ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『キスキス,バンバン』

2006-03-10 23:40:29 | 新作映画
※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも


----ロバート・ダウニーJr.にヴァル・キルマーか。
これまたシブい組み合わせだね。
どんな映画なの?
「うん。これが初監督となるシェーン・ブラックによると、
『バディ・ムービーとフィルム・ノワールに、
これまでにないロマンティックで独創的なテイストを加えたい』のだとか」

----シェーン・ブラックって脚本家じゃなかったっけ?
「そう、それも“一本400万ドル”とも言われるハリウッドの最高クラス。
『リーサル・ウェポン』で温厚なベテラン刑事と
自殺願望の強い若手刑事というコンビを生み出した彼は、
ここでは
ひょんなことからオーディションに合格した
ケチな泥棒ハリー(ロバート・ダウニーJr.)と
役作りのために彼がつくことになった
ゲイの探偵(ヴァル・キルマー)という
だれも考えなかった探偵コンビが、
ある事件に巻き込まれていくさまを描いてゆく。
そしてもうひとりヒロインとして加わるのが
ハリーの幼馴染みで女優のハーモニー。
この役を演じるミシェル・モナハンは
なんとバストトップまで見せているけど、
実は『M:Iー3』のヒロインを務めている。
以後、こういう大胆なことはやらないかもね」

----すでに名をなした脚本家が初めて監督をやるんだから、
のびのび演出しているのでは…って気がするけど。
「うん。
タイトルバックが線画タッチを生かしたアニメーション。
60~70年代の映画にこれは多かったね。
また、全体をハリーのナレーションで
しかも観客に語りかける形で進めてゆく。
それによってフィルムもストップしたり巻き戻されたり。
エキストラもナレーションに従って
その立ち位置を移動したりなんかもする」

----へぇ~っ、なかなかオモシロそうじゃニャい。
「ただ、これも当時はやったやり方。
最近では『アルフィー』でも形を変えて使われていたけど、
他の人のブログを読んだら
その手法を古めかしく感じている人が多かった。
そのあたりが、今回はどう取られるかだろうね」

----ふうん。謎解きの方はどうニャの?
「この手の映画では
ハリウッドの裏にいるボスの性癖から
陰謀的な事件が引き起こされることが多い。
そういう意味では目新しくもなく
落ちつくべきところに落ちついた気がする。
ただ、言葉でその<謎>を解き明かしていくから
よく観ていないと分かりにくいかも」

----アクションの方はどう?
「今までそんなに強くもなかったハリーが
クライマックスでは超人的プレイを見せる。
落ちかかった車の死体の手を片手で掴み、
上から落ちてきた銃をもう片手で受け取り、
敵を皆殺しにする。
ここも今の観客にとってはツッコミたくなるところかも。
この事件が起こるまで
ハリーは人を殺したことはなかったわけだしね。
でも、あの頃はこんな<突然ヒーロー>映画が多かったような気がする。
ヒロインとのベッドインのチャンスがたくさん転がっているにも関わらず、
いつも失敗するハリーのキャラとあわせて、
これはこれでよかったという気もするな」

          (byえいwithフォーン)

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