飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

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プーチン大統領、極東開発相の後任にトルトネフ元天然資源相を指名!

2013年09月02日 07時21分59秒 | Weblog

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  プーチン大統領は8月31日、イシャエフ極東開発相(65)を解任し、後任に地方自治体の首長から中央政界に引き上げたユーリー・トルトネフ元天然資源相(57)を副首相格で任命する方針を示した。これにより、2年越しの極東開発を巡る政権内抗争は終結に向かいそうだ。

  極東開発省は、プーチン大統領がシベリア・極東開発に全力を挙げて取り組むため昨年5月、第二次プーチン政権発足と同時に新設された。そして初代大臣にハバロフスク地方知事を務めたイシャエフ氏が任命された。だが、極東開発を所管するシュワロフ第一副首相との間で開発を実行する組織などをめぐって対立が続き、開発は思うように進んでいなかった。

  イズベスチヤ紙(電子版)によると、プーチン大統領は7月、イシャエフ氏に対し「地域発展に関する指示の8割が実行されていない」と名指しで批判した。一方、イシャエフ氏は大統領に権限の拡大を要求、大統領令の案文を送りつけるなど抵抗。大統領もついにイシャエフ氏の解任に踏み切ったという。

  後任のトルトネフ氏は副首相と極東連邦管区大統領全権代表に任命され、その後、極東開発相に就任する見通し。同氏は地方政界からプーチン政権の閣僚に引き上げられた異色の政治家。96年に中部ロシアのペルミ市長選に立候補して当選。00年にはペルミ州知事選に出て、また1回で当選、政界から注目された。04年には第一次プーチン政権の天然資源相に任命された。

  トルトネフ氏のもう一つ異色な点は、趣味が極真カラテだということである。このため柔道家のプーチン大統領ともウマが合うようだ。現在、極真空手をオリンピックの正式種目にする運動の呼びかけ人もしている。

  同氏の政治的手腕は未知数だが、地方政界でみせた行政手腕で停滞する極東開発を活発化させる“救世主”になるのでは、と期待されている。08年の大統領選に立候補するとの下馬評もあった政治家だけに、ロシア政界の注目株といえよう。(この項終わり)

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