福祉亭日記

日々の出来事を更新していきます.

古びとのハナシ

2015-09-09 05:43:42 | 日記
ドライな空気に支配されている。
正しさというものさしだけで、追求されている。
でも、そんな日常の中で、ふっと、能の「大原御幸」のコピーを手渡される。
原本は、写本。
それをPC打ちしたものの写し。
読み解くことができなかったと思われる箇所がいくつか伏字になって点在している。

難儀しながら声に出して読み進む。
聞き役は、目がご不自由。
平家が滅び、その滅びゆくさまをつぶさに見て、その後、菩提を弔いつつ、ただひっそり生きていくことになった徳子を、後白河上皇が、寂光院に尋ねる場面。
出迎えた老尼が、語る。

読み解くことのできかねる言葉に出会う。
後で、調べてみると、「捨て身の修行に身を惜しんではならない。現在の運命は、過去の因によって決まり、未来の運命は、今何をするかによって決まる」と、語った場面だったよう。
仏教の教えが、映し出されている。

学生時代に行った能楽堂と、その時の空気を、ふっと、思い出す。
フィクションの世界もまた、いい。





コメント
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