雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

ころころろ

2012-02-14 19:19:03 | 
畠中 恵
新潮社
発売日:2009-07-30

畠中恵著"ころころろ"を読みました。
若だんなの一太郎のシリーズの一冊です。
おもしろかったです。
たよりない若だんなが今回はしっかりしてるじゃないと
思わせる場面も何回かあります。
兄やんの佐助と仁吉も活躍します。

まだ若いのに娘にべったり寄りかかって娘を放そうと
しない母親がいます。
その母親が目を患っています。
医者が生目社という神社に七つの宝を埋めて再建すれば
目がよくなるといいます。
七宝が集まったところで医者が持ち逃げするのでは
ないかと一太郎たちは怪しみます。
宝は医者が持って逃げた時に川に落ちて河童の玩具と
なりました。
一太郎が十二歳の時の出来事です。

現在に戻って、ある日起きると一太郎の目が見え
なくなりました。
長崎屋では武家から魚の干物を伊勢から運んでくれる
よう頼まれます。他へ頼んで何度も失敗しています。
船で運ばれてきて長崎屋へ運び込まれますが
中身がありません。
大騒動になります。
一太郎が難題を解決します。

仁吉は一太郎の目を元に戻すため出たっきりです。
人形の姿の妖、ろくろ首、骨傘に妖が見える男の子に
頼られて困っています。
ひとりひとり行き先を決めてやります。
一太郎の目が見えなくなったのは生目神が何かしたと
いうことがわかります。
河童が前に川に落ちた玉をひとつくれます。

佐助は夢をみています。
夢の中で女房と店をやっています。
ほんの少しの時間で店はどんどん大きくなり雇い人
も増えていきます。
女房のおたきが消えてゆく時宝をひとつくれます。

生目神と会います。
問答に答えよといいます。
何問かに一太郎がうまく答えます。
最期に生目神が自分のことを話します。
昔娘と結婚しました。用事で娘の元をしばらく離れて
戻ったら娘も親をいなくなりました。
どうしてだ推測せよといいます。

この答えを一太郎がみごとに解きます。
生目神はどうしてなのかわかりませんでした。
ずっとうらんでいました。
生目神は話を聞いて驚き、納得します。
SF的ですばらしい発想です。
そうなのかと思います。
神様が知らなかったってそんなことあるの、
とは思いますけどね。
一太郎の目は元通りになりました。