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ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

瓦版073 逆転満塁ホームラン

2008年10月17日 | ユクレー瓦版

 平日でも週末でも昼間に立ち寄ることはたびたびあるが、酒を飲みにという目的では、私は概ね、週に2日、ユクレー屋に通っている。週末の金曜日と土曜日の夜だ。で、いつもの通り金曜日の今日は、客(金は払わないが)としてカウンターに座っている。
 先月から第二週の平日は、病院で検診するためマナがオキナワへ帰っている。マナがいない間は、ケダマンと私がユクレー屋の夜の手伝いをしている。ユクレー屋の従業員(給料は出ないが)としてカウンターの中に立っている。その第二週であった今週もまた、月から木曜日の夜、従業員となっていた。平日の夜なんて、客はほとんどいないが。

 客はほとんどいない平日の夜であった木曜日の昨夜、平日には珍しくガジ丸が来た。ガジ丸の酒は概ね静かである。ケダマンみたいにバカ騒ぎはあまりやらない。その日もちびちび酒を飲みながら、このところの世界情勢を静かに語った。
 久しく続いているモク魔王との戦いは現在、モク魔王の方に分があるらしい。軍事だけで無く、経済においてもモク魔王の画策が働いて、世界はガタガタになりそうな雰囲気とのことである。地球環境の悪化も加速を続けている。
 「形勢は大いに不利である。」とガジ丸は溜息をつくが、
 「まあ、しかし、希望が無いわけでもないんだがな。」と続けた。
 「何だ、その希望って?」(ケダ)
 「あー、それは戦略上の機密事項なので、ここでは言えない。・・・おっ、そうだ、希望と言えば、身近なことで希望の見えたことがあったな。」と言って、何か意味ありげな笑いを口元に浮かべた。話の続きを期待して待っていたら、
 「そろそろ帰るわ。良い宵の酔いだったぜ。」と言い、席を立つ。
 「えっ!何だ、お前、身近な希望ってのも秘密なのか?」(ケダ)
 「うん、まあ、その話は明日だ。同じ話を2度するのも面倒だからな。マナも来て、皆が揃った時にするよ。それまでお預けだ。楽しみにしてな。」

 で、翌日の今日、昼にマナが来て、夕方にはガジ丸、ジラースー、勝さん、新さん、太郎さんにマミナもやって来て、ジラースーたちの、次回は何を仕入れるかという会議も済んだ後、ガジ丸がお預けにしていた話となった。

 「じつはよ、ユーナに恋人ができた。」
 「えっ!」、「えーっ!」とはケダマンと私の叫び声。マナも叫び声こそ出さなかったが、ちょっと驚いた顔。離れたテーブルにいたジラースーたちもこっちを見る。
 「ついこのあいだ振られたばかりじゃないか。確か、たった2、3週間前の話じゃなかったっけ。もう別の男に心が動いたのか?」(ケダ)
  「別の男じゃ無ぇよ。同じ男だよ。他の女と歩いていただけで、ユーナが勝手に振られたと思ってしまったわけらしい。」
 「ユーナが勘違いしたってことか?」(ケダ)
 「そういうことだ。一緒に歩いていた女というのは従妹だとさ。」
 「勘違いねぇ、多いねぇ、恋している時はあれこれと。恋愛初体験だし。」(マナ)
 「ともあれ、今はもう、恋人と呼べる存在になったってこと?」(私)
 「そのようだな。じつは、落ち込んでいるんじゃないかと思って、励ましに行ったんだがな、拍子抜けしたよ。たいそうにやけた顔をしてたぜ、ユーナは。」
 「ふーん、逆転満塁ホームランみたいなもんだ。」(ケダ)
     

 その夜は、その後もユーナの話で盛り上がった。「ユーナのにやけた顔を見ていたら唄ができた。」と、ガジ丸がピアノを弾き、出来立てほやほやの恋歌を歌った。浮かれた気分の唄は『風に乗って』という題。そして、秋の夜はさらに盛り上がった。

 記:ゑんちゅ小僧 2008.10.17 →音楽(風に乗って)


人生のリスク

2008年10月17日 | 通信-社会・生活

 先週末、宮崎から学生時代のバンド仲間であるIが沖縄に来た。出張とのことで、木、金が仕事、帰る日を延ばして土日を遊びとし、私のボロアパートに泊まった。
 彼は、女房と中学生の娘、小学生の息子がいて、一家の大黒柱であるにも関わらず、相変わらずヘビースモーカーであった。学生時代と同じショートホープを吸っていた。ショッポ(ショートホープのこと)は強い煙草である。今の私だと1、2本吸うだけで喉が痛くなる煙草である。Iはそれを1日30本ほども吸うらしい。

 同じバンド仲間で、Iとは子供の頃からの友人である宮崎出身のKは、大学卒業後、沖縄に住み着いて、結婚して、家も建てた。女房と高校生の娘と息子がいて、彼もまた、一家の大黒柱である。Kは10年ほど前にキッパリとタバコをやめている。
 Kも私もIと同じく、学生の頃はショッポを吸っていた。他の二人はどうか知らぬが、強い酒を飲み、強いタバコを吸うことが男としてカッコイイと私は思っていた。大学を卒業するとカッコよくなくてもいいと思うようになって、マイルドセブンに替え、ニコチン1ミリグラムのタバコが発売されると、すぐにそれに替えた。

 さて、強いタバコをたくさん吸い続けているIと、弱いタバコに替えて吸う量も少ない私と、キッパリとタバコをやめたK、この三人の中で誰が早死にしそうかというと、私はおそらくKではないかと予想している。彼は今の仕事に就いてからブクブクと太った。仕事柄、飲み食いする機会が多いのだと言い訳していたが、タバコをやめてからさらに太った。メタボどころの話では無い程となっている。

 タバコを吸う、酒を飲む、運動しない、などといったことは確かに人生のリスクになるであろう。ただ、交通事故に遭う危険があるから車に乗らないなどと言っては、人生の楽しみを失ってしまう。リスクを覚悟してタバコや酒を楽しみ、リスクを覚悟して面倒な運動を避けグータラする。また、リスクを覚悟して旅にも出る。飛行機に乗り、車に乗り、電車に乗り、知らない街の、夜の歓楽街へ出かける。

 宮崎からIと一緒にJさんという女性も来ていた。金曜日の夜、国際通りの近くにある飲み屋でIと飲んでいたら、9時頃に、「合流しませんか?」とJさんからIに電話があった。場所を聞くために私が電話を代わる。栄町のバーとのことであった。
  栄町の商店街は普通の商店街で、その中にある飲み屋も普通の居酒屋や、最近では若い人がやっている文化的匂いのする飲み屋などもある。が、商店街の周辺は大人の男を相手にする歓楽街である。裏にベッドルームのある店も多いと聞いている。そんな所にJさんの待っている店があった。女性が隣に寄り添ってくれるスナックバーであった。
 「何でそんな所に女一人?」と思って訊くと、泊まっているホテルの飲み屋で一人で飲んでいると、男に「カラオケ行かない?」などと声を掛けられて、ホイホイ付いて行ったのだそうだ。沖縄の人は皆親切だとでも思ったのだろうか?確かにその男性は悪そうな顔はしていない。が、しかし、「いくら何でも」なのである。ショッポを1日100本吸い続けるのと同じ位のリスクだと私は思う。以後気をつけてね、Jさん。
          

 記:2008.10.17 島乃ガジ丸