雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

カッコウの卵は誰のもの

2012-04-01 18:59:11 | 

東野圭吾著"カッコウの卵は誰のもの"を読みました。
ミステリーに分類される本なのかもしれませんが
ミステリーといえる部分は薄いです。

この話もねたばれしないように書くのはむずかしいので
ご注意を。
緋田風美は期待されている若手スキー選手です。
まだ広く名前を知られる活躍はしていません。
父親の宏昌は元オリンピック選手です。
風美が所属してい新世開発スポーツ研究所では遺伝子を
研究して優れたスポーツ選手を発掘しようとしています。
緋田親子の血液を調べさせて欲しいと研究所の柚木から
申し込まれています。
宏昌はうんとは言いません。

鳥越伸吾の父は登山家でした。遺伝子を調べて息子も
持久力が優れているとわかりクロスカントリの選手に
なるようスカウトされました。
伸吾はまったく興味がありませんが父親が仕事を紹介
してもらえることでしぶしぶやっています。

風美を競技させるなと脅迫状が会社宛に届きます。
風美が乗るはずだったバスが爆破されファンだと
声をかけてきた男性が巻き込まれて意識不明に
なりました。

風美の母は彼女が幼いときに自殺しています。
宏昌は妻が残した新聞の切り抜きから風美が自分たちの
子ではないと知りました。

爆発で意識不明の上条には白血病の息子がいます。
残された治療は骨髄移植です。
宏昌が風美の出生のこと、上条との関係を調べ始めます。
上条の妻の生んだ娘が病院からさらわれています。
上条には愛人がいてその人も同時期に子供を生んで
います。その人は子供と共に焼死しています。
その人と宏昌の妻は同級生だったことなどが
わかってきます。

上条が息子のため、血の繋がった娘を探していた
ことがわかってきました。
上条は亡くなってしまいます。

犯人は意外な人物です。
指示した人物と実行した人物がいます。

宏昌は人命には替えられないと風美が離れていくことを
覚悟してうちあけようとします。
その思いは上条の息子から必要ないと止められます。

風美は真実に気がついていません。
父親の苦悩が描かれています。
最初は妻が病院から連れ去ったと思っていましたが
風美は妻の友人の娘です。
奥さんは夫に真実を語りませんでしたし、法律に背く
行為だったのは否めませんが自殺するほど追い詰め
られる問題ではないように思います。
孤独だったのでしょうね。
生きて娘の成長を見たらよかったのにと思います。

緋田の親子はいままで通りの親子として過ごすことが
できそうです。
実の親子ではないというだけではない複雑な過去が
あります。
真実を知った方がいいのか悪いのかわかりません。
でも一生知らないで過ごしてしまうよりどこかの時点で
真実は知った方がいいのではと思います。

遺伝子調査で能力が高いからといって好きでないことを
強要しても身につかないということは当然ですね。

自分がごく普通の人生を歩んでいるのでどうもこういう
複雑な人生の話はあまり理解できません。
それだけ幸せなのだということなのでしょうね。