A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

ザ・スクーターズ/キノコホテル@渋谷WWW 2012.10.10 (wed)

2012年10月12日 01時06分48秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


10月の女たち~ザ・スクーターズとキノコホテル

3月のRollyとの対バン以来半年もキノコホテルを観ていない。6月のリキッドルーム・ワンマンも別のライヴ(アルトー・ビーツ)と重なり行けなかった。ニュー・アルバム「マリアンヌの誘惑」が12/5に発売予定というニュースを見て無性に行きたくなり、ザ・スクーターズとの対バンを渋谷笑笑笑(byアーバンギャルド)に観に行くことにした。

笑笑笑、否WWWは先月の不失者から3週連続で通っている。今週土曜日もDeerhoofで行く予定。すっかり馴染みのライヴハウスになった。ホールへ入ると妙に観客の年齢層が高い。キノコホテルの実演会は元々男性ファンが圧倒的に多く年配客の姿もちらほらあったが、この日の客層は40~50代中心で恰幅のいい初老の紳士や業界人っぽいちょい悪オヤジが多い。この6ヶ月間に何が起こったのかと訝ったが、その謎はすぐに解決した。最近キノコのライヴの前方はモッシュが起こることもあるので、先週のアーバン+ケラシンセの時と同じくPA席の真横の最後列から観戦することにした。横でスタッフがビデオを構えている。PA席の後ろが関係者席なので「ご無沙汰」「元気?」「ヨロシク」などゲストやスタッフの挨拶が絶えない。

7時半予定通りにマリアンヌ支配人以外のキノコのメンバーが登場。あれ、思ったより歓声が少ないな~。オープニングのインスト演奏がスタート。「10月の女たち」という支配人の声が流れる。マリアンヌ嬢が鞭を手に登場。黒のホットパンツのコスチュームだった筈が昔の赤いミニのミリタリーに戻っている。前列の一部のファンが腕を振りあげ盛り上がるが大半の客は興味深そうにじっと見つめるのみ。「真っ赤なゼリー」「もえつきたいの」と必殺ナンバーの連発。「砂漠」のあとでマリアンヌ嬢のMC。前の方の客に向かって「あんたたち後ろのお客さんから蔑みの目で見られてるわよ。ここからだと温度差がよく分かるの。」と言う。なるほど!観客の大半がスクーターズ目当ての客だった訳だ。道理で年齢層が高いはず。「この間ここにアーバンギャルドとケラ&ザ・シンセサイザーズを観に来たけどその時の方がお客さん多かったわね。皆旗を振っちゃって、アーバンギャルドが何よ!と思ったわ。キノコホテルはパンティを振ってもらおうかしら。物販でパンティを作ったら買ってくれるかしら?」と訊くので「は~い」と手を上げたら「寂しいわね。こんなのを求めてたんじゃない」とマリアンヌ嬢。スクーターズ・ファンに囲まれちょっとアウェイ感が漂うが「土曜日にはゾンビーズのフロント・アクトをやるの。時間があったら来て頂戴。といってもチケットは貧乏人のあんた達に手の出る値段じゃないけどね~」とSトーク炸裂、どんな客の前でもマイ・ペースなマリアンヌ嬢。こういうステージは何度も経験しているのだろう。後半はニュー・アルバム収録の新曲を続々披露。「回転ベッドの向こう側」ではマリアンヌ嬢の開いた足の間にネックを差し入れイザベル=ケメ嬢がギターを弾いたり、池玲子さんを想わせるセクシーな囁き声を出したり艶めかしい演奏にときめく。「悪魔なファズ」は初めて聴くノリのいいスカ・ビートのガレージ・ロック・ナンバー。最後はキーボードの上に乗ってM字開脚の大サービス、キノコ・ファンにはお馴染みのパフォーマンス。スクーターズ目当てのお客さんからも温かい拍手が起こった。50分の演奏は間もなく聴ける新作への期待を否応にも高める刺激的なものだった。



<キノコホテル Set List>
1 インストOP
2 真っ赤なゼリー
3 もえつきたいの
4 砂漠
5 その時なにが起こったの?(新曲)
6 回転ベッドの向こうがわ(新曲)
7 愛と教育(新曲)
8 悪魔なファズ(新曲)
9 キノコノトリコ
10 #84
11 キノコホテル唱歌

セットチェンジの時、関係者席でお揃いの60's風ワンピース姿の美女4人組が写真撮影に応えていた。あとでツイッターで元ピチカート・ファイヴの野宮真貴さんとその仲間だったと判明。他にもサエキけんぞう氏や渋谷系ミュージシャンが多く観に来ていた模様。

