飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

「3期目のプーチン政権はもっと民主的に」と迫る世論調査結果!

2012年05月17日 11時46分40秒 | Weblog
 
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プーチン露大統領は3期目に入り、これまでプーチン氏の強みと言われてきた、実務的で教養があり、男らしいプロフェッショナルという面が以前より弱まってきたとの見方が強まっている。ロシアの有力な世論調査機関レバダ・センターが4月に行なった調査結果から浮かび上がった。専門家は「往年の高支持率を取り戻すには、もっと公平で民主的になる必要がある」と、3期目のプーチン政権に注文をつけている。

 この調査は「プーチン大統領の強みはなんだと思いますか」との質問を行い、それを大統領1期目の2000年1月、2期目の08年2月の調査結果と比較して分析したものだ。それによると、今回の調査では「実務的で活動的性格」と答えた人が一番多く39%だった。2番目は「政治的、行政的経験が豊富」で31%。3番目は「円熟した経験」「教養あるプロフェッショナル」「指導性」の3つで、いずれも28%だった。

 今回の結果を過去2回と比べると、どの回答も08年の前回調査よりも10ポイント前後下がっている。とくに前回の調査で62%の人が評価した「実務的で活動的」とされる面が13ポイント下がり、ほぼ1回目の調査結果に戻っている。また、「教養あるプロフェッショナル」との評価も前回の52%から14ポイント下がっている。さらに、「強く、男らしい」というプーチン氏のイメージも前回の34%から18%に低下しているのが目立っている。

 この結果についてレバダ・センターのグドゥコフ社長は「プーチン氏の支持率は依然高いが、堅固で揺るがないという大衆の持つ彼のイメージが減退している。強力な独裁的指導者像は徐々に消えつつあり、絶対的な大統領という見方はもうなくなった」と分析している。また、ビノグラードフ・ペテルブルク政治基金理事長は「プーチン大統領の下で今と同じ状況が続き、もしかすると悪くなるかもしれないが、良くなることはありえないと人々は思っている」と話している。

 では、国民のプーチン人気を今以上にアップさせるにはどうしたらいいのだろうか。ミンチェンコ国際政治評価研究所長は「もっと公平で民主主義的な政治を行うべきだ。そのためには側近の汚職をやめさせ、新興財閥を撲滅し、大規模な司法改革を実行すべきだ」と提言している。

 プーチン大統領の3期目がスタートしても、反プーチン派の活動は収まっていない。今はモスクワなど大都市に限られているが、こうした動きが地方に広がるとプーチン政権は不安定になってくる。プーチン大統領が6年間の任期をまっとうするためには、国家主義的な強権政治を改め、もっと民主的な政治を推進するしかないことが、今回の世論調査でより明確になったといえよう。(この項おわり)





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