ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

早春の一日

2013年02月10日 22時27分27秒 | お絵かき

早春の画題探しも兼ねて
スーちゃんの施設まで歩いて行った。
住んでいる市の、ほぼ端から端だけど
距離にしたら3km位なので
普通に歩けば一時間もかからないが
軽い運動にはなろうと
てくてく歩いて行った。
荷物は、シマムラで買った
スーちゃんの着替えが一枚と
お気に入りのジュースが5本。
それらをバッグに入れて
いざ出発である。

まずは、通りかかった臨海の公園で画題探し。

日当たりのよい草むらで
小さなロゼッタの中央に
花茎のないタンポポが咲いていたが
早春というにはちょっとそぐわないな。
木々の新芽も先日描いたから却下。
なかなかないものである。

臨界道路に沿った小道は
かつて走り始めたころの
もっぱらのトレーニングコース。
自転車で距離を測って
歩道にこっそりペンキで距離表示を
書いたりした道だ。
沈丁花や、ユキヤナギ、レンギョウなども
植わっているはずだと
期待していたが
今冬は寒かったせいか
花の姿はまだなく、
枯葉がカサカサ風に舞っているだけでした。

もっと春になったら
樹木のトンネルになったこの道でも
描きにきてみようかね。

そうこうしているうちに
スーちゃんの施設に到着。
暖房のきいた施設に入ると
3キロ歩いて少し温もった体には
暑いくらいだった。
中に居る分には快適なんだろうけどね。

身の回りを片づけて
親父の入院の状況について報告し
また、近所の人の日常話を教えてあげた。
退屈なことない?って聞いたら
いや、毎日楽しいよと
言ってくれるのはありがたい。
その様子は、まんざら子を思う親の気持ちから
強がりを言っているのでもなさそうだ。
歩いてきた事を告げると
びっくりしていた。
今度、車いすを押して歩いて
一時帰宅しよかと言うと、
これはさすがに抵抗されたわい。

しばらく時間を過ごして
じゃあ、またと施設を出てから
きた道とは全く違う道を歩いて帰った。
途中、昔からの商店街を歩きながら
八百屋の店先をふと見たら
フキノトウが売られていたので
これでも描いて楽しんだ後、
てんぷらにでもしてもらおうと
買うことにした。
「これくださーい」とパックを持っていくと
八百屋のおばさん曰く
「ふきのとうはうちでは初めて仕入れたんや。
へえ~買う人あるんやなあ」だって。
それはあまりにも世間知らずというものだ。
今や、大手スーパーに行くと
タラの芽、山ウド、ワラビ、ぜんまい
などと一緒にどこでも扱ってるのにねえ。

スーちゃんに荷物を渡したので
空になったカバンにフキノトウを詰め
大きく遠回りをして帰った。
歩いた距離は6キロくらいで
歩数にしたら1万2千歩くらいでした。

帰ってから、さっそくフキノトウの絵を描いた。
早く描かないとてんぷらにしてもらえないからね。
くるくる丸まった葉と淡い、いかにも
早春を思わせる薄い緑が難しい。
ようやく書き上げた絵に
今度は入れる言葉がなかなか出てこない。

フキノトウは、食べるとほろ苦いが
その味もまた、早春を象徴するような味だ。
その辺を書きたくて、ようやく言葉を考え
入れたのがこれ。



学生の頃、雪の里山で
いくつも見かけた思い出と重なって
フキノトウはとりわけ思いで深い
早春を告げる山菜の一つだ。

それにしても
自然の中ではなく八百屋の店先で
”早春”に出会うというのは
都会暮らしにはありがちなことなのである。