スクーターズはデザイナーの信藤三雄氏の30歳の誕生日パーティーのために結成され「東京モータウンサウンド」を標榜し新宿ツバキハウス、六本木クライマックスなどクラブ系ディスコで活躍し1982年にアルバム「娘ごころはスクーターズ」を発表、人気を誇ったがわずか2年で解散した伝説のバンド。信藤氏は後にピチカートやフリッパーズ等渋谷系や宇多田ヒカル、ユーミン、ミスチル等大物アーティストのデザイナーとして大活躍する。私は当時は知らなかったが日本のガール・サウンドの名盤というキャッチにつられ再発CDを購入したが同じ60's系でも好きなガレージ系に比べソウル/R&B色が強かった印象がある。今年になって小西康陽氏、橋本淳氏、筒美京平氏、宇崎竜童氏、志磨遼平氏(元毛皮のマリーズ/ドレスコーズ)などのバックアップで30年ぶりに復活、ニュー・アルバム「女は何度も勝負する」をリリースし一部で大きな話題になった。

新作リリースに続き記念すべき30年ぶりの復活コンサートがこの日だった。信藤氏が寝ないで作成したという映画仕立ての映像が投影されメンバーが登場するとキノコとは打って変わって大歓声が巻き起こる。まさかこんなに人気があるとは思わなかった。キノコを腕組みして観ていた隣の年配の男性が大喜びで拍子している。「Tokyo Motown Sound 2012」というロゴが映し出されモータウン・カヴァーでスタート。30年ぶりとあって5人並んだ女性ヴォーカル隊はさすがに年齢は隠せない。3人娘=伊東ゆかりさん・中尾ミエさん・園まりさんを思い出してしまった(失礼!)。しかしエマーソン北村氏(key)がバンマスでサリー久保田氏(b)も加わったバンドの演奏はグルーヴ感たっぷりで、ロニー・バリー嬢(お嬢さんと呼んでいいのか?)を中心とするヴォーカル陣も徐々に30年前の感覚を取り戻す。モータウンの定番「あたしのヒート・ウェイヴ」ではバックに80年代当時の演奏ビデオが映し出される。現在の姿と比べると余りに違っていて年月の重みを感じる。観客は大喜び。昨日書いた八代亜紀さんとは全然違うがやはり小西氏が大ファンだと言うのが納得できる。青春時代よ再び、といったら叱られるだろうか。



アンコールで小泉今日子嬢がカヴァーしたヒット・ナンバー「東京ディスコナイト」を演奏、最高潮に盛り上がったところでマリアンヌ東雲嬢がゲスト出演。あんなに楽しそうな支配人の顔を見るのは久しぶりだった。なんだかんだ言っても80’sトーキョー・オシャレ・サウンドをたっぷり楽しめた90分だった。


30年
経って復活
元祖渋谷系

スクーターズは今年のクリスマス12/25にも渋谷WWWでライヴをやる予定とのこと。



12/5 Release
キノコホテル「マリアンヌの誘惑」
01. 四次元の美学
02. 球体関節
03. 業火
04. 愛と教育
05. その時なにが起こったの?
06. エロス+独裁
07. 恋のチャンスは一度だけ
08. 回転ベッドの向こうがわ
09. 悪魔なファズ
10. #84
★DVD+写真集付限定豪華デラックス盤「夜の玩具箱」もあり。今すぐ予約に急げ!


【キノコホテル実演会情報】

<英国音楽 / VINYL JAPAN presents THE ZOMBIES>
10月13日(土)下北沢GARDEN (英国ロックの大御所の公演にゲスト参加)

<サロン・ド・キノコ~女子高生マル秘白書>
10月19日(金)下北沢club Que (女性限定/特別単独実演会)

<サロン・ド・キノコ~水も滴る好いおんな>
10月27日(土)福岡BEAT STATION (単独実演会)

<大阪電気通信大学・大学祭2012>
11月3日(土)大阪電気通信大学 w/ザ50回転ズ

<MODS SUNDAY '12>
11月18日(日)渋谷club asia w/ザ・コレクターズほか


サロン・ド・キノコ~四次元の美学ツアー・・・・・・・・・・・

<サロン・ド・キノコ~四次元の美学・前編>
12月8日(土)東京キネマ倶楽部

<サロン・ド・キノコ~四次元の美学・後編>
12月9日(日)東京キネマ倶楽部

前売:10月20日より発売
問い合わせ:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

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<サロン・ド・キノコ~四次元の美学・札幌編>
12月2日(日)札幌 Sound Lab mole

前売:10月20日より発売
問い合わせ:WESS 011-614-9999

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<サロン・ド・キノコ~四次元の美学・名古屋編>
12月6日(木)名古屋 クラブクアトロ

前売:10月27日より発売
問い合わせ:JAIL HOUSE 052-936-6041

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