ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ナイロビの蜂』

2006-03-05 23:25:51 | 新作映画
----タイトルだけ聞いたんじゃ
映画の中身が分かんないね?
「そうだよね。
レイフ・ファインズが出ていて
舞台がアフリカと言うことからか、
日本でのビジュアルは『イングリッシュ・ペイント』を
思わせる上がりになっている。
でもこの映画の原作は『寒い国から帰ってきたスパイ』などの
傑作サスペンスをいくつも手がけているジョン・ル・カレ。
この映画もサスペンスたっぷりの作品になっている」

----ふうん。でもチラシとか見ると
「世界が絶賛した愛の奇跡」となってる…。
「確かにそれも間違いではないんだけどね。
て言うか、その二面性にこそこの映画の魅力はあるんだ。
物語を要約するとこうなる。
外交官ジャスティンの妻テッサは、
アフリカでの救援活動に熱心なあまり何者かに命を狙われ、
志半ばで命を失ってしまう。
それまで妻の仕事の内容に深く踏み入らなかったジャスティンは、
妻の死に隠された陰謀、
すなわちアフリカで横行する薬物実験、
官僚と大手製薬会社の癒着へとたどり着き、
やがて彼に対する妻の大きな愛を知る…と、こういう話だ」

----ニャるほど、それはオモシロそうだ。
「映画はフラッシュバックで描かれるわけだけど、
アカデミー助演女優賞にノミネートされている
レイチェル・ワイズが文句なしにすばらしい。
美しさをかなぐり捨てるかのように、
社会問題に立ち向かっていく姿は、
まるで役に乗り移ったかのようだ。
そして『シティ・オブ・ゴッド』で認められた
フェルナンド・メイレレスの語り口。
CM、プロモーションビデオ出身の監督の作品と言うと、
映像に凝るあまり
ストーリー・テリングがおろそかになることが多いんだけど、
これだけアップが多く、しかも手持ちキャメラで不安定な映像なのに、
決して視神経が疲れることがない。
その先が見たいと言う観客の気持ちを巧みにリードしていく。
ここまで手に汗握る映画は
アクション以外では久しぶりだったね。
周囲も食い入るようにスクリーンを見つめていたよ」

----おおっ。久しぶりの絶賛だね?
「うん。
妻の死の陰に隠された謎を追うミステリー仕立ての物語を
サスペンスを軸に紡ぎながら
最後は愛の物語に昇華する。
とにかく『映画を観た~』という充実感が味わえることは間違いない」

----ふうむ。
でも、こういう陰謀って世界中で起こっているのかもね。
「そうなんだ。
この映画を観ると、
最近日本で起こったあの事件も
巷間言われているように
単純に自殺と片付けてしまうのは
早すぎるんじゃないかと言う気になってくるね」


          (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「この映画には驚いたニャ」身を乗り出す

※タイトルじゃスゴさが分からない度
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猫ニュー

※うわあ、レイチェル・ワイズやりましたね。