(最後に撮ったツーショット。まさか記念の一枚になるとは…)
「お~い。フォーン、フォーン」
----ニャんだよ。
こんな時間から。
まだ、お昼前じゃニャい?
「あっ、きたきた。
ほら、やっぱ呼べば来る」
----ん、そういえば
昨日、お話の続きするんじゃなかった?
「いや、だって
今朝の8時から読経と火葬でしょ。
フォーンも落ち着かないかなあと思って…」
----あっ、そうだった、そうだった。
で、どこまで話したんだっけ。
このブログを始めたあたり?
「そう。ぼくもうっかりしていたんだけど、
実はブログを始めたのは
9年前2004年の7月18日。
10年目を迎えた2013年の同じ7月18日に、
フォーンはお空へ行っちゃったってワケ」
----最初の日、覚えているよ。
やはり暑かったよね。
確かタイトルが『今日も暑いにゃあ。(byフォーン)』
「そうなんだ。
最初は、こんな映画ブログにするつもりなくって、
コトリさんの知り合いのお花屋さんが飼っている黒猫さんが
ネットで大活躍しているのを見て、
『フォーンの方が可愛いぞ!』って」
----よく言うよ。
最初はフォーンのこと「みゃん茶!」って呼んで、
コトリさんから「フォーンがかわいそうだ」って。
「いやあ、ほんと悪かった。
まったくキャラが違うのにね。
みゃん茶は今でいうツンデレ。
人見知りが激しく“幻の猫”タイプ。
フォーンは、まったくそんなことなかったものね。
誰にでもなつき、基本的に人間が好きだったよね」
----不憫と言われたりもしたニャあ(笑)。
「みゃん茶がいなくなった後、何が辛かったかって、
トイレのある場所がぽっかり空いちゃったこと。
観葉植物を置いたりしてもみたけど、
かえっていないことを強調してしまう結果に…。
それで今回はそのままにしているんだ」
----トイレか。
ごめんね、おとといは。
せっかく新しいフォーンの砂、買いに行ってくれたのに。
無駄にしちゃって…。
「なに言ってんの。
こっちこそ、もっと早く交換しなくちゃだったよ。
話、元に戻すとさ、
フォーンがぼくの日常を喋るという形で始めた、
この『ラムの大通り』。
ところがその日常というのが映画ばかり。
そこで形が会話による映画紹介になってきたんだ。
今確認したら、この9年間で
新作映画が1602本、公開後の映画が 122本。
計1724本の映画を紹介していた」
----一年に200本近く。
最近は少なくなっていた割には、
ニャかニャかやるじゃん。
途中、会社を辞めたりとか、いろいろあったのに…。
そうそう、始めてすぐの頃、
他の猫さんに入れあげていたでしょ。
確か名前が…。
「チップだね。
あれは夜の公園で出会った、やはり黒い猫。
ベンチに座ったら、ひょいと膝の上に。
でも連れて帰るわけにはいかず、
後ろ髪引かれる思いでその場を去って…。
その翌朝も見かけたんだけど、帰りにはもういなかった。
必死で探して、でも見つからない。
ところが4日後、ぼくが通っている総合病院の前で再会。
なんとぼくのこと覚えていて
病院の中まで後をついてくる。
もう、たまらなくなって後先考えず保護したってワケ」
----で、一時預かり先の方のところに。
毎週日曜日、チップに会いに通っていたんだよね。
帰ってきたら、他の猫さんの匂いが付いていたもの…。
「そうだね。
あれもフォーンに謝らなくちゃならいことのひとつだ。
一年後、ようやくチップのもらい先が見つかって…。
それからだね。フォーンをネコ可愛がりするようになったのは。
チップの分までと…」
----う~ん。複雑だけど許してやるかニャ。
「ありがとう(笑)。
そのチップが尿結石でぐったりなっているところを助けてくれたのが
山内アニマルセンターの山内先生。
CTで膀胱に石があるのを確認し、
その場で注射して取り出してくれた。
そのとき、周囲のだれもがチップに『痛くない、痛くない』と言うのに、
先生は『痛いよな。痛いことするんだもの』って。
これぞ名医の言葉だと思ったね。
今回も、こちらの病院に行けば大丈夫と…。
でも休診日だったんだ」
----でも、昨日電話していなかった?
