希望を捨てなくてはいけないような国だなんてなっちゃったら、そりゃあイカンでしょ。
『希望が活きる国』であり続けて欲しい、そう思いますよね。

こんど作り置き出来そうなものを料理したときには、二人へ持っていってあげようか、などと思っている私でありました。

ということで『料理当番、本日の一品』

ジャガイモがまだまだ山のようにあるので、「ジャガイモ・スープだけどシチューみたい」(私のネーミングです。笑)を作りました。

ジャガイモは煮崩したのではなく、一度蒸したものをマッシュして使いました。
具は、人参、ベーコン、とんもろこし(笑)、キャベツ、トマト、それになんだか串の付いた「ミニ・フランク」なるものが冷蔵庫に入っていたので、それも突っ込みました。

これに「烏賊焼き」「茄子とキュウリの塩もみ」が、私以外のメニュー。
えっ?私?私は飲みましたから

「イカ刺し」と「鯵のナメロウ」です。

さて、今日の一枚は、アート・ペッパーです。
「あらら、またアルトかい」との声も聞こえてきそうですが、けして娘を意識したものではありませんよ。(笑)

サンクエンティンの刑務所に服役中、ペッパーは何を考えて毎日を過ごしていたのか?
このアルバムのライナーノーツに記された本人の談によれば、閉塞された男だけの世界の中で、個々の体験談を話し合うことが唯一の気分転換。そんなうちにペッパーも他の服役者も話し上手になって、そのリアルな体験談に自分や過去の女なんかを重ね合わせ楽しむ術を覚えたんですって、つまり「妄想でもしないとやってらんねぇ世界なんだよ」って話であります。
そんな時、言葉のトリップ、物語のトリップって、ジャズをプレイするのと似ていると感じて(薬によるトリップと似ていると感じなくて良かったちゃ良かったんですが)出来上がったのがこの「THE TRIP」という曲なんだそうであります。

まっ、これがペッパーの本心だったのかどうかは分かりませんけど、この服役でペッパーの音楽が大幅に変化したことは確かです。
そして、最も象徴的にそれを示している一曲が、この「THE TRIP」であることも間違いのないと思います。

以前のペッパーが良いとか、服役後が良いとかは、まさに私感。
他人の意見など聞かずに、ご自分の耳で確かめられるのがよいでしょう。

私的には、ベースのデイビィッド・ウィリアムスには少々不満があるものの、ジョージ・ケーブルスのピアノ、そしてエルビン・ジョーンズのドラム、もちろんペッパーも好みの一枚であります。

THE TRIP / ART PEPPER
1976年9月15,16日録音
ART PEPPER(as) GEORGE CABLES(p) DAVID WILLIAMS(b) ELVIN JONES(ds)

1.THE TRIP
2.A SONG OR RICHARD
3.SWEET LOVE OF MINE
4.JUNIOR CAT
5.THE SUMMER KNOWS
6.RED CAR