ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

沖縄のモー娘

2010年12月03日 | 沖縄05観光・飲み食い遊び

 先週金曜日の夕方、パレット久茂地前で鹿児島からの来客Nと待ち合わせる。歌も上手だが、顔もカワイイ若い娘たちのライブがあるという情報がNからあったので、飲みに行く店は松山だったが、"カワイイ若い娘"という言葉につられた私が、ちょっと寄り道、を希望したのであった。

 "カワイイ若い娘たち"は、前夜、Nが出張先の仕事仲間たちと行ったライブハウスのミュージシャンたちであり、その夜は彼女たちの出張ライブということらしかった。
 1組目はデュオ、沖縄のわらべ歌など3曲を歌った。次はソロ、三線を弾きながら民謡を歌った。3組目もデュオ。数曲歌う。彼女らの歌が終わった時点で我々はその場を去ったのだが、その後に控えていたのは5、6人組の若い子たち、聞くと、全員中学生だという。Nの話では、そのライブハウスに出演していたミュージシャンたちは皆若い娘で、ほとんどが十代とのこと。私が見たのは10人ほどだが、その倍以上の人数がいるらしい。そして、ほぼ全員がカワイイらしい。確かに、私が見た10人ほども皆カワイかった。
 若い女性ミュージシャンたちは、皆が皆ウチナーンチュというわけではないらしいが、少なくとも沖縄には歌が上手で、見た目もかわいい娘がいっぱいいるんだということには間違いない。そう思うと、ウチナーンチュとして何だか誇らしくなる。見た目もかわいい娘がいっぱいいると言って、オジサンには何の関係も無いのだが。
 しかしまあ、あれだけの上質をよくも集めたもんだと思う。モーニング娘にけして負けていない。そのうち、テレビのワイドショーかなんかが取材に来るのではないか、沖縄のモー娘として有名になったりするんではないか、近いうちに沖縄のモー娘が本家モー娘を凌駕するのではないか、などと期待し、妄想する。しかし、まあ、そうなったからといって、オジサンには全く、何の関わりも無いのだが。
     

 記:ガジ丸 2004.12.4 →沖縄の生活目次


騒動買い

2010年12月03日 | 沖縄04行事祭り・生活風習・言葉

 テレビが壊れた先週金曜日、有名な電気店の折込チラシには、本日の目玉という商品が十種類ちょっとあって、それぞれ限定5台とか10台とか書いてある。購入するには整理券が必要だとも書いてある。整理券を手に入れるために、開店前の店にはたくさんの人が並ぶんだろうな、一騒動の中での買物になるんだろうな、などと思った。
 特に、年末年始になるとニュースでよく見かけることだが、東京のなんたらという店でバーゲンなんかがあったりして、バーゲン品を手に入れるためには整理券が必要だとなると、開店の何時間も前から並び整理券を得る。そして、いざ開店となったらば、我先にと店内へ流れ込み、ギャーギャー、ワーワーとなる。これを騒動買いと私は呼んでいる。
 騒動買いなんてまっぴらごめんの私は、整理券なんてまったく頭に無く、金曜日はのんびりと出掛け、のんびりと店内を巡り、品定めをして帰った。

