ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『STAY/ステイ』

2006-04-14 19:46:31 | 新作映画
----これまた「エンディングについては触れないよう」という
但し書きがついてるね? だいじょうぶ?
なんにも言えなくならないかなあ?
「だいじょうぶ。気をつけて話すから。
プレスに監督のマーク・フォスターが
『観客には、これから見る物語が
現実世界の話ではないことを明確に伝えたかった』
と語っている一文が載っているし、
だれが見ても、これが現実の物語と思うわけはないから
そこまでは喋ってもいいんだと思うよ」

----そんなにすぐ現実ではないって分かっちゃうの?
「だってあまりにも非現実的なことが
次々と起こるんだもの?
この映画は『さて、この非現実はなんでしょう?』というのを
考えながら楽しむのが正解だと思うよ。
物語を要約すると
21歳の誕生日の夜に自殺すると予告して姿を消した
ヘンリー(ライアン・ゴズリング)を、
必死で救おうとする精神科医のサム・フォスター(ユアン・マクレガー)。
その過程で、サムは迷宮の中に入り込んでいくと言うもの」

----まるでカフカの世界みたいだね。
「うん。オモシロいのはそのシュールなビジュアルが
編集によって作られているところ。
ある空間から足を踏み出した瞬間,
次のカットではその人は別の空間に。
この<不思議感覚移動>は本作の特徴。
映画を通して何度も繰り返し出てくる。
たとえばガラス張りのモダンな建物を歩いている主人公たちが
ワンカットのシーン中で19世紀後半のイオニア式円柱の間へ。
また玄関のドアから出て行った人を見送ると
玄関はなぜか2階の窓に変わっていたり」

----mmmmm・……・;。
「さらに水族館の水槽の水の向こう、
サムのガールフレンド、
ライラ(ナオミ・ワッツ)の部屋が覗けたり、
その水槽でこちらを見ていたセイウチの絵が
ライラの部屋の壁にかかっていたり,
動いているサムが急に静止し写真と化して
やはりライラの部屋に飾られていたりもするんだ」

----そりゃあ確かに現実ではありえない(笑)。
「でしょ。
こういう<悪夢の映像化>って好きだからもっと喋っちゃおう(笑)。
死んだと思っていたヘンリーの父が生きていたり…
双子、三つ子,四つ子が同じ服で主人公たちを取り巻いたり,
暗く狭い螺旋階段を果てなく転げ落ちたり、
突然こめかみから血が流れてきたり……。
ここまでくれば、誰だってこれは夢か幻想か妄想かと思うじゃない。
ところがヘンリーに予知能力があったりするものだから、
これはもしや超常的物語かもとも……」

----で、それが何かまでは
さすがに言えないと言うわけだね。
「うん。これだけ映画があると、
大方の予想はつくわけだけど,
ははぁ、そう来ましたか……という感じだったね。
小説だと乙一あたりが使う●●●●●●。
ほんとはここから発展させて映画と言う媒体の特性を喋りたいけど,
それはやってはいけないみたいだね。
<お願い>に引っかかってしまうかも」

         (byえいwithフォーン)


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