知人から、古い本だが、件名の本をいただいた。これが、面白い。天地明察を読んだばかりであるが、共通する理系人間の真剣さと、それに呼応する素敵な人材が組み合わさったときの、ものすごいエネルギーの発揮具合である。世界のホンダの誕生の経緯がよくわかる。
仕事を真剣にしていたなかで、勝ち取った成功である。これは、お金を右左に回して儲けるのとは違う。世の中に、製品を作り出している。環境問題を引き起こすまで、人類は科学技術を伸ばしてきたが、一方でエンジンの改良にも取り組んできた。問題をクリヤしてきている。
無私の仕事人間たちの、すさまじい努力に、爽快感がある。そして、成功に安住せず、引き際のあざやかなことは、会社のエネルギーとなり、次世代へのバトンタッチの上手なことは、組織を愛する人の組織人の鏡である。
失敗も多くしてきたことで、成功がある。運とか偶然ということではなく、それを呼び寄せるだけの、おびただしいトライがあり、努力がある。こうした伝記の類は、今まで、そんなに読んでいないが、若者たちには、こうした日本人の生きざまをもっと知らねば、もったいないと思った。