空和心律体

「道」を「楽」しむ極意を探して右往左往

Windows 対 Mac の価格論争にまだ意味はあるか ?

2008-12-15 23:33:04 | Mac Linux Win 
興味深い記事があったので・・・
しかし、両方のユーザーの自分には「いかに使うか、また、使い分けるか、であって、どっちでもいいじゃん?」と思えるのですが・・・まだこんな論争をやっているんだ・・・

僕的結論:「論争に意味はあるかもしれないが、必要性は無いだろう」
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Windows 対 Mac の議論があると、Mac は価格設定が高いのではとの質問が必ず出てくる。この種の議論では、「Apple 税」や「Windows 税」といったフレーズが飛び交い、インターネットを介していなければ怪我人も出かねない。

しかし、果たして Mac は Windows システムよりも高いのだろうか? そしてなにより、価格の議論に意味はあるのだろうか? 考えてみよう。

まず最初に、Mac は Windows システムより高いのだろうか。そこで、Apple Store と Dell のサイトを見てみた。筆者が見る限り、Apple で最も安いノート PC は999ドルの13インチ「ホワイト MacBook」で、(「Mac mini」を除き)最も安いデスクトップシステムは20インチの「iMac」で、価格は1,199ドルだ。

他方、Dell のサイトで最も安い Windows Vista システムは15インチノート PC「Inspiron」の479ドルで、17インチが付いた「Inspiron 530e」は439ドルだ。いずれのケースも、Mac 製品の価格は Dell 製品の2倍以上となっている。

結論?Mac は Windows システムより高価である。

だが、ちょっと待っていただきたい。筆者が選んだ Mac と Dell のシステムでは仕様が大幅に異なる。

・13インチ「ホワイト」 MacBook?2.1GHz Core 2 Duo、13インチスクリーン、RAM1GB、ハードディスク120GB、Intel GMA X3100グラフィックス

・20インチ iMac?2.4GHz Core 2 Duo、RAM?1GB、ハードディスク250GB、ATI Radeon HD 2400 XT

・Inspiron 15?2.0GHz Celeron 550、15.4インチスクリーン、RAM?1GB、ハードディスク120GB、Intel GMA X3100グラフィックス

・Inspiron 530e (17インチモニタ付き)?2.2GHz Celeron 450、RAM?2GB、ハードディスク320GB、Intel GMA X3100グラフィックス

こう見ると、違いが分かりにくいと思われないだろうか? 

Apple のシステムは Dell のシステムより良い CPU を搭載しており、デスクトップは GPU も良いものが採用されているが、Dell はモニタのサイズが大きく、デスクトップは RAM 搭載量で上回る。これで、利点がほとんど分からなくなってしまった。

Dell のシステムと Apple のシステムを横に並べて使い始めると、Mac の方が優れていることにすぐ気付くし、Dell のシステムからは「コスト第一」が強く読み取れる。

このことから、市場のローエンドを相手にした商売はしていないという Apple の興味深い実態が分かる。実際、 Steve Jobs 氏は前回の投資家向け電話会議のなかで以下のように述べている。

「われわれはある市場セグメントを選び、別のある市場セグメントは選んでいない」

また、以下のようにも述べている。

「一部の顧客についてはビジネス対象から除外している。実用的な500ドルコンピュータの製造ノウハウはわれわれにはないし、われわれの DNA はそのような製品の出荷を許さない」

したがって、Apple は市場のよりハイエンドのセグメントを選び、ローエンドを排除している。また、500ドル未満のシステムを求める顧客も排除している。Apple には低価格システムがないため、純粋に価格だけで比較すると Dell の低価格 PC と Apple のミッドレンジシステムを比較することになってしまう。

確かに、Dell のシステムの方が全体的に安くなるが、「安い」イコール「良い」ではない。これからは同様の仕様(もしくはパフォーマンス)でシステムを比較したい。「ホワイト」 MacBook であれば、Dell なら「Inspiron 13」などと比較すれば価格差がなくなっていく(前者の999ドルに対し、後者は割引価格で820ドル)。

Dell が最も低価格の OEM であることも忘れないようにしたい。Mac システムならば、これに近いソニー、HP、あるいは Lenovo のようなシステムと比較すれば、Apple が価格で勝てる場合もある。

注:Apple とほかの OEM 各社との間で最も大きい違いの1つが、Apple の方が選択肢が少ないという点だ。Dell、HP、あるいは Lenovo などから購入する場合、オプションでシステムをカスタマイズすることができ、好きなパーツにだけ対価を払うことができる。したがって、ニーズによってはこの方が安くあがる可能性もある。

しかし、Apple の場合は価格が問題になるのだろうか? 筆者はならないと思う。もちろん、価格に敏感な人が最新の Mac が欲しくても十分な購入資金がない場合は価格も問題になるだろう。しかし、Apple が四半期ごとに約250万台の Mac を出荷していることを考えれば、Mac の平均的購入者はそれほど価格に敏感ではないように思える。

四半期中に Apple が製造、出荷できる Mac の数は限られており、値下げをしても総売上高はさほど増えないことを覚えておきたい。人は欲しいものにはお金を惜しまず、Mac はそれぞれの購入者の予算に入るか入らないかだけなのだ。

ただ、明らかな点は、Apple のシステムが総じて製品価値を下げることなく需要を創出し、維持できるような価格設定になっているということだ(Dell が数年前にこのワナに陥って PC の価格を下げすぎたため、大小さまざまな企業がほとんど利益を出せなくなってしまった)。

Apple は、急速に普及し、大量販売される製品によってデザイナーブランドのイメージを維持してきた。 今の経済状況でもかなりの値段で製品を販売できるというのは並大抵のことではない。