飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

ロシア紙、参院選での与党・民主党の敗北を大々的に報道!

2010年07月13日 14時10分09秒 | Weblog
 ロシア各紙は13日付けの新聞(電子版)で参院選の結果を大きく取り上げ、「民主、屈辱的敗北」(コメルサント紙)、「民主、壊滅的敗北」(独立新聞)などと最大級の表現で与党・民主党の大敗を伝えている。

 ロシア紙は事前にはあまり参院選のことを取り上げなかったが、結果については大事件並みの扱いとなった。昨年の衆院選と違って参院選は直ちに政権交代につながらないからだが、今回の民主党の惨敗で日本の政治が再び不安定な状態に陥るとの懸念がロシア側に強まっているからだろう。

 その感じが強く表われているのは、各紙の見出しである。独立新聞は「日の出る国(日本)が二重権力に」と表現、一方のコメルサント紙は「日本の民主主義者には1院しか残っていない」とし、参議院が事実上野党側に奪われたという認識を示している。ともに政権運営が極めて困難になったという印象を与える見出しである。

 コメルサント紙は、今回の与党敗北で民主党が政権を失うことはないとしながらも、参議院で多数派の野党があらゆる手段を使って菅政権を妨害すれば法案の成立が難しくなるばかりか、政権のフリーハンドが失われ、外交面でも打つ手が限られてくるとみている。このためロシアとの北方領土交渉は厳しい停滞の局面に入るとの見方を示し、このことは「モスクワを喜ばせることになろう」と書いている。

 その半面、同紙は他の方面では露日関係は順調に発展しつつあり、議会の政治情勢は関係ないと指摘、一例としてサハリンの天然ガス供給問題を取り上げている。一方、独立新聞は参院選の結果、民主党崩壊のプロセスが始まる可能性もあるとし、すでに党内が動揺し始めていると指摘している。

 いずれにしろ、ロシア紙の見方は日本の新聞各紙よりやや厳しいように感じられる。日本には、当事者より局外者のほうが物事がよく分かるという意味で「岡目八目」ということわざがあるが、そういうことなのだろうか。あるいは、ソ連崩壊後、様々な経験を積んでいるロシアのジャーナリストだけに先を見通せるのかも。

 
コメント
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