今チャンピオンズプログラムの
『問題処理』を訳していますが、
その自殺防止のプログラムの参考資料に、
ニック・ブイチチさんのことが紹介されています。
とてもいいお話しなので、
こちらで紹介しますね。
ニック・ブイチチのストーリ―
ニックは生まれたときから、両手両足がありませんでした。小学校に上がったとき、彼のお父さん、お母さんは、彼が学校に行くときにいつも、「ニック、今日もいい一日でありますように。」と言ってキスをしました。けれどもニックは、両親に何も答えません。実際にその頃の日々は、彼にとって全くひどい日々だったのです。
彼には決して忘れられない出来事があります。彼がまだ小さかったころのことです。一日のうちに12人もの同級生に嫌なことを言われました。ある子は「モンスター!」とののしり、ある子はあざ笑って、「エイリアン!」と言いました。またある子は「車いすの奇形児」と言い、他の子はにやにやして「どうやってトイレで用を足すの?」と聞きました。ニックは表面的には気にしないような顔をしていましたが、心の中では泣き、傷ついて血を流していました。とても悲しかったのです。彼は自分に言いました。「もし今日、もう一人ぼくに嫌なことを言ったら、ぼくはいっそ死んでしまおう!」
そしてその日の放課後、ニックは車いすに乗って、両親が迎えに来るのを待っていました。すると突然、一人の女の子が背後から彼に声をかけました。「ヘイ!ニック!」彼は思いました。「終わった…。ついに13人目が来た!」彼は無気力になり、絶望的な気持ちになって続くことばを聞く準備をしました。するとその時、その女の子は言いました。「今日の授業でのあなたの発言は、すごかったわ!」その瞬間、彼はあっけにとられました。「この子はみんなと違うんだ…」その女の子は善意のことばをニックに投げかけたのです。ニックは彼女の言葉に励まされ、初めて友だちの優しさを感じました。
ニックは今、「人を励ます天使」になりました。彼は自分の著書で、苦しみに満ちた日々のことを書き記しています。逆境の中で人を疑い、絶望でいっぱいだったこと、人生は不公平だといつもつぶやいていたことなどを書き記しました。彼は自分は永遠に「ノーマル」にはなれないのだと思っていました。そして何度も自殺を考えました。ネガティブな思いに完全にとらわれていたのです。しかしそれは大きな間違いでした。ニックは信仰を持つようになり、試練と苦難の中で希望を見つけました。苦難のもう一方にも道が伸びていることを知ったのです。試練は私たちをもっと強くし、不動の者とします。そして私たちに自分が本当に送りたいと思っている人生を見つけさせてくれるのです。
あなたも苦しみの中を通ることがあるでしょう。倒れて、もう自分の力では立ち上がれないと思うこともあるでしょう。けれどもニックは言います。「ぼくはその感覚がわかるよ。人生はずっといいことばかりじゃない。だけどぼくらが試練を乗り越える時、ぼくらはもっと強くなれる。そして過去の苦しみの中にも確かにあった感謝なことに気づくんだ。そして本当に大切なことは、人生の中で誰に会うかだと思う。またその人生という旅をどう走るかということ。ぼくは、ぼくのいのちを愛しいと思っている。同じようあなたのいのちも愛おしい。そしてその愛は、ぼくらの人生をあきらめさせない。ぼくらには無限の可能性があるんだ!」
2012年、ニック・ブイチチは宮原佳苗さんと結婚します。そして今では二人の子どものお父さんなのです。
【著書】
・ 『神さまに教えてもらった負けない心のつくり方』 ニック・ブイチチ、 青木仁志(改題) アチーブメント出版 2017/8/1
・ 『神さまに教えてもらった負けない心のつくり方』 ニック・ブイチチ、 青木仁志(改題) アチーブメント出版 2017/8/1
・『それでも僕の人生は「希望」でいっぱい』ニック・ブイチチ 、 渡邉 美樹訳 三笠書房 2011/5/26
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