「うん。
なぜ、フォーンがそうなったのか、
今からじゃ遅いかもだけど、どうしても知りたくて…。
もちろん、原因は解剖でもしなくちゃ分からない。
ただ、とても嬉しいことを言ってくれた。
『野生に近い動物ほど、気づいたときはすでに重体』。
自然界で生きる動物は弱みを見せまいとする。
結果、飼い主さんに対しても頑張るって…」
----あっ、それ当たっているかも。
ふたりが出かけるまで気を張っていたもの。
フォーンが、えいを最後に見たの覚えている。
「うん。
二階でじっと見ていたよね。
ぼくは階段の陰から、顔を覗かせたり隠したり。
で、フォーンはいつもに比べ神妙な顔。
でも、ちらちらっと、二回コトリさんに目をやったんだ」
----そう。気づかれていたか。
あれは、「この人大丈夫?ぼくがいなくなっても…」の意味。
「えっ。そうだったんだ。
ツンデレみゃん茶のときは、
いつもと違って、その日は仕事に行くぼくを不安げに見て、小さく鳴いて…。
それでコトリさんに電話して
『やはり病院連れて行って』って頼んだんだよ」
----ふうん。
「もっともその二日前に、
家にはないはずの扉をみゃん茶が開けて真っ白な光の方に行く
そんな予知夢みたいなものを見たからってのもあるけど…。
その夢の中でぼくは『お~い、そっちには何もないよ』と。
それで目が覚めた瞬間、
みゃん茶がこの世のものとは思えない『ぎゃ~っ』て声を挙げたんだ」
----その夢の話は、何度も聞いたよ。
で、入院して、
今日は連れて帰れるぞという日に、
自動車事故にあった猫さんを見て、
またまたいやな予感がしたというんでしょ。
「あらら、それも話したっけ。
今回も実は吉祥寺からの帰り、
いつもにもない渋滞に巻きこまれて、
いやな胸騒ぎはしたんだけどね…。
ん、もう一時間もお喋りしている。
新しい世界に慣れないのに疲れたでしょ」
----それはいいけど、
えい、ほんとうに大丈夫?
帽子をかぶっているのをいいことに、
けっこうボロ泣きみたいじゃニャい。
出かけるときも、
フォーンがいつもいたところに
ちらっと目をやったり…。
「亡くなった猫さんに心配されるようじゃ、
もう、人間失格だ」
----(笑)
だから、早く次の猫さんと出会いニャって…。
そして『パシフィック・リム』が始まる前に話してよ。
「おいおい。
そんな冷たいこと言うなよ」
----そうじゃニャいよ。
その中に、フォーンが入るからさ。
そして早く、映画のお話聞かせてよ。
その猫さんに喋れば、
それはフォーンに喋っていることになるし、
その猫さんの質問がフォーンの言葉だよ。
ほら、気づいていなかった?
フォーンの中にも、
みゃん茶が入っていたんだよ。
みゃん茶は、ツンデレで自分から「可愛がって」って言えなかったから
フォーンの中で、その分も可愛がってもらっていたんだよ。
「・・・・・・・・・・。
じゃあ、ひとつだけお願い。
その猫さんにフォーンが入った証拠に、
朝、『お餌ちょうだい!』って、
これまでのように、ぼくの頭を叩いて起こしてよ。
そして顔を見たら『私じゃありませんよ!』と、そっぽを向く、
あの遊びやってよ」
----う~ん。難しい注文だニャ。
ま、やってみるか。
まずは布団の中の
えいの足の指を噛むところからだニャ (笑)。
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「えいは泣き虫だからニャ。抜け毛用の手袋は変えた方がいいニャ」
※指を通した瞬間、感覚が甦る度
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