来年春の大統領選に立候補するかどうか注目されていたロシアのメドベージェフ大統領は20日、内外の記者団800人を招いて会見を開き、明言を避けながらも事実上再出馬を宣言した。プーチン首相との間で亀裂が生じているとの見方については、基本戦略では一致しているが、戦術面では違いがあると認め、対立軸を示した。
大統領がこれほど大々的に記者会見を開くのは08年の就任以来初めて。しかも、慣例だったクレムリンでの会見を避け、大統領の最重要課題としている国家の「現代化」のシンボルであるモスクワ郊外のスコルコボ建設予定地で行った。庇護者プーチン首相からの「独り立ち」を内外に示す意図がありありと感じられた。
ロシアのマスコミは次期大統領選を巡る大統領と首相の確執を様々な憶測を交えて伝えていて、最近は首相が下院選対策用に創設した「全露国民戦線」を連日取り上げ、大統領を押しのけて首相が再登板する可能性を強く示唆していた。それだけに、「再立候補の意思は今もあるのか」との質問に大統領は「ついにその問題が出てきたか」と、うれしそうに言い、答え始めたとコメルサント紙は伝えている。
大統領はその中で、政治はショーのようなものではなく、順守すべき決められた手続きがあり、かなり複雑な仕事であると前置きし、「我々は成功するために政治に従事している。だから最終的に政治的効果を持ち、すべての前提条件が熟した時に決定しなければならない」と述べ、まだその時期ではないことをにじませた。
大統領はそう言いながらも4月12日、中国メディアのインタビューに「大統領選に再出馬する意思があり、その決定は近い時期に行う」と答えたことを念頭に置きながら「(再出馬するとの)声明を行うと決めたら実行する。その時期はそれほど遠くない」と明言した。そして、大統領を支持する政党の推薦を受けてから出馬声明を行う意向を明らかにした。
さらに、コメルサント紙は大統領が再選後の抱負をこれまで以上に自信たっぷりに語ったと指摘している。とくに大統領が力を入れている「現代化」について「現代化は続けなければならないし、IT通信、医療など5つの優先分野は非常に重要な事業だと確信している」と強調した。
また、色々憶測を呼んでいるプーチン首相との関係について聞かれると、戦略的な見解は一致しているとしながらも「戦術についてまで完全に一致しているわけではない」と述べた。その具体例として現代化を取り上げ、首相がゆっくりと段階的に行うべきだとしているのに対し、大統領は「早く実行するためのチャンスも力もある」と、早期実施を主張した。
大統領は内閣改造についても言及し、「大統領に与えられている内閣の総辞職や改造の権限を変更するつもりはない」と述べ、大統領選後に内閣の大幅改造を行う可能性を示した。これはプーチン首相へのけん制球と受け取れる発言である。
この会見についてメドベージェフ大統領の“指南役”といわれるユルゲンス現代発展研究所長はインタファクス通信のインタビューに「大統領は近く、違った形で大統領選に再立候補することを宣言するだろう」と答え、再出馬を強く示唆した。
また、マルコフ政治調査研究所長は「大統領はプーチン首相との間で個別の問題では見解の相違があると認めながら、戦略的アプローチは同じだと強調している。大統領にとっては立候補の問題よりも双頭政権体制を維持するほうが重要なのだろう」と分析している。
この日の会見で大統領が再立候補への意欲をこれまで以上に強く示したことは明らかで、大統領の再出馬の可能性が低くなったとの最近のメディアの見方を否定して見せた。これだけ大々的な会見がプーチン首相の了解を得ずに行ったとは考えにくく、発言の内容についても打ち合わせが行われているに違いない。これで大統領の考えははっきりしたが、首相の本心は依然定かではない。
大統領がこれほど大々的に記者会見を開くのは08年の就任以来初めて。しかも、慣例だったクレムリンでの会見を避け、大統領の最重要課題としている国家の「現代化」のシンボルであるモスクワ郊外のスコルコボ建設予定地で行った。庇護者プーチン首相からの「独り立ち」を内外に示す意図がありありと感じられた。
ロシアのマスコミは次期大統領選を巡る大統領と首相の確執を様々な憶測を交えて伝えていて、最近は首相が下院選対策用に創設した「全露国民戦線」を連日取り上げ、大統領を押しのけて首相が再登板する可能性を強く示唆していた。それだけに、「再立候補の意思は今もあるのか」との質問に大統領は「ついにその問題が出てきたか」と、うれしそうに言い、答え始めたとコメルサント紙は伝えている。
大統領はその中で、政治はショーのようなものではなく、順守すべき決められた手続きがあり、かなり複雑な仕事であると前置きし、「我々は成功するために政治に従事している。だから最終的に政治的効果を持ち、すべての前提条件が熟した時に決定しなければならない」と述べ、まだその時期ではないことをにじませた。
大統領はそう言いながらも4月12日、中国メディアのインタビューに「大統領選に再出馬する意思があり、その決定は近い時期に行う」と答えたことを念頭に置きながら「(再出馬するとの)声明を行うと決めたら実行する。その時期はそれほど遠くない」と明言した。そして、大統領を支持する政党の推薦を受けてから出馬声明を行う意向を明らかにした。
さらに、コメルサント紙は大統領が再選後の抱負をこれまで以上に自信たっぷりに語ったと指摘している。とくに大統領が力を入れている「現代化」について「現代化は続けなければならないし、IT通信、医療など5つの優先分野は非常に重要な事業だと確信している」と強調した。
また、色々憶測を呼んでいるプーチン首相との関係について聞かれると、戦略的な見解は一致しているとしながらも「戦術についてまで完全に一致しているわけではない」と述べた。その具体例として現代化を取り上げ、首相がゆっくりと段階的に行うべきだとしているのに対し、大統領は「早く実行するためのチャンスも力もある」と、早期実施を主張した。
大統領は内閣改造についても言及し、「大統領に与えられている内閣の総辞職や改造の権限を変更するつもりはない」と述べ、大統領選後に内閣の大幅改造を行う可能性を示した。これはプーチン首相へのけん制球と受け取れる発言である。
この会見についてメドベージェフ大統領の“指南役”といわれるユルゲンス現代発展研究所長はインタファクス通信のインタビューに「大統領は近く、違った形で大統領選に再立候補することを宣言するだろう」と答え、再出馬を強く示唆した。
また、マルコフ政治調査研究所長は「大統領はプーチン首相との間で個別の問題では見解の相違があると認めながら、戦略的アプローチは同じだと強調している。大統領にとっては立候補の問題よりも双頭政権体制を維持するほうが重要なのだろう」と分析している。
この日の会見で大統領が再立候補への意欲をこれまで以上に強く示したことは明らかで、大統領の再出馬の可能性が低くなったとの最近のメディアの見方を否定して見せた。これだけ大々的な会見がプーチン首相の了解を得ずに行ったとは考えにくく、発言の内容についても打ち合わせが行われているに違いない。これで大統領の考えははっきりしたが、首相の本心は依然定かではない。