(原題:Frost/Nixon)
----これもアカデミー賞作品賞ノミネートの一本だよね。
フロストとニクソン。
ふたりの名前が「×」になっているけど、
これって対立関係にあるということなのかニャ。
「対立と言えば言えるかなあ。
この映画はウォーターゲート事件で
現役でただひとり大統領職を辞したニクソン。
その後、沈黙を守り続けた彼に対して、
テレビ司会者のデビッド・フロストが
初めてインタビューを敢行。
その熾烈なトーク・バトルが
4500万人もの視聴者を釘付けにしたといわれる
伝説のテレビ番組の裏側を描いたものなんだ」
----へぇ~っ。
でもそのなんとかフロストという人、
ジャーナリストって感じでもないんでしょ。
どうしてそんなインタビューに成功したの?
「ニクソンとしては、
彼なら組みやすしと思ったんだね。
ニクソンにはいつか政界復帰してやるという思惑が。
そして一方のフロストはイギリス、オーストラリアでこそ
その名を知られているものの、
やはり全米進出を狙いたい。
野球でいえばメジャーとそうでない選手の違いかな。
ニクソンは辞任にあたって、
謝罪の言葉がまったくなかった。
フロストはそれを引き出すことで有名になろうと思ったんだ。
しかし、ニクソンはさすがにつわもの。
とんでもない高額のインタビュー料をフロストに吹きかけてくる。
もちろん、ここには彼の側近が入れ知恵を働かせてはいるんだけれど、
映画は、そればかりではなく、
ニクソンのあまりにもえげつない金銭感覚を
たっぷりと見せつける」
----でも、そんなお金、
工面が難しいんじゃニャいの?
「そうなんだ。
だからフロストとしては
その売り込みに躍起になる。
彼が雇ったブレインたちは、
戦略を練ることで一生懸命なのに、
当の本人は、金策に走り回っている。
しかも、肝心のインタビューではニクソンに子供扱いされてしまう。
すっかり彼のペースにハマってしまうんだね。
ところが、そんな彼が自分のプライドを賭けた
戦いに挑むことに本気になってしまう。
それはニクソンが夜中に彼にかけた一本の電話がきっかけ」
----えっ、ニャにを話したの?
「それはさすがに秘密。
ただ、この映画でわかったのは
テレビというメディアの特質だね。
『大統領がやるのなら非合法ではない』という
歴史に残るセリフをニクソンから引き出したフロスト。
その『言葉』もさることながら、
ある質問に対して見せたニクソンの表情。
それが電波で流れた影響が大きい。
映画はこれを『一瞬をとらえることに成功した』と言っている。
その表情を作って見せたニクソン役のフランク・ランジェラ、
そして『クィーン』に続き、
実在の人物をひょうひょうと演じた。
できることならふたりにダブルでオスカーをあげたいほどだ。
なんて、ぼくにはそんな権限はないけどね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「ニャるほど。もとは舞台だったのだニャ」
※“投げる”のではなく、“あげる”靴のエピソードにも注目だ度
お花屋さん ブーケ、アレンジメントetc…
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☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
※画像はアメリカ・オフィシャル(壁紙ダウンロードサイト)より。
----これもアカデミー賞作品賞ノミネートの一本だよね。
フロストとニクソン。
ふたりの名前が「×」になっているけど、
これって対立関係にあるということなのかニャ。
「対立と言えば言えるかなあ。
この映画はウォーターゲート事件で
現役でただひとり大統領職を辞したニクソン。
その後、沈黙を守り続けた彼に対して、
テレビ司会者のデビッド・フロストが
初めてインタビューを敢行。
その熾烈なトーク・バトルが
4500万人もの視聴者を釘付けにしたといわれる
伝説のテレビ番組の裏側を描いたものなんだ」
----へぇ~っ。
でもそのなんとかフロストという人、
ジャーナリストって感じでもないんでしょ。
どうしてそんなインタビューに成功したの?
「ニクソンとしては、
彼なら組みやすしと思ったんだね。
ニクソンにはいつか政界復帰してやるという思惑が。
そして一方のフロストはイギリス、オーストラリアでこそ
その名を知られているものの、
やはり全米進出を狙いたい。
野球でいえばメジャーとそうでない選手の違いかな。
ニクソンは辞任にあたって、
謝罪の言葉がまったくなかった。
フロストはそれを引き出すことで有名になろうと思ったんだ。
しかし、ニクソンはさすがにつわもの。
とんでもない高額のインタビュー料をフロストに吹きかけてくる。
もちろん、ここには彼の側近が入れ知恵を働かせてはいるんだけれど、
映画は、そればかりではなく、
ニクソンのあまりにもえげつない金銭感覚を
たっぷりと見せつける」
----でも、そんなお金、
工面が難しいんじゃニャいの?
