ロシアの強硬な外交政策を友好的な姿勢に転換するよう求める外交文書が意図的にリークされたとしてモスクワの外交関係者の間で騒ぎになっている。欧米諸国から投資を求めるには柔軟な路線にシフトするよう指示しており、メドベージェフ大統領の基本姿勢を踏襲した内容と見られる。
この文書のタイトルは「ロシアの長期的発展の中で外交政策を効果的に使うプログラム」となっている。文書の概要は「ロシアの経済の目的を達成するためには、米国と欧州連合(EU)との関係をより良くすべきだ」というもの。この文書にはラブロフ外相の寄稿文が掲載され、この中で「外国の投資を呼び寄せるためには欧米のパートナーとEU全体と『現代的連携』を構築する必要がある」と指摘している。
さらに、同文書は「ロシアの影響力を拒否する旧ソ連諸国から産業及びエネルギー資源を搾取するよう」求めている。とくにバルト三国を名指しして、EU諸国の投資意欲を呼ばないほど国家の資産価値が下がっていると指摘している。
この文書は、メドベージェフ大統領が金融危機後、力説しているエネルギー資源依存の経済からハイテク産業中心の経済への転換に合致していて、それに沿って外交政策も変更するよう指示しているように受け取れる。この種の文書は、大統領が承認してから政府に回され、最終調整されるが、大統領府では大統領の承認はまだ出ていないとしている。
ロシア政府の外交政策は大統領がまとめる「対外政策の概念」に基づいて実行される。最近では08年7月に発表されたものが外交指針になっている。その中では、国力の回復をバックに既存の国際秩序に代わる新体制構築に向けて、ロシアが大きな役割を果たしていくとの挑戦的な姿勢が基本となっている。だが、その直後に起きたグルジア戦争とリーマンショックで情勢が大きく変化しており、政策の見直しが求められている。
政府の重要政策を政府関係者がリークする場合、たいていはその政策を覆そうとして行われることが多い。今回もそうだとしたら、メドベージェフ大統領の基本方針を変えさせよう、あるいは大統領の権威を貶めようという意図があるのではないか。12年の次期大統領選がロシア政界の射程距離に入りつつあり、またぞろ政権内部で権力闘争が始まったのかもしれない。
この文書のタイトルは「ロシアの長期的発展の中で外交政策を効果的に使うプログラム」となっている。文書の概要は「ロシアの経済の目的を達成するためには、米国と欧州連合(EU)との関係をより良くすべきだ」というもの。この文書にはラブロフ外相の寄稿文が掲載され、この中で「外国の投資を呼び寄せるためには欧米のパートナーとEU全体と『現代的連携』を構築する必要がある」と指摘している。
さらに、同文書は「ロシアの影響力を拒否する旧ソ連諸国から産業及びエネルギー資源を搾取するよう」求めている。とくにバルト三国を名指しして、EU諸国の投資意欲を呼ばないほど国家の資産価値が下がっていると指摘している。
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ロシア政府の外交政策は大統領がまとめる「対外政策の概念」に基づいて実行される。最近では08年7月に発表されたものが外交指針になっている。その中では、国力の回復をバックに既存の国際秩序に代わる新体制構築に向けて、ロシアが大きな役割を果たしていくとの挑戦的な姿勢が基本となっている。だが、その直後に起きたグルジア戦争とリーマンショックで情勢が大きく変化しており、政策の見直しが求められている。
政府の重要政策を政府関係者がリークする場合、たいていはその政策を覆そうとして行われることが多い。今回もそうだとしたら、メドベージェフ大統領の基本方針を変えさせよう、あるいは大統領の権威を貶めようという意図があるのではないか。12年の次期大統領選がロシア政界の射程距離に入りつつあり、またぞろ政権内部で権力闘争が始まったのかもしれない。