雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

戸村飯店青春100連発

2012-02-27 21:50:12 | 
瀬尾 まいこ
理論社
発売日:2008-03-20

瀬尾まいこ著"戸村飯店青春100連発"を読みました。
高校時代、その後の数年間の兄弟の生き方を描いたものです。
ヘイスケとコウスケは1歳違いの兄弟です。
性格はまるで違います。
同じ部屋で過ごしていますがほとんど話をしたことが
ありません。
大阪に住み、家は戸村飯店という食堂です。
両親二人で経営してます。

ヘイスケは食堂の手伝いをしたことがありません。
文章を書くのがうまいです。
弟や同級生の作文の代筆をやってこづかいをかせいでいました。
家にいるのが嫌で早く出て行きたくてしょうがありません。
高校を卒業すると東京の専門学校にいくため家を出ていきます。

コウスケはお客さんに明るく接することができる男の子です。
ずっと配達など家の手伝いをしてきました。
兄が家を出て行き、家業は自分が継ぐよりしょうがないと
心に決めています。

ヘイスケは作家になるための専門学校に入学したのですが
続けるつもりは最初からありません。
1月間で辞めると入学金が返還されるためその間に
辞めるつもりです。
専門学校の先生のアリさんと付き合い始めます。
友達もできます。
レストランでアルバイトを始めます。

コウスケは最期の高校生活を楽しんでいます。
合唱大会で指揮をかって出てクラスをまとめいい成績を
残します。
店を継ぐつもりでいますが三者面談でそう言ったら
出席していた父親に継がせない、家を出て行けと言われて
しまいます。
お父さんは広い世界を見て来いといいます。
先生も進学した方がいいと言い出します。
もう3年生も後半です。
コウスケは今まで相談事をしたことがない東京の兄を訪ねて
相談します。

コウスケは試験勉強を初めます。
ヘイスケはアルバイト先のレストランで頼りにされています。

コウスケは猛勉強の結果、大学に合格して家を出る
ことになります。
勉強は兄がコウスケのガールフレンドを通じて見守って
いてくれました。

ヘイスケは家を離れて家や近所の人達のことを
見直しました。
1年経って家に帰ろうと思うようになりました。
家の扉を開け店のお客さんや両親に迎えられる場面で
終了しています。

1年間で兄弟の生き方が入れ替わってしまいました。
その1年間は貴重な1年だったことでしょう。
話すことがなかった兄弟がお互いを知ることも
できました。
後を継ぐという息子を外に出してやるお父さんはえらいです。
ヘイスケも地元で大きく羽ばたくことでしょう。
青春小説でした。