ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

丈夫な体

2013年03月01日 | 通信-社会・生活

 昨夜のニュースで「平均余命の都道府県別順位で沖縄は順位を下げた」とあり、それに対し沖縄県(福祉課だったか)や沖縄県医師会が「これではいかん」とあれこれ提言をしていた。順位を下げたと言っても、前回より寿命は延びている。伸び率が他府県より小さかったということらしい。伸びていればいいじゃないかと私は思うが。
 県は「これでは長寿の島の名折れで、観光にも影響が出る」といった内容の話もしていた。長寿を経済と捉えているようである。「そうか、長寿は観光資源にもなるのか」と思いつつ、「長寿というだけではいかんだろう」とも私は思った。
 「ただ長く生きた」より「元気で長く生きた」の方が良かろう。私の畑なっぴばるの近所でハルサー(農夫)をしている87歳のNさん、84歳のKさんなぞはとても元気。毎日では無いと思うが畑に出て、畑仕事に精を出し、作物を生産している。明るい顔でよく笑い、大きな声でよくしゃべる。二人とも人生を楽しんでいると思う。

  元気で長寿のNさんKさんを私も見習いたい。彼らほど長寿でなくてもいいが、彼らのように元気でありたいと望んでいる。そうあるためには丈夫な体でなければならない。
 沖縄の冬は農繁期である。植付ける作物があれこれ多くある。冬ほどでは無いが、春の畑も植付け作業がいくつかあって忙しい。コツコツと作業を続け、カタツムリの歩みのように「のろのろと」ではあるが、畑は今のところ一歩ずつ前に進んではいる。
 梅雨時は、「雨が続いて畑仕事が滞ったらどうしよう、収入が無くなるかも」などと生活の不安はある。が、それも、元気であれば何とかなる。あの死ぬほど暑い夏場に体力が持つだろうかという健康の不安もある。丈夫な体でなければならない。
          

 宮沢賢治が示した「丈夫な体」の条件において、
 「雨にも負けず、風にも負けず」については、雨にはなるべく濡れないようにしているので、風も、それが台風の場合は外に出ないようにしているので、「雨から逃げて、風から逃げて」いるから、それらによって体の具合を悪くすることは無い。
 「雪にも、夏の暑さにも負けぬ」については、沖縄で雪の降ることは無いので「冬の寒さ」と言い換えた場合、今のところ私は冬の寒さに負けてはいない。この冬を経験した限りで言えば、全く何の問題も無い。冬は仕事もはかどり、体も快調。
  この冬はヒーターや強力な暖房器具でもある布団乾燥機を使っていない。どちらも押し入れに仕舞ったままだ。もう一つの暖房器具である火鉢に炭を熾したのが2、3回あっただけだ。寝る時の寝具も「1、タオルケット」、「2、布団」、「3、タオルケット+布団」、「4、布団+毛布」、「5、タオルケット+布団+毛布」と寒さに応じて5段階あるが、今季は3止まり、毛布も押し入れに仕舞ったままだ。私の体は、寒さには強くなったようである。もっとも、「寒さ」といっても沖縄の寒さだが。

 夏の暑さには勝つことができない。太陽の下で肉体労働の経験はある。日中は「死んだ方が増し」と思うほどに辛かった。畑仕事は、夏の日中はできない。負けている。
 病気の子供や疲れた母などを助けるほどの体力は無くてもいいから、「夏の暑さにも負けぬ丈夫な体」には、私はなりたい、と思っている。今年の夏、どうなるやら。
          

 記:2013.3.1 島乃ガジ丸


キクイモ

2013年03月01日 | 飲食:食べ物(材料)

 腎臓に効く芋から酒

 今(冬場)は地上部が枯れてしまってその姿を見ることはできないが、黄色い菊を大きくしたような、あるいは、ヒマワリを一回り小さくしたような花が時期になると、宜野湾の小さな畑ナツヤに咲く。キクイモという名の多年草。地下の芋が残っているので暖かくなれば芽吹きだす。今朝(2013年3月1日)ナツヤを覗いたらまだだった。

  キクイモはその葉も芋も薬用となる。いずれも腎臓に良いらしい。芋はまた、元美人妻で料理人のIさんによると「除染効果」もあるとのことで、「あったら持って来て、買うから」と注文されている。Iさんの店には福島から避難してきた人が多く訪れるようで、彼らとの話からキクイモの効果を聞き、それを料理に出すとのこと。

 私は今、腎臓に不具合は無い、と思う・・・何十年も病院の検診なるものを受けていないので実際のところはどうかよく分からないが。とにかく、自覚症状としては腎臓、小便の類に異常は感じていない。私はまた、被爆したということも無い。なので、薬草としてのキクイモにはあまり興味が無い。
  キクイモはしかし、薬草としてだけでは無く、芋が食用とされている。自給自足を目指す私としては食料となる芋については大いに興味がある。しかしながらキクイモ、その地下にできる芋は、その地上部の大きさに比べるとごく少量で、単位面積当たりの収穫量としては甘藷やジャガイモに比べると数段落ちる。自給自足の食料としては不向き。
 だけれども、私はキクイモを小さな畑ナツヤだけでなく、300坪の畑なっぴばるにもたくさん植えようと計画している。キクイモのもう一つの利用法があるからだ。もう一つの利用法とは、キクイモがアルコールの原料にもなるということ。何を考えているかは言うに及ばず。・・・でも、言おう。酒を作りたいのである。
  
 
 キクイモ(菊芋):根菜
 キク科の多年草 北米原産 方言名:なし
 名前の由来は資料が無く不明だが、キク科の植物で、いかにもキク科らしい葉と花をしていて、地下茎の先にイモ(塊茎)を作るからキクイモだと思われる。
 高さ3mほどになる大型の草本。花は黄色で、ヒマワリに似るが、ヒマワリよりは小さい。開花期について、『沖縄園芸植物図鑑』に「夏から秋」とあったが、私の経験ではもっと早くから咲いていた。よって、ここでは春から秋としておく。
 地下茎の先にイモ(塊茎)を作る。イモは食用となり、イヌリンという物質を多く含み甘みがある。煮物、漬物に利用され、アルコールの原料にもなるとのこと。
 葉を乾燥させて煎じて飲むと、腎臓に薬効があるとのこと。

 記:2013.2.15 ガジ丸 →沖縄の飲食目次