ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『インビジブル・ウェーブ』

2007-03-24 10:20:20 | 新作映画
(原題:Invisible Waves)

----最近、浅野忠信、あまり観ないと思ったらこんなところにいた。
「フォーン、“こんなところ”はないだろう。
彼は海外での評価が高く、
このタイの監督ペンエーグ・ラッタナルアーンと組んだ『地球で最後のふたり』では
ベネチア国際映画祭コントロコレンテ部門・主演男優賞を受賞。
ホウ・シャオシェン監督『珈琲時光』や
この映画の撮影クリストファー・ドイルが監督した『孔雀』でも主演している」

----そう言えば、この映画も
『トンマッコルへようこそ』のカン・ヘジョンや
『インファナル・アフェア』のエリック・ツァンが出演。
アジアの才能が結集した映画になっているみたいだね。
「うん。実は『地球で最後のふたり』では
ぼくはそのゆったりしたリズムにあまり乗ることができなかった。
それだけに少し心配だったんだけど、
今回は少し変わった趣の映画になっていて、
いつの間にかスクリーンに引き込まれていた」

----ふうん。どういうお話ニャの?
「ストーリーは実にシンプルなんだ。
舞台は香港。
ボスの妻セイコと不倫関係にあったキョウジは
ボスから彼女を殺すことを命じられる。
ワインに毒を入れて
首尾よくコトを成し遂げた彼はボスに休暇を取らされ、
フェリーでプーケットへ向かう。
映画はその旅の途中にキョウジが出会った人々との関係、
また彼を見舞う不思議な出来事の数々を描く」

----えっ?と言うことは
これロードムービーなの?
「う~ん。
そうとも言えるかな。
ただ、あまり自然や風景が出ることはなく、
描かれるのはもっぱら船の中、
そしてホテルの中と言う密室空間。
その船室にしても
シャワーやベッド、はたまた電気までが自分勝手に動き、
ついには彼は中に閉じ込められてしまう。
バーとトイレの異様な関係も含めて、
途中、これはゴーストシップ・ホラーかと(笑)」

----でも、そうじゃなかったんだ。
「お話は、後半、
意外と普通のドラマ展開を見せていく。
生きる意味が見いだせない者と
幸せな生活を送る者。
その間における復讐と死の物語へね。
プレスにはいろいろと深い解釈がなされているけど、
そこまで考えなくてもけっこう楽しめるんじゃないかな」

----そんなこと言っていいの?
「いいと思うな。
こういうアジアのアーティステックな単館系映画って
取っつきにくいもの。
少なくともぼくはそう。
でも、この映画はさっき話したように<ホラー>という見方をしても十分楽しめる。
光石研のカラオケ『たどり着いたらいつも雨降り』も聴けるしね」

----ニャに、それ?

       (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ハードボイルドだニャあ」もう寝る


※浅野&光石の服ははTAKEO KIKUCHIだ度vs.
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猫ニュー

画像はフランス・オフィシャルより。