ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『あるスキャンダルの覚え書き』

2007-03-14 11:57:36 | 新作映画
(原題:Notes on a Scandal)


----ニャんだか小難しそうな映画のタイトルだね。
これって社会派映画ニャの?
「いやいやどうして。
ある意味、これはスリラーとも言えるかな。
原作がブッカー賞の最終候補に残ったりもしたところから、
硬めの作品を覚悟していたんだけどね」

----でも主演がジュディ・デンチにケイト・ブランシェット。
いずれにしてもクオリティは高そう。
ふたりは以前に『アイリス』でも組んでいるけど、
この映画はその『アイリス』のリチャード・エア監督作品。
と聞けばよけいに生真面目な作品に思われがちだけど、
別の角度から見ると実にスキャンダラスな映画。
一言で言えば
15歳の少年と肉体関係に落ちた美術教師シーバ(ケイト・ブランシェット)。
その彼女に以前より目を付けていた
孤独な初老の教師バーバラ(ジュディ・デンチ)は、
シーバの弱みを握ったことから
その人生すべてを支配しようとする-----というお話。
これがバーバラによるナレーションで進んで行く」

----うわあ恐いニャあ。
このふたりの演技対決も凄まじそう。
「うん。ふたりとも本年度の
アカデミー主演&助演女優賞他にノミネート。
なかでもジュディ・デンチは、
目尻の皺の動きまで計算した演技計算により
微妙な心理の動きを完璧に表現。
これまでにぼくが観た彼女の演技の中ではベストだったね。
また、これは原作がそうなっているんだろうけども
日記に書かれたセリフが凄まじい。
『密かに彼女を配する。
私に対し、永遠の借りを作ってやるのだ。
私はすべてを手に入れられる。
何もせずに』」

----うわあ身震いしてきた。
でもこのままで終わるはずないよね。
「うん。それはバーバラが一緒に暮らしている猫と関係あるんだけど、
さすがにフォーンの前では言えないニャあ」

----う~ん。ニャんだろう?
「まあ、それはともかく、
この映画はわずか92分。
最近の映画としては実に短い。
それで思い出したんだけど、
70年代にはこの手のスリラーがけっこうあって、
B級扱いで公開されていた。
それ専門の職人監督もいたしね。
いま、そんなの作っても劇場公開とはならず
ビデオ直行なんだろうな。
この映画にしても文学的香りを纏っているしね。
話としては、
<若い男とのただれた関係を続ける
過程持ちの女教師と
その教師に同性愛的な関心を抱いて近づく
初老の女教師のストーカー的行為>
こういうことなんだけどね。
でも、一流のスタッフ・キャストで作っているだけあって、
途中背筋をゾクゾクする瞬間があったことだけは
<覚え書き>として喋っておこうかな」


 (byえいwithフォーン)

※パフィンさんからご指摘いただきました。
ケイトはケイトでも『アイリス」に出ているのはウィンスレットの方。
穴があったら入りたいです。観ているというのに…(汗)。
パフィンさん、ありがとうございました。


フォーンの一言「ちょっと観るの恐いニャ」もう寝る

※ジュディ・デンチの入浴シーン迫力だ度
人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

画像は『Notes on a Scandal』のオリジナル・ポスター