「そうなんだ。
だからフロストとしては
その売り込みに躍起になる。
彼が雇ったブレインたちは、
戦略を練ることで一生懸命なのに、
当の本人は、金策に走り回っている。
しかも、肝心のインタビューではニクソンに子供扱いされてしまう。
すっかり彼のペースにハマってしまうんだね。
ところが、そんな彼が自分のプライドを賭けた
戦いに挑むことに本気になってしまう。
それはニクソンが夜中に彼にかけた一本の電話がきっかけ」
----えっ、ニャにを話したの?
「それはさすがに秘密。
ただ、この映画でわかったのは
テレビというメディアの特質だね。
『大統領がやるのなら非合法ではない』という
歴史に残るセリフをニクソンから引き出したフロスト。
その『言葉』もさることながら、
ある質問に対して見せたニクソンの表情。
それが電波で流れた影響が大きい。
映画はこれを『一瞬をとらえることに成功した』と言っている。
その表情を作って見せたニクソン役のフランク・ランジェラ、
そして『クィーン』に続き、
実在の人物をひょうひょうと演じた。
できることならふたりにダブルでオスカーをあげたいほどだ。
なんて、ぼくにはそんな権限はないけどね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「ニャるほど。もとは舞台だったのだニャ」
※“投げる”のではなく、“あげる”靴のエピソードにも注目だ度
お花屋さん ブーケ、アレンジメントetc…
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(他のタイトルはこちらをクリック→)
※画像はアメリカ・オフィシャル(壁紙ダウンロードサイト)より。
観ましたよ~!
これ思ってた以上に面白かったです。
実際のこのトーク番組も観たくなっちゃいました。
ケビンベーコンはじめ脇も良かったし
ほんとこの二人はオスカーあげたいほどでしたね~。
あっそうか、靴を投げるではなくあげる。
ほんとだ
亀レスになってしまいした。
ごめんなさい。
この映画、ぼくも見ごたえ十分。
オスカー候補作の中では
『スラムドッグ$ミリオネア』に次いで好きです。
靴を投げる……といえば、
オリバー・ストーン監督の
『ブッシュ』がもうすぐ公開。
これ、早く観たいなあ。
観ました。
あの夜中の電話って、実話なんでしょうか??
観る前から期待してたし、ホント、面白かった。
ラストの二人きりの会話が忘れられません。
『スラムドッグ・・・』も同じ日に観たけど、私的には微妙にこっちが好きでした。
お久しぶりです。
ちょっと風邪をひいてしまi,
お返事がおくれてしまいました。
夜中の電話、
そうですよね。
実話とは思えないほど
よくできた、そして
オモシロいエピソード。
あのラストも、勝者と敗者が一緒にいて
なかなか素敵なエンディングでした。
とにかく緊張感のある展開。渋くて見応えがあって、まさにオスカー候補だけある素晴らしい映画でした。
やはり力のある俳優の激突は
安定感があって安心できるのはもちろんのこと、
ついつい引き込まれてしまいます。
日本でもこういう映画ができるといいなあ。
主役と脚本は「クィーン」組ですね。
あの映画の様に虚実取り混ぜた作りなのかと思ったのですが、ほぼ史実通りの様ですね。
ただ、あの電話はもしかしたら脚色かなと思ったのですが、どうでしょう。
ニクソンも劇中で覚えてないと言っていたし、どうもあそこだけすごく映画的に感じました。
ノートPCからだとノラネコさんのところへの
書き込みがうまくいかないので、
こちらにコメント兼お返事を。
ノラネコさんのところに
ike #iR9c6T4Eさんが書かれていること、
興味深いですね。
これによると「脚色」ということですよね。
そのような脚色をしたことで、
テレビとは何かを描いたこの作品自体が、
同時に映画というものはなにかという
その本質に迫ることに…。
ロン・ハワードの知性と才能を感じさせてくれる逸話ですよね。
テレビというメディアの本質を描きつつ、その手段を考えると一種の映画論となっている。
ロン・ハワードは独自のポジションを築きつつあるのかも知れませんね。
この人の映画は好きな作品が多いのですが、どちらかと言うと実録物の方が実力を発揮している様に思います。
イタリアの靴は女性的とか、ウケました(笑)
インタビュー場面での小ざかしい一言や、やりとりは見応えありましたね。
脇の方々もお上手だったし、ドキュメンタリー調も解りやすかったです。