折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

写真&俳句VOL136~「雪模様」3首

2013-02-06 | 写真&俳句


音もなく     枯れ木に白き     雪の花


昨日の天気予報は、あす未明から雪となり、夕方まで降り続きます、と繰り返し報じていた。

てっきりそう思って、昨晩就寝する時に、朝起きた時の情景をイメージしていたら

一夜にて   木々ことごとく  雪の花

という句が頭に浮かんだ。

いつもは写真をもとに発句するので、句から先にということはないのだが、余りにも鮮やかに情景が浮かんだので、「よし、明日のブログの句はこれで決まりだ」と思って心安らかに寝入ったのだ。

ところが、朝起きてびっくり。

雪の降り出しが遅く、また、気温も思ったほど低くないため、降る雪の量も前回の大雪の時ほどの勢いもなく、まだほとんど積っていない。

これでは『一夜明けたら外は一面の雪だった』という昨晩のイメージには程遠い世界で、そもそもそういう写真が撮れない以上、昨晩思い浮かんだ句は使えないと、いささかがっかり。

しばらく雪の降り具合を観察することに。

まるっきり降らない、と絵にならないし、余り降り過ぎては日常生活に支障が出る、「痛しかゆし」の思いで雪の推移を見守る。

そんな当方の思惑とは無関係に、雪は音もなく降り、やがて枯れ木を覆い始め、そこに雪の花を咲かせた。

しかし、この日は前回と違って「申し訳程度」の降雪で、写真を撮った午前8時ごろがピークでそれ以上積もることなく、枯木の雪も午後には消えてしまった。

それは、あたかも

ひそやかに  舞い落ち消ゆる  雪模様

といった趣であった。