飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

ロシアは「欧州会議」の中で最も遅れた国!?

2009年06月25日 16時15分40秒 | Weblog
 欧州の社会的進歩を促し、民主主義や人権保護を進める「欧州会議」の議員会議が24日、本部のある仏ストラスブールで開かれ、ロシアが欧州で最も遅れた国の一つであるとの中間的結論が出された。昨年夏のグルジア戦争が尾を引いていて、欧州諸国がロシアに対し厳しく当たっているという面もありそうだ。

 第二次大戦後、欧州の統合を目的に設立された「欧州統合運動国際委員会」が前身だが、欧州連合(EU)とは別の組織である。会議では、アルメニア、ブルガリア、セルビアなどモニタリング中の11カ国の状況が検討され、この中ではロシアが最も多くの義務を果たしていない、などとする決議がなされた。

 それによると、①ロシアは死刑制度を廃止していない、唯一の加盟国(ただし、96年以降、死刑執行を停止している)②人権に関する欧州協定を批准していない③人身売買に反対する協定に署名していない、などと指摘している。また、ロシアの検察はソ連時代と同様、幅広い権限を持っており、司法の独立を妨害していることも盛り込まれている。とくに許せない違反として会議では、ロシアとグルジアの間の戦争を上げている。

 数々の厳しい指摘に「ロシア代表団はへきえきしている」とロシアの有力紙コメルサントは伝えている。このためロシア政府は「反撃の機会を狙っている」との見方も出ている。欧州会議には西側や旧東欧諸国など47カ国が加盟していて、ロシアは”孤軍奮闘”という印象が強い。だが、民主化を推進すべきロシアとしては、ここは我慢して一つ一つ義務を果たし、欧州諸国の信頼を得ていくしか道はないだろう。
コメント (1)
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