退職したら絶対読まなきゃ
と思っていたのが
司馬遼太郎
何せ長編も多いし
どっしりと腰を落ち着けて読まないことには
とずっと思っていた。
で、退職後さっそく読んだかというと
そうでもなく、
読みたいと思っていた最近の読み物から
片付けていってる状態だ。
そんな中、とある古本屋さんで
見つけたのが
「菜の花の沖」
江戸時代の廻船問屋である
高田屋嘉兵衛を主人公とした歴史小説である。
淡路島の五色町(今は洲本市)に
昔ランニングの合宿と称して
二泊三日で遊びに行ったことがある。
泊まったのは、丸太小屋風のコテージで
昼間はランニング三昧の後
温泉に浸かり、そして
きれいな夕火を眺めながらのBBQは
最高の合宿だった。
そんなコテージの近くにあったのが
高田屋嘉兵衛祈念館だった。
そのときは入らなかったけど
当時に、この小説を読んでいたら
絶対入っただろうな。
古本屋で見かけたのは
ハードカバーの全6冊で、
一冊はなんと105円。
激安だ。お得だ。
そこで、う~んと悩んだ。
6冊買って面白くなかったら後悔するしなあ、
でもお得な値段だしなあ。
前から読んでもみたかったしなあ、ということで
しばらく考えて
第1巻のみを買うことにした。
この第1巻がなければ
第2巻から買う奴はいないだろうから
しばらくは売れ残っているはずと踏んだわけだ。
面白かったらまた買いに来ればいい、と。
案の定、その店に行く度に
そのコーナーを見に行ったら
2巻から6巻までの5冊はちゃんと売れ残っていた。
それを確認して「よしよし待っちょれよ。
1巻読んで面白かったら買いにきちゃるけん」
と毎度心の中で呟いていたのであった。
で、そんな話をエイでS藤さんとしていたら
彼はその本を読んだことがあるらしく
感想を聞いたら
「とってもよかった」とのことだった。
読書家のS藤さんがよかったというのだから
間違いないだろう。
まだしばらく人に借りたり、
図書館で借りた読みたい本が他にもあったけど
質素倹約の身も顧みず
とりあえず思い切って買っておくことにした。
なんてたいそうに言ってるけど
全巻揃えて、合計630円ぽっちやからね。
コーヒーを二杯我慢すればいい。
チューハイを5回飲まなければいい。
ガソリンを・・・
もういいか。
ようやく買ってあげたら
なんとなく本がうれしそうに見えたわい。
とにかく今は早く読み始めたいなと思っている。
そして、読後にもう一度淡路島に行って
その記念館をぜひとも
訪れてみたいとも思っている今日この頃だ。
奇しくも今日の夕刊に東大阪市にある
司馬遼太郎記念館で
彼の命日2月12日に先立って
庭に菜の花の飾り付けがされた
という記事が載っていた。
彼の命日は、「菜の花忌」と呼ばれているように
そういえば、そろそろ
菜の花の季節だ。
淡路島はもう花盛りだろう。
思えば読みたい、行きたいのほかに
今年は春の訪れを告げる
菜の花の絵も描いてみたいという
楽しみが一つ増えている。