 日曜日、実家へ古いテレビを取りに行った帰り、新しいパソコンに必要なソフトなど、いくらくらいするのかと調べに新都心の電気店に寄った。チラシのあった電気店だ。店に着いたのは開店の10分前位だった。店先には2、30人の人が集まっていて、店員が呼びかけている。「整理券はこちらです。今日が特売の最終日です」と言っている。
 私が想像していた騒動は何も起こっていなかった。店員の手にはまだ多くの整理券が残されているようだった。最初の2、30人が捌けると、整理券を貰いに来る客は、途切れることは無かったが、ボツボツとしか現れなかった。どんなに人気のあるラーメン屋でも、並んでまでは食おうとしないウチナーンチュなのだ。こんなところでものんびりしていて、整理券に殺到するなんてことは無いみたいであった。
 そんな予想外の現場状況に、私は少し慌てた。「今日の限定商品は何だ」と、店先に貼ってあるチラシを見た。14型液晶テレビ4万円。160ギガハード付きDVDレコーダー5万円などというのがあり、そして、テレビ付き、DVDマルチ付きのノート型パソコンが15万円であった。「これは安い!」と思い、前日、友人に注文したパソコンはキャンセルして、これを買おうか思った。整理券を貰いに歩きかけた。
 「ちょっと待て、落ち着け」と自分に言い聞かせて、あらためて良く考える。ノート型パソコンを家のテレビ代わりに使うとどうなる。動かすたんびにアンテナ線やら、ビデオデッキなどのケーブル線を繋げ直さなければならない。面倒だ。で、止めた。
 そうこうしているうちに、店員の手にある整理券も少なくなってきた。こんなチャンスはそうは無い。何か買って帰ろうと思い、何の整理券が残っているか店員に訊く。プリンターと電子辞書などが残っていた。プリンターは持っているので、電子辞書の整理券を貰う。開店後、特売とは思えないのんびりした店内で、電子辞書を買って帰る。
 帰りの車の中、我に返る。電子辞書って何だ?私に必要なのか?何でこんなもん買ったんだ?などと自問自答する。辞書はパソコンに入っている辞書ソフトで足りているじゃないか。どうやら私は、限定5台という台詞につられて、必要の無いものを買ってしまったようだ。そんな私のような買物のことを、衝動買い、と世の人々は呼んでいる。
     

 記:ガジ丸 2004.12.21 →沖縄の生活目次


銀の花穂の向こう

2010年12月03日 | 沖縄01自然風景季節

 銀の花穂の向こうに青い海が見える。カメラを構える私の後方に夕日がある。銀の花穂が微かにオレンジ色を帯びている。・・・という写真を撮りたくてこの半月、機会を窺っていたのだが、仕事が終わってからだと夕日に間に合わず、休みの日は天気が悪くて、ずっと撮れずにいた。黍刈りはもう始まっている。年明け2週間が勝負、どうなるやら。
 私の愛するシンガーソングライター鈴木亜紀の作品『海が見えるよ』の冒頭に、「海が見えるよ、知らない海が、見渡す限りの、金の稲穂の向こう」という歌詞がある。『海が見えるよ』は優れた情景詩であり、半農半漁の村の景色をくっきりと目に浮かばせてくれるのだが、それは日本であること、そこに暮らす人々のことまで想いを至らせるのだ。
 さて、銀の花穂とはサトウキビの穂のこと。沖縄には米の水田がほとんど無い。伊平屋島とか石垣島とかにあると聞いているが、沖縄本島に暮らしていると金の稲穂の景色を見ることはほとんど無い。鈴木亜紀の歌う日本の情景を、沖縄では感じることが難しいのである。ところがどっこい、沖縄には沖縄の情景、銀の花穂がある。銀の花穂は、他府県には無かろう。これはぜひ、ガジ丸HPで紹介しなければならないと思ったのだ。
 今週の水曜日、現場が東風平村(コチンダソン)にあった。そこから車で10分も走ると海が見える。そこは具志頭(グシカミ、以前は沖縄読みのグシチャンだった)という村になる。サトウキビ畑もあるだろう。ということで昼休み、海の見えるサトウキビ畑を探しに具志頭まで行った。それは、すぐに見つかった。車の屋根に乗り、写真を撮る。
 夕日で無いのは残念だが、銀の花穂の美しさは出ていると思う。
     

 記:ガジ丸 2004.12.31 →沖縄の生活目次
参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行


