折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

写真&俳句VOL182~心なごむ花吹雪

2013-04-07 | 写真&俳句


花吹雪     降りしく下の     昼餉かな



昨日の「滝山城址公園」丘陵ウオーキングの続きである。

城跡巡りが一段落した所で丁度昼時になったので、昼食をどこにしようかと歩きながら物色していると、右手斜面に広大な桜の群生林が見えてきた。斜面の下は城の池跡なので谷のような形状となっていて、その谷を覆うように桜のベールが幾重にも重なり、圧巻の風景である。この谷の斜面を伝って底の方へと降りて見る。

そして、平地を見つけてここで昼餉を取ることに。

ここの斜面の両側には、山桜、ソメイヨシノをはじめとして色々な桜が咲き競っている。

特に山桜の木はどれも背が高くて、斜面の両側から覆いかぶさるように咲いているため、空がほとんど見えない。

だから、風で舞い落ちてくる桜の花びらは、あたかも空から谷の底めがけて一斉降ってくるようだ。

次から次に舞い落ちてくるの花びらで、辺りは白一色に包まれる。

飲みかけのカップの中にも落ちてきた桜の花びらが。


数日前の「天声人語」に

年々歳々、散り急ぐのは桜の定めだが、散り際にも幸不幸があるように思う。光のどかな日、風もたのまず、はらはらと舞う落下は心なごむ。風雨にたたかれ、濡れそぼっての最期は、どうにも不憫だ。

という一節があったが、この日の落花はまさに「前者」で、昼食をしているわれわれの場所に花吹雪が舞い落ちる都度、昼食箸を休めて見入った次第である。

満開のクライマックスは過ぎてしまったが、「花吹雪」のクライマックスに立ちあうことができ、心なごむ一時を過ごすことができたのは、何とも幸運であった。