可愛くても食う
ウサギは一匹二匹、または一頭二頭と数えるのでは無く、一羽二羽と数える。ということを若い頃に何かの書物で読んで知っている。一羽二羽は鳥の数え方である。ウサギを何故鳥のように数えたかというと、倭国では獣肉を食べることが禁忌とされていた。獣肉でも四足は駄目だが二本足の鳥は良いともされていた。ウサギの肉を好んで食べる倭人グループがいて、「他所から文句を言われないようにウサギは鳥ということにしようぜ」ということになり、ウサギを鳥と同じ数え方にしたとのこと・・・だったと思う。
ウサギ肉はフランス料理にもある。私は食べたことが無いが、美味しいらしい。10年ほど前の私なら、「ウサギ料理?ぜひ食いたい」となったであろうが、十分年取っている今は、「ウサギ?あれば食うが、わざわざ食いに行こうとは思わねぇ」となる。どんなに美味しかろうと、ウサギを食ったからって、私のこの先の人生に何の影響も与えないということを知っているからだ。七輪の炭火で焼いたサバより美味いのであれば別だが。
とはいっても、目の前にウサギ料理を出されたら、何の躊躇いも無く私は食う。「ウサギは可愛い、可愛いから食べるのは可哀そう」と思う人も多いかも知れないが、私は食い物を見た目で判断することは無い。女性を見た目で判断することは大いにあるが。
2011年は卯年、ということで、今年最初のガジ丸はウサギを紹介しました。
ウサギ(兎):ウサギ目の野生、または家畜
ウサギ目の哺乳類 オセアニアを除く全世界に分布 方言名:ウサジ
名前の由来は諸説あるらしく、広辞苑に「「う」は兎のこと、「さぎ」は兎の意の梵語「舎舎迦ささか」の転とする説、朝鮮語起源とする説、鷺さぎとする説とがある」とあった。方言名のウサジはウサギの沖縄読み。元々沖縄には野生のウサギは生息していないので、沖縄独自のウサギの方言名も存在しないというわけ。
沖縄県(沖縄諸島、宮古諸島、八重山諸島など)に野生のウサギは生息しないが、お隣の奄美大島と徳之島に天然記念物のアマミノクロウサギが生息する。
ウサギは「ウサギ目の哺乳類の総称。耳の長いウサギ科と耳が小さく、小形のナキウサギ科とに大別」(広辞苑)されるとのことだが、普段目にする、絵本でもお馴染のウサギは、耳の長いウサギ科。小学校の片隅で飼われているのもよく見る。
学校で飼われているものは概ねカイウサギという種らしい。野生のウサギのことをノウサギ(野兎)と言うが、日本にはノウサギが6種生息するとのこと。
繁殖力が大きく、肉は食用となり、毛皮も利用される。
記:ガジ丸 2011.1.2 →沖縄の動物目次
参考文献
『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
『いちむし』アクアコーラル企画発行