冷える線香

2010年12月03日 | 沖縄05観光・飲み食い遊び

 久高島といえば、イザイホー。なので、ちょっと書いておく。
 久高島には沖縄の開闢神話(ニライカナイ)に結びつく神事、イザイホーが伝わる。12年に1度、午年の旧暦11月15日から5日間行なわれ、久高島で生まれた30歳(丑年)から41歳(寅年)までの女性が祖先の宣旨を受け、ノロを頂点とする島の祭祀集団に入団する儀式。近年、過疎化によりナンチュ(神役)となる女性が少なくなったため、1978年を最後に、1990年、2002年は開催されていない。

 神事が行われる場所などを訪ねながらオジサン二人ブラブラ歩く。神事に関わる人以外は立ち入り禁止というクボーウタキ(ウタキは御嶽と書く。拝所、神の地といったような所)の前に来る。神の住まう場所だ。ウタキへ登る道の前に立ち入り禁止の看板がある。神事に関わる人以外は老若男女全て立ち入り禁止である上に、いかなる場合でも男の立ち入りは絶対禁止となっている。そんな聖なる場所に、画家の岡本太郎はそれを無視して立ち入って、写真撮影などをして、島人のヒンシュクを買ったという話が伝わっている。
 クボーウタキの入口前には立ち入り禁止とは別の立て札があって、
 「お願い 冷るウコウで拝して下さい ウコウ紙銭その他持ち込(ん)だ物すべて持ち帰って下さい 久高区長」と書かれてある。
 ウコウは御香の沖縄読み。紙銭はお金に見立てた紙、旧盆などで先祖を送る時に用いられるウチカビ(銭型を打った紙)のことだと思われる。ただ、"冷るウコウ"の意味が解らなかった。何で線香が冷えるの?なのだ。冷たい線香って何なの?なのだ。文全体から推し量ると、おそらく、線香に火はつけるなってことだろうと思われたが、それならば、「山火事の危険があるから線香には火をつけないで拝み、その線香は持ち帰ってください」とでも書けば、皆に解りやすくていいのではないか、"冷るウコウ"という表現は抽象的で解りにくいのではないかと思った。が、解る人には解るのであろう。
 火をつけないで拝む際の線香のことを"冷るウコウ"というのかと思って沖縄語辞典を調べたが、無い。沖縄のことなら何でも載っているという『沖縄大百科事典』にも無い。"冷る"をヒエルと読んでもウチナーグチのヒズルと読んでも無い。もしかしたら、"冷る"は神の島独特の表現なのかもしれない。「山火事の危険」とは関わり無く、久高島では線香に火をつけないのかもしれない。今度、久高島を訪ねる機会があったら区長さんに会い、訊いてみようと思う。
 その日、実は、島を離れる少し前に入った食堂でその事を訊くつもりだったのだが、食堂のオバサンの客を顎で使う迫力と、自らはほとんど動こうとしないそのぐうたらさに驚いて、つい訊きそびれてしまったのであった。
 

 記:ガジ丸2004.12.4 →沖縄の生活目次
 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行


久高島の迷う道

2010年12月03日 | 沖縄05観光・飲み食い遊び

  11月も終わりに近いある日、オジサン二人で久高島を散策する。足の裏に優しい、歩くのに適したコーラル敷きの白い道をのんびり歩き、島の空気を存分に楽しむ。港への帰り、白い道から幹線道路と思われるコンクリートの舗装道路へ出た。右手に工事中の看板が立ててあった。
 道路工事らしい普通の看板のようではあったが、何かしら気になって、立ち止まって、じっくりと観た。立て看板は2枚あり、1枚は大きな文字で通行止と書いてあり、もう1枚には回り道という文字とその下に地図が書かれてある。その地図には赤い印が2つあった。それが違和感の原因。
  赤い印は現在地の印。それが2箇所にある。2箇所あるので自分が今何処にいて、何処に向へばいいのかが理解しがたい地図となっている。「今、現在、お前は2箇所に存在する。」とでも言っているのであろうか。さすが神の島なのである。工事看板までもがシュールなのであった。
 
 
 

 記:ガジ丸 2004.12.3 →沖縄